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生桑斎奉閣

父からの深い絆と愛情

公開:2025.06.06

故人様は、ご自身の人生を心から楽しんでおられた方でした。
趣味のゴルフや釣りに熱中し、朝早くから鮎の友釣りに出かけたり、ウナギやマツタケを採りに山や川へと足を運ばれていたそうです。
日々を生き生きと過ごされていたご様子が、ご家族の語る言葉の中ににじんでいました。

お仕事では、真面目一筋のサラリーマンとして長年勤められ、単身赴任の時期も多く、ご自宅におられる時間は限られていたそうです。
けれど、お孫様が生まれてからは一変し、毎日の送り迎えを自ら引き受け、ご家族のそばで温かな時間を大切に過ごされていました。

ご家族様は、そんなお父様のことを「介護が始まってから、本当の姿と愛情に気づいた」とお話しくださいました。

入退院を繰り返しながらも、最後はご自宅での看取りを選ばれ、ヘルパーさんにも支えられながら、深い人と人とのつながりのなかで最期の時を迎えられたそうです。
「父が、人との関わりの尊さを教えてくれた」。その言葉には、ご家族様の静かな感謝と誇りが込められていました。

ご葬儀のご準備にあたって、私からはゴルフがお好きだった故人様に、棺に納められる燃える素材のゴルフクラブをご提案いたしました。
「それ、いいね」「お父さん、絶対喜んでるよ」と、ご家族の皆様が笑顔を見せてくださった瞬間、私もこのひとときに立ち会えたことを嬉しく感じました。

また、ご家族との会話の中で、「父は感情をあまり表に出すタイプではなかったけれど、几帳面に毎日日記をつけていた」と伺いました。
日記には、テレビのこと、家族のこと、お孫さんがテニスで活躍していることへの喜びなど、いつもご家族のことばかりが綴られていたそうです。
言葉に出さずとも、深い愛情を持ち続けていた故人様の姿が、その記録から静かに伝わってきました。

たくさんのお花と思い出の品々に囲まれて、お父様は旅立たれました。
それは、ご家族のあたたかい想いがあふれ出るような、やさしくて、心に残るご葬儀でした。

このようなご家族とともに、大切なお見送りの時間を共にできたことに、心から感謝しております。

2025年5月31日 N家様(担当:伊藤慎)