終活年賀状(年賀状じまい)とは?年代別の文例や基本的な書き方も解説

公開:2024.07.16  更新:2024.10.31

終活年賀状(年賀状じまい)とは?年代別の文例や基本的な書き方も解説

終活年賀状(年賀状じまい)は、来年以降のやり取りを辞退することを伝える「最後の挨拶状」です。

近年、SNSの普及や年賀はがきの価格上昇なども影響し、若い世代から高齢者まで、年賀状離れが進んでいます。
しかし、相手にどのように受け取られるか、不快にさせないかと不安になる方も少なくありません。

この記事では、終活年賀状とは何か、年代や状況に応じた文例やメリット・デメリットについて解説します。
終活年賀状を書く際に押さえたい5つのポイントもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼気軽にご相談ください。

 

終活年賀状(年賀状じまい)とは

終活年賀状は、これまで年賀状のやり取りをしていた相手に対し、「年賀状を辞退する」旨を伝える挨拶状です。

長年交わしてきた年賀状での挨拶を辞退する背景には、さまざまな思いや葛藤があります。
特に多いのは年齢とともに視力や体力が衰え、年賀状の作成が負担になってきたケースです。

さらに、コロナ禍で人との対面接触が制限されるなか、シニア世代の間でもパソコンやスマートフォンを使った交流が増えています。
これにより、手軽で便利なデジタルツールが年賀状に代わる連絡手段として活用され、年賀状じまいが注目されるようになってきました。

なお、終活の一環として終活年賀状に取り組もうか検討している方は、こちらの記事をぜひ参考にしてください。

【関連記事】終活はいつから始めるべき?早くから始めるメリットや、やるべきことをご紹介

 

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終活年賀状のメリット・デメリット

終活年賀状のメリット・デメリットは、下表のとおりです。

メリット

デメリット

・わずらわしさがなくなる
・費用と手間が省ける
・人間関係が整理できる
・新しい連絡手段で旧交を温められる

・年賀状を再開しにくくなる
・絶縁宣言だと勘違いされる

年賀状作りは楽しい一方で、制作や投函には手間がかかるのも事実です。
年賀状を書くことが「苦痛」に感じてしまうなら、いっそのこと手放すのもよいでしょう。

ただし、人間関係は大切な資産であり、一方的に中断すると信用を失うことにもなりかねません。

終活年賀状を通じてお知らせしたうえで、連絡方法をメールやSNSなどより気軽なものへ変え、良好な人間関係を維持するのも1つの方法です。

 

終活年賀状を書く際に押さえたいポイント

終活年賀状を書く際に押さえておきたいポイントは、以下の5つです。

  1. お祝いの挨拶は丁寧に伝える
  2. 終活年賀状の理由を明確に伝える
  3. 今後の付き合いは変わらないことを伝える
  4. SNSやメールなどの代替案を提案する
  5. 終活年賀状を送るタイミングを考える

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

ポイント①:お祝いの挨拶は丁寧に伝える

年賀状は新年の挨拶という特別な意味を持つため、本来の役割をしっかり果たすことが大切です。

まずはお祝いの言葉を述べ、近況報告や感謝の気持ちを伝えましょう。
相手に対する感謝の気持ちや自身の近況を丁寧に伝えることで、年賀状じまいのお知らせも自然に受け入れてもらいやすくなります。

 

ポイント②:終活年賀状の理由を明確に伝える

年賀状をやめる理由を以下のように、明確に伝えることが重要です。

  • 年齢による負担
  • 終活の一環
  • 生活様式の変化 など

具体的な状況を簡潔に伝えることで、相手の理解を得やすくなります。

また、「皆様」や「どなた様」などの呼びかけを使い、すべての受取人に同じメッセージを届けていると示すと誤解されるリスクを減らせます。

 

ポイント③:今後の付き合いは変わらないことを伝える

終活年賀状の内容によっては絶縁宣言と勘違いされる可能性があるので、内容には細心の注意が必要です。

相手との絆を維持するために、年賀状をやめるだけで、今後も関係を継続したい旨をしっかり伝えましょう。

 

ポイント④:SNSやメールなどの代替案を提案する

年賀状じまいの連絡では、相手への配慮と今後の関係を大切にする姿勢を示すことが大切です。
今後も関係を維持したいことを強調するためにも、以下の代替手段を提示しましょう。

  1. 電話番号
  2. メールアドレス
  3. LINE など

なお、相手が使いやすい連絡手段が分からない場合や、どれを選ぶか迷う場合は、2〜3つ以上の選択肢を提示しておくのが無難です。

 

ポイント⑤:終活年賀状を送るタイミングを考える

終活年賀状は比較的新しい習慣であり、まだ一般的に認知されていないのが現状です。
そのため、特定の年齢や時期に制限されることなく、以下のような個々の人生の節目や変化に応じて送るのをおすすめします。

  • 定年退職
  • 還暦
  • 古希
  • 喜寿 など

ただし、送るタイミングによって適切な文面も異なります。
相手が年賀状の準備を始める前に、相応しい文面かどうかを確認してから送るとよいでしょう。

 

【年代別】終活年賀状の文例

終活年賀状の文例を、以下の年代別に「親しい方向け」と「ビジネスの方向け」に分けて解説します。

  • 60代以上の方が書く場合
  • 40代~50代の方が書く場合
  • 20代~30代の方が書く場合

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

文例①:60代以上の方が書く場合

60歳以上の方が親しい方に送る際の文例は、以下のとおりです。

【親しい方宛ての終活年賀状】

新年あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございます

さて、私も還暦を過ぎて寄る年波には勝てず
文字の読み書きが難しくなってまいりました

誠に勝手ではございますが皆様への年賀状を
今年限りで失礼させていただきたいと思います

今後は、電話やメールを通じて変わらぬお付き合いしていただければ幸いです

皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます

下記は、ビジネス上の付き合いがある方に送る際の文例です。

【ビジネス上のお付き合いがある方宛ての終活年賀状】

謹賀新年
昨年は格別のご厚情を賜り心より感謝申し上げます

私事ではございますが定年退職となる本年を機に
皆様への年始のご挨拶を控えさせていただきたく思います

何卒ご容赦いただき
今後は、電話やメールを通じて変わらぬお付き合いをお願いできましたら幸いでございます

厳寒のおりくれぐれもご自愛なさいますようお祈り申し上げます

年齢や定年退職など個々の背景によって適切な文面は異なります。
相手のことを思いやりながら、心を込めて綴るとよいでしょう。

 

文例②:40代~50代の方が書く場合

40代〜50代の方が親しい方に送る際の文例は、以下のとおりです。

【親しい方宛ての終活年賀状】

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございます

皆様に長くお付き合いいただいた家族年賀ですが
本年をもちまして一旦終了させていただこうと思っております

来年からはそれぞれのSNSで近況報告をさせていただきます

誠に勝手ではございますが
今後も変わらぬお付き合いのほど宜しくお願いいたします

下記は、ビジネス上の付き合いがある方に送る際の文例です。

【ビジネス上のお付き合いがある方宛ての終活年賀状】

謹賀新年
長年に渡りあたたかい賀状を賜りありがとうございます

誠に恐縮ではございますが、社の方針変更により
来年以降は年賀状でのご挨拶をどなた様にも控えさせていただくことになりました

今後は新年のご挨拶や近況報告を電話やメールで出来ればと存じます

弊社の都合によりご不便をおかけいたしますが
何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます

非礼を深くお詫びいたしますとととも
寒さ厳しきおりから
皆様のご健康をお祈り申し上げます

40代〜50代の方は、仕事や家庭など人とのかかわりが多い年代でもあります。
他の連絡先へのスムーズな変更を促せるよう意識するとよいでしょう。

 

文例③:20代~30代の方が書く場合

20代〜30代の方が親しい方に送る際の文例は、以下のとおりです。

【親しい方宛ての終活年賀状】

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございます

今後はLINEで年始の挨拶をしたく
誠に勝手ながら年賀状の送付はどなた様へも今年で最後とさせていただきます

SNSを通じて、より深く親密な関係を築ければ幸いです。

今後も変わらぬお付き合いのほど宜しくお願いいたします

下記は、ビジネス上の付き合いがある方に送る際の文例です。

【ビジネス上のお付き合いがある方宛ての終活年賀状】

謹んで新年のお慶び申し上げます

旧年中のご厚情心よりお礼申し上げます

なお、私事で大変恐縮ですが
SDGsが注目を浴びる昨今環境問題の一助となるべく
皆様への年始のご挨拶状をご遠慮させていただこうと考えております

今後は電話やメールなどで密なコミュニケーションを図り
ご指導をさらに活かせるよう精進してまいる所存です

ご了承のほど、何卒よろしくお願いいたします

皆様のますますのご繁栄を衷心よりお祈り申し上げます

20代はSNSなどで近況発信している方も多く、年賀状でも反映させる傾向にあります。
20代〜30代ならではの感覚を活かしつつ、相手との関係性や状況に応じて敬語使いや表現を心がけましょう。

 

終活年賀状を検討している方は

終活年賀状はまだ一般的ではないため、「絶縁と勘違いされないか」「いつ終活年賀状を送るのが適切か」悩んでいる方も少なくありません。

斎奉閣の無料事前相談では、終活年賀状に関する不安や疑問を解消し、より良い準備ができるようサポートさせていただきます。
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エンディングノートを作成することで、将来の不安を軽減し、大切な人たちの負担を軽減できます。
終活年賀状の作成を検討している方は、ぜひ斎奉閣へお問い合わせください。

エンディングノートについて振り返りたい方は、こちらの記事をあわせてチェックしましょう。

【関連記事】エンディングノートとは?メリットや書き方のコツをご紹介

 

まとめ:終活年賀状について

人生の節目や変化に直面するとき、年賀状の送付をやめる決断は単なる手続き以上の意味を持ちます。
年賀状じまいを通じて心の負担を軽くすることで、残りの人生をよりよいものにできるでしょう。

なお、斎奉閣では無料事前相談を実施しております。
自分自身のライフスタイルに合わせた終活の一環として、年賀状じまいを検討している方はお気軽にお問い合わせください。

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「事前準備を始めたいけど何から始めればわからない…」という方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

深田真毅(ふかだ まさき)津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター

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