和ごころ長島
思い出の写真に囲まれた旅立ち
和ごころ長島にて執り行われたT家様のお葬式では、故人様の静かで力強い生き方と、ご家族との深い絆が、式場全体にあたたかく広がっていました。
故人様は、時に厳しさを持ちつつも、家族を何よりも大切にされた方でした。ご夫婦での旅行がご趣味で、国内外を問わず多くの地を訪れ、数々の思い出を育んでこられたとのこと。その旅の時間はご夫婦にとって、ただの趣味にとどまらず、人生を彩る大切な宝物だったのだと感じました。
今年4月で結婚50周年を迎えられ、ご夫婦でハワイ旅行へ行きたいねとお話をしていたそうですが、体調不良によりその夢は叶いませんでした。そのことを「残念だった」とご家族様が静かに語られていたのが印象的で、長年連れ添われたご夫婦の深い絆が感じられました。

奥様より10歳年上だったこともあり、故人様は家庭を率先して守ってこられた存在でした。寡黙ながらも、その行動には深い責任感と家族への思いが込められており、言葉ではなく背中で示す、まさに頼れる大黒柱でした。
ご家族様は、故人様に対して「ありがとう、という思いでいっぱいです」とのお気持ちを語られていました。その一言の中には、感謝と敬愛、そしてこれまでの人生をともに歩んだ深い絆が込められているようでした。
ご家族様より「旅行などの写真を飾れませんか?」とお話があり、「机や写真立をご用意しますので沢山お持ちください」と提案させて頂き、式場には、旅先で撮影されたたくさんの写真が並びました。展示された写真をご覧になったご家族様は、「沢山お写真を飾れて、参列者に見てもらえてよかった」とおっしゃってくださり、その表情には、故人様との思い出を皆さまと分かち合えたことへの喜びがにじんでいました。

式を終えた後、私自身が感じたのは、静かでありながらも確かな愛情で家族を包み込んでこられた故人様の人生の尊さでした。そして、その想いを大切に継いでおられるご家族の姿に、深い敬意と感謝の気持ちを抱かずにはいられません。T家様の大切なお別れの時に寄り添わせていただけたこと、心より感謝申し上げます。
2025年11月2日 T家様(担当:石田)