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久居斎奉閣

大正琴と耳かきを愛したおばあさま— 家族のやさしさに包まれたお葬式 —

公開:2025.12.06

花をこよなく愛し、大正琴をたしなみ、耳かきを集めるのがご趣味だった故人様。やさしく穏やかな日々を重ねられ、まわりの人にあたたかく寄り添う方でした。

車イスで生活されるようになる前まで大正琴を楽しまれていました。その音色をお葬式で流すと、「大正琴されていた方だったのね」と懐かしむ声が聞こえ、会場には故人様の姿を思い出すような穏やかな時間が流れました。

故人様は「きちんとした人」だったとご家族様からお伺いしました。

8月には99歳の白寿を迎えられ、「お祝いできて本当によかった」との言葉に、ご家族の深い愛情を感じました。「本人は100歳を目指していたのです」と喪主様が微笑まれた言葉も印象的でした。

ご家族のお話では、旅行に行くたびにお土産として耳かきをお渡ししていたそうです。
そんな思い出の品を「皆さんにも持ち帰ってもらえたらうれしい」とのご希望を受け、受付に並べてお配りするご提案をいたしました。

 

当初は展示をお考えでしたが、「受付のほうがご案内しやすいのでは」とお伝えすると、「そのほうが良いですね」とすぐにご納得くださいました。
POPはご家族様がご自身で手書きされたものに。あたたかい文字が、式場全体にぬくもりを添えていました。

大正琴の音色や手書きのPOP、そしてご家族の笑顔の中に、故人様を想うあたたかな気持ちが溢れていました。
お一人おひとりの想いが寄り添い合うご葬儀に携われたこと、心より感謝申し上げます。

2025年10月 担当:北辻