和ごころ津
生き様が語り継がれる、漢(おとこ)の葬儀
故人様は、42年という長きにわたり自衛隊に奉職され、銃剣道錬士の資格を持つなど、常に己を鍛え続けてこられた方でした。スポーツ万能で、何事にも真摯に向き合う姿勢は、まさに「漢」と呼ぶにふさわしい生き様であったと感じます。

退官後は畑仕事に力を注がれ、ご自身で育てた野菜を家族や地域の方のもとへ届けることを楽しみにされていたとのお話からも、家族思いで温かいお人柄そして人情に篤いお人柄がうかがえました。

ご家族にとって故人様は、夫として、父として、そして祖父として、常に頼りがいのある存在でした。ご家族様から語られた「漢としてカッコいい人だった」という言葉には、尊敬と誇り、そして深い愛情が込められており、故人様がいかに大きな存在であったかが伝わってきました。

ご葬儀にあたっては、生前に故人様とご家族様で話し合われていた想いを大切にし、「故人様らしさ」を何よりも重視したご葬儀を望まれていました。私はご家族がご用意された品々一つひとつにも意味があり、それらが集まることで、故人様の人生そのものが表現されるのではと考えました。

そこで「故人様のお棺に入れたいものはたくさんあると思いますが、長年使い込まれた銃剣道の木銃や、自衛隊時代の鍛え抜かれた筋肉姿で写ったお写真、退官の日に堂々と立つ故人様の後ろに自衛官の方々が列をなして見送りをされているお写真、賞状など、一つ一つのアイテムが故人様らしいとてもカッコいいものなので、それぞれに意味のあるものとして、想い出の回廊やナレーションで紹介してはいかがですか」と提案いたしました。ご賛同いただき「想い出の回廊」に飾られた写真や賞状について、喪主様が涙ぐみながら語られる場面もありました。その姿は、参列された方々の心にも深く残り、静かに故人様を偲ぶ時間が流れていました。

今回のご葬儀は、私にとっても特別な時間となりました。飾られた品が放つ存在感、堂々とした想い出の回廊の展示、そして喪主様が語られるお言葉が、故人様という人物の魅力を雄弁に物語っていました。私は心から「今までにない、カッコいい葬儀だった」と感じました。

故人様の生き様と、ご家族様の想い、そしてそれを形にするお手伝いができたことを、担当者として心から誇りに思います。

2026年1月29日 黒瀨家様(担当:近田)