阿倉川斎奉閣
手作り映像がつないだ温かな絆のご葬儀
相手に合わせて接することができる柔らかな心配りと、思い立ったらすぐに行動に移す行動力をあわせ持った故人様。信仰心が強く、お寺のお手伝いにも積極的に足を運ばれ、地域とのご縁を大切にされてきました。旅行がお好きで、アメリカやオーストラリアなど海外にも足を運ばれた行動力あふれる方でもあったそうです。

ご家族様にとって故人様は「見習うところが多い」存在でした。自分自身の意見をはっきり持ち、意思を貫くタイプ。「とにかく家族みんなを大事に思っていた」とのお声があり、お孫様へ費用を負担して旅行に行っておいでと背中を押してくださったエピソードも伺いました。深い愛情が、何気ない思い出の一つひとつに息づいているように感じました。

ご葬儀にあたりご家族様からは、手作りのスライド映像を流したいとのご希望をいただきました。しかしお持ちいただいた映像がうまく再生できず、不安がよぎりました。それでもお時間をいただき、ご遺族様が来館されるまでになんとか流せるよう試行錯誤を重ねました。

当日、式場前に映像が映し出されると、ご家族様はそれをご覧になり「流せないと思っていたけど、ここまでしていただいてありがとうございます、伊藤さんのおかげです」とおっしゃってくださいました。映像には、故人様と過ごした時間、誕生日や何気ない日常のひとこまが音楽に合わせて映し出されていました。故人様の笑顔や、ご家族に囲まれた穏やかな表情。その一枚一枚が、かけがえのない宝物のように感じられました。中でも、故人様から玄孫までが一枚に収められていた写真はとても印象的で、世代を超えて受け継がれてきた絆の深さを感じさせるものでした。ご参列の皆様も映像の前で足を止め、思い出を語り合いながら静かに見入っておられました。会場には、笑顔と涙がやわらかく溶け合う、あたたかな時間が流れていました。

当初映像が映らなかった時、お客様は「流れなければ仕方ないです」とおっしゃってくださいました。そのお心遣いに応えたい一心で試行錯誤した結果、皆様にご覧いただけたことを本当に嬉しく思います。映像越しにも伝わるご家族の絆、そしてそれ以上に温かいご家族、ご親族様のお姿が印象に残るご葬儀でした。
大切なひとときをお任せいただき、お手伝いさせていただけたことに心より感謝申し上げます。故人様が紡いでこられた深い愛情の絆は、これからも皆様の中で生き続けていくことと感じております。本当にありがとうございました。
2026年2月10日 F家様(担当:伊藤)