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富田斎奉閣

彩の千羽鶴に包まれて

公開:2026.03.09

お花が好きで、何よりも家族を大切にしてこられた故人様。その穏やかな人柄は、日々の暮らしの中で自然と周囲を和ませ、ご家族様にとってかけがえのない存在でした。皆さまが口をそろえて語られるのは、故人様のやさしい笑顔です。「笑顔が素敵な頼りになるお母さん」。その言葉からも、ご家族様にとってどれほど大きな存在であったかが伝わってきました。

ご葬儀のお打ち合わせの際、ご家族様は「母の最期なのでしっかり見送ってあげたい、立派に送ってあげたい」とお話しくださいました。一方で、「父の葬儀とは形式が変わったので不安」というお気持ちも抱えておられました(お父様の時は一般葬で今回お母様は家族葬でした)。これまで経験されたお葬式とは違う形になることへの戸惑いは、当然のことだったと思います。

お話を伺う中で、お父様のご葬儀の際に折られた鶴が残っていることを教えてくださいました。そこで、その大切な鶴を今回も飾らせていただくことをご提案しました。ご夫婦で歩まれてきた年月を感じていただける、温かな空間になるのではないかと思ったからです。

この提案に対し、ご家族様は「是非そうしてあげたい。二人は仲が良かったので絶対に喜びます。あの世でも二人が出会ってほしい」とお話しくださいました。ご夫婦の絆を大切に思うご家族様の気持ちが、その言葉から静かに伝わってきました。

 

当日、お父様の時に作られた鶴を心を込めて飾らせていただきました。式場は、遺影写真やお花とともに、やさしい雰囲気に包まれていました。まるでお父様と故人様が再び寄り添っているかのような、温かな空間でした。

ご参列された方々もその光景を見て、「二人は仲が良かったから二人分の鶴が並んで素敵。よくこんな良い写真を選んだね」とお話しされ、故人様との思い出を懐かしそうに語り合っておられました。会場には悲しみだけでなく、故人様を囲む優しい記憶が静かに流れていました。

 

ご家族様の「しっかり見送りたい」という想いは、式の一つひとつの場面に込められていました。お花に囲まれた祭壇、そしてご夫婦を象徴する鶴。そのすべてが、ご家族様の深い愛情を物語っているように感じました。

葬儀はたくさん担当させていただいていますが、一つとして同じものはありません。今回のご葬儀を通して、お客様が大切にしてこられた想い、そしてこれから先へと繋がっていくご家族様の絆に触れさせていただきました。その時間が、私自身のこの仕事に対する思いをまた一つ成長させていただけているのだと、改めて実感しております。

大切なお母様のお見送りのお手伝いをさせていただけたこと、心より感謝申し上げます。

2026年3月1日 Y家様(担当:太田)