忌引き休暇とは?申請方法や取得可能日数などの疑問を解消!
喪に服すことを「忌引き」といい、忌引きのために取る休暇を「忌引き休暇」といいます。
通常の休暇と異なり頻繁に取得するものではないため、詳細まで把握できていない方も多いでしょう。
今回は忌引き休暇について、申請方法やマナー、注意点について詳しく解説します。
忌引き休暇を使った不正についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
忌引き休暇とは
そもそも忌引き休暇とは、どのような制度なのでしょうか。
ここでは忌引き休暇について、基本情報・申請方法・取得後のマナーといった観点から紐解きます。
忌引き休暇の基本情報
忌引き休暇とは、親族が亡くなった際に取得できる休暇制度のことです。
本人に出勤の意思があった場合でも、親族の不幸を理由に取得できます。
ただし休暇制度といっても、労働基準法で定められているわけではありません。
一般的には、各企業における就業規則により運用されています。
場合によっては、忌引き休暇制度そのものがない企業もあるでしょう。
とはいえ、近年では福利厚生の一環として、ほとんどの企業で忌引き休暇の制度が設けられています。
また制度としての内容が各企業で異なるのも、忌引き休暇の特徴です。
取得できる日数や、誰が亡くなったときに取得できるかといった点で違いが表れます。
年次有給休暇とは別に取得可能で、かつ突発的な休暇でも給与が通常どおり換算されます。
そのため、忌引き休暇制度がある企業に勤めているのであれば、使えるタイミングを逃さないようにしましょう。
忌引き休暇の申請方法
忌引き休暇を申請する際は、電話もしくは口頭で上長に伝えてください。
上長から了承を得た後に、書面やメールで休暇取得に関する詳細を報告しましょう。
書面・メールに記載するのは、主に以下の情報です。
- 忌引き休暇の取得日・取得日数
- 故人との関係性
- 葬儀の日程
- 緊急連絡先
最近では、専用のWebフォームから忌引き休暇を申請する企業も増えています。
忌引き休暇を取得する際は、自身が勤めている企業が推奨する方法に従いましょう。
また忌引き休暇は社会人だけでなく、学生にも適用される制度です。
学生が忌引き休暇を取得する際は、保護者が担任の先生に連絡するのが一般的です。
忌引き休暇取得後のマナー
忌引き休暇の取得後は、上長や担任の先生に対し、葬儀が無事終了した旨を口頭で伝えます。
致し方ないこととはいえ突発的な休暇を取ったのは事実なので、謝罪の言葉を伝えるのも忘れてはいけません。
葬儀の際に香典を受け取っていた場合は、忌引き休暇明けの挨拶回りと同時に香典返しを渡しましょう。
忌引き休暇は決して望んだ休暇ではなく、取得時は気が動転していることも多いでしょう。
しかし、迷惑をかけることに変わりはないため、周囲への配慮を忘れないでください。
忌引き休暇に関する4つの疑問とは?
ここでは、忌引き休暇を取得するにあたって解消しておきたい疑問について回答します。
疑問①:忌引き休暇の申請に必要な書類は?
忌引き休暇の申請には、以下の書類が必要になる場合があります。
- 会葬令状
- 訃報(葬儀の案内)
- 埋葬(火葬)許可証
- 死亡診断書
企業・学校によって書類の必要性は異なるため、忌引き休暇を取得する際は必ず確認しておきましょう。
疑問②:忌引き休暇は有給扱いになる?
忌引き休暇は、有給とは別の休暇制度です。
有給休暇とは、付与が義務付けられている「法定休暇」に該当します。
対して忌引き休暇は、企業が任意で設定できる「特別休暇」の一種です。
したがって、忌引き休暇という制度そのものは、有給休暇に該当しません。
しかし制度として忌引き休暇を利用できる場合は、有給と同じように1日の給与は保証されます。有給日数を消化する心配もありません。
疑問③:何日まで取得できる?
忌引き休暇の取得日数は、企業・学校によって定められた日数が異なります。
一般的には故人との関係性に応じて、取得できる日数が決まります。
日数の目安については、以下を参考にしてください。
- 夫・妻:10日
- 両親:7日
- 子供:5日
- 祖父母:3日
- 兄弟・姉妹:3日
- 夫・妻の両親:3日
- 夫・妻の祖父母:1日
- 夫・妻の兄弟・姉妹:1日
故人への思いが強かったり、葬儀会場が遠方だったりする場合は、上記の日数よりも長く取得できることもあります。
疑問④:忌引き休暇扱いになる親等は?
忌引き休暇は一般的に、1親等・2親等までが対象です。
1親等に該当するのは、以下の続柄です。
- 両親
- 子供
- 夫・妻の両親
2親等には、以下の続柄が該当します。
- 祖父母
- 兄弟・姉妹
- 孫
- 夫・妻の祖父母
- 夫・妻の兄弟・姉妹
3親等である曽祖父母や甥姪、4親等のいとこなどは、忌引き休暇の対象にならない場合が多いため覚えておきましょう。
忌引き休暇の連絡に関する2つのマナー
ここでは、忌引き休暇について連絡する場合のマナーについて説明します。
マナー①:メールで伝えるのはマナー違反?
忌引き連絡をメールで伝えること自体は、マナー違反になりません。
しかし、あくまで電話連絡や口頭での報告を済ませている場合に限ります。
電話・口頭で忌引き休暇を申請し、承認を得たあとに詳細をメールで伝えるのが一般的なマナーです。
マナー②:忌引き休暇のメール例文
忌引き休暇のメールは、以下の例文を参考に作成してください。 ーーーーー
<件名> ○○(自分の名前)です。忌引き休暇を申請します。<本文>○○部長お世話になっております。○月○日に父が逝去しました。葬儀のため、誠に恐れ入りますが○月○日から○月○日まで、○日間の忌引き休暇を取得させていただきたく思います。葬儀の詳細につきましては、決まり次第改めてご連絡させていただきます。休暇中は(090-○○○○-○○○○)までご連絡いただければと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。 |
ーーーーー 忌引き休暇についてのメールには、休暇取得期間・故人との関係性・亡くなった日時・葬儀の日程などを記載するのが一般的です。
忌引き休暇に関する4つの注意点とは
忌引き休暇を取得する際は、いくつかの注意点を押さえておかなければいけません。
主な4つの注意点について解説します。
注意点①:就業規則を確認しておく
社会人が忌引き休暇を取得する際は、そもそも忌引き休暇の制度がある企業かどうか確認する必要があります。
企業によっては忌引き扱いではなく、有給を消化する形になることもあるでしょう。
また、就業規則によって取得日数や対象となる親等が異なる場合もあります。
専用フォームでの申請を取り入れている企業もあるため、事前に確認しておきましょう。
注意点②:休暇中の業務に支障が出ないようにする
忌引き休暇中に自身の業務を誰が補填するか、どのように進めるべきかしっかり引き継いでおきましょう。
致し方ないとはいえ、業務の進行に影響を与えることは事実です。
休暇中に業務を代行してくれる人に対して誠意を見せ、滞りなく業務を進められるよう準備する必要があります。
注意点③:できるだけ早急に申請する
身内に不幸があった段階で、すぐに忌引き休暇取得の旨を伝えましょう。
電話もしくは口頭で概要を説明し、後ほどメールで詳細を伝えるのがマナーです。
できるだけ早急に申請しないと、休暇中の業務代行などに影響が出てしまいます。
注意点④:葬儀が終わるまでの日数を加味する
故人との続柄などを加味し、葬儀が終わるまで何日かかるかを想定して取得してください。
葬儀が遠方で執り行われる場合は、移動日数も視野に入れる必要があります。
場合によっては、葬儀が終わっても気持ちに整理がつかないこともあるでしょう。
事情を説明し、気持ちを整える日数をある程度設けることも大切です。
忌引き休暇を使った不正事例
有給とは別に忌引き休暇を取得できる企業も多いでしょう。
しかしそれを逆手にとり、有給を残しておくために不正に忌引き休暇を利用する人もいます。 実在しない親族が亡くなったと嘘をつき、複数回にわたって不正に忌引き休暇を取得していた事例もあります。(参照:琉球新報) 忌引き休暇を不正に取得していることが発覚すると、懲戒解雇などの重大なペナルティにつながるでしょう。
懲戒解雇を免れたとしても、組織内での居心地は確実に悪くなります。
「人が亡くなる」というデリケートな事情を不正に利用することは、人としての品格を下げることになるため絶対にやめましょう。
まとめ:忌引き休暇について
故人を偲ぶための期間として取得できる忌引き休暇。今回は忌引き休暇の基本情報や申請方法について紹介しました。
忌引き休暇を取得する際は、取得可能日数や連絡手段などを把握しておく必要があります。
休暇取得後の対応やメールの例文など、マナーの観点を押さえておくことも大切です。
とはいえ、有給と異なり頻繁に取得する休暇ではないため、取得に関する不安や悩みを解消しきれていない方もいるでしょう。
忌引き休暇に関する相談は、お気軽にご相談ください。
忌引き休暇を安心して取得できるよう、精一杯サポートさせていただきます。
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