会符に託す、ありがとうの気持ちとつながり
人が一生を終えた際、そこには残された方の悲しさや寂しさだけでなく、感謝が混ざり合うあたたかな時間があります。
今回お手伝いさせていただいたのは、お孫様ととても仲の良い故人様のご葬儀でした。
お孫様は故人様のたった一人の大切な大切な孫だそうで、生前は目に入れても痛くないと周りの友人知人に話したり、お孫様が喜ぶ顔がみたいとたくさんのおもちゃなどをプレゼントしたそう。
そのなかでもお孫様は大きくなってからも、故人様から、お守りをたくさん頂いたそうです。
小学生のころは毎年、初詣のたびに健康祈願・無病息災のお守りを買ってくれたそうです。
ほかにも初めておばあちゃんに恋の話をしたときには恋愛成就のお守りを。
受験の際は合格祈願のお守り。
免許をとり、車を買った際は交通安全のお守り。
故人様は大切なお孫様のために、近くにいられない自分の代わりにお守りをプレゼントしてくれた。それなのに、学生時代は恥ずかしくて素っ気ない態度をとってしまったこともあった。そう涙ながらお話くださったお孫様には故人様への愛と後悔が感じとられました。
「私もなにかお守りを渡せばよかった」その一言で「おばあ様にお孫様の名前を書いたお守りを渡しませんか?」と自然に言葉がでました。

お守り「会符」は、故人様を想う方と故人様をいつまでも繋ぐことができるお守りです。
ご記入いただく最中、故人様との思い出を楽しそうに、けれども寂しさをにじませながらお話される姿は、お互いを大切に想いあっていたことがよく伝わってきました。

ご記入後、二つに割っていただいたところ、お孫様が合わせ札になっていることに気付かれました。
また会えるように― とお伝えしたところ、今も繋がっている、安心できる、と愛おしそうに撫でている姿がとても印象に残りました。

故人様がお孫様にとくれた愛は、同じようにお孫様から故人様へ。
お二人の持つ札が必ずまた引き逢わせてくれる。そう思わずにはいられない、そんなご葬儀でした。