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和ごころ津

家族葬

ソフトボールが大好きなおじいちゃん、たくさんの愛をありがとう。

公開:2023.07.12

「何かお棺に入れてあげたいものはありますか?」打ち合わせの際、奥様にお聞きしました。すると、「実は、前からこれを飾ってあげたいと思っていたの。」と、ソフトボールの写真パネルを差し出されました。そのお写真を拝見し、私は、「こちらのパネルを飾るだけでなく、ユニフォームをお棺に入れてあげたり、パネルの他にもソフトボールに関するものを式場に飾ってはいかがでしょうか?」とご提案したところ、「それであれば、いろいろと飾りたいものがあるんです。」と仰られました。 翌日、再度打ち合わせのために、ご自宅にお伺いした際、写真パネルや故人様が使用されていたユニフォームやグローブ、スパイクなどをお預かりしました。そして、式場に戻る道中、「どこに飾ろうか、どのように飾ると目立つかな、喜んでいただけるかな。」と考えました。 お通夜の前に喪主様、奥様が来館し、思い出コーナーをご覧いただきました。「あらぁ~、きれいに飾っていただいて、ありがとうございます。」と、お言葉をいただき、とても喜んでいただけました。    私から「パネルを飾る時に気づいたのですが、ご主人は全国大会に出場したんですよね?出場チーム名の上に、県名が書いてありますもんね。全国大会ってすごいなぁと驚きました。」とお伝えしたところ、「全国大会や、ねんりんピックで福岡にも行ったんですよ。」と教えていただきました。 お通夜の前には、お孫様がパネルなどをご覧いただき、奥様とお話している姿を拝見しました。お孫様は故人様がソフトボールをしていたことを全く知らなかったそうです。「今回ソフトボールのユニフォームや写真を飾ったことにより、みんながそのことを知れて良かった。」と、奥様やお孫様に仰っていただきました。 お孫様にお聞きしたところ、故人様は体育会系というような厳しいところなどはまったくなく、とても優しいおじいちゃんだったそうです。そのことを象徴するかのようにお通夜の後、お孫様方がお棺周りで涙する場面を拝見し、私は、「皆様から愛されていたんだなぁ。それは、故人様が皆様をとても愛していたからだろうな。」と思いました。 お通夜の後やお葬儀の前には、お孫様方が鶴を折ったり、メッセージを書いたりしていました。もちろん、皆様の想いをおじいちゃんに届けるため、お棺に入れるためです。ここでもまた、皆様がおじいちゃんのことを本当にに好きだったんだなぁ、と感じました。ふと見ると、そこに新聞紙で折った兜がありました。聞くと、故人様の次女様が折ったそうです。言うまでもありませんが、もちろん、大谷翔平選手になぞらえての兜です。その兜を見て、私はすぐに「この兜お借りして良いですか?」とお聞きし、思い出コーナーのユニフォームのところに飾りました。すると、皆様から「おぉ~」と声があがり、とても喜んでいただき、写真を撮られたり、とご満足いただけました。 今回、お葬儀のお手伝いをさせていただき、奥様をはじめ、喪主様やお孫様に故人様のことを教えていただいたり、皆様の様子を拝見し、私自身が温かい気持ちになれてとても嬉しく思いました。このようなご縁をいただきましてありがとうございました。   2023年5月13日 G家様(担当:山本)