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東員斎奉閣

家族葬

愛する人を送り出す音色とともに

公開:2025.02.19

生前、故人様は宗派にこだわらず、「葬儀はしなくても良い」とおっしゃっていたそうですが、喪主であるご主人様は、「やはり葬儀くらいはしてあげたい」という思いから、故人様の意思を尊重しつつも葬儀を行うことを決心されました。

喪主様より、ご親戚様のご葬儀の際に、ハーモニカの先生が生徒さんと一緒に演奏されていたのがとても印象に残っているというお話をお聞きしたのと、奥様が松田聖子さんの大ファンだったとのことから、奥様のために音楽や演奏を中心に式をとり行う「音楽葬」を提案させていただきました。

 

また、奥様は手先が非常に器用でしたので、思い出コーナーには、生前にご自身で作られたたくさんのお人形やその他の手作りの品々が飾られました。妻として、母として、祖母としての多くの思い出が詰まったアルバムも一緒に展示され、来ていただいたお客様とともに、思い出話に花を咲かせている喪主様のお顔がとても印象的でした。

 

ご葬儀では、ピアノとバイオリンの美しい音色にのせて、奥様の思い出の写真をプロジェクターでスライドショーとして映し出し、喪主様からのメッセージもご紹介させていただきました。

昭和53年に社内結婚されたお二人は、ご主人様の仕事の都合で家族でシンガポールに3年間滞在され、言葉に戸惑いながらもトロピカルライフを楽しまれたとのこと。また、友人ご夫婦と一緒にイタリアに旅行された思い出など、ご夫婦として、ご家族として、たくさんの楽しい思い出を積み重ねられたことがうかがえました。

 

最後のお別れの時、喪主様は静かにお棺の中に眠る奥様のお顔にそっと両手を添えられました。その愛と感謝の思いが、周りの皆様にも深く伝わったように感じました。

 

奥様が大好きだった松田聖子さんの曲の演奏とともに、霊柩車にのせられました。

 

喪主様と二人の息子様は、故人様の「宗派にとらわれない」という意思を尊重し、音楽葬という形でご葬儀を執り行いました。葬儀を終えた後、ご親戚の方々やご家族様から「良いお式でした」とのお言葉をいただき、私をはじめスタッフ一同、村上家様の音楽葬に立ち会わせていただいたことに、心が温かくなりました。

ご葬儀にはさまざまな形がありますが、大切な人を送り出すという想いは、どの家族にとっても共通しています。村上家様の音楽葬にはご家族の深い想いが込められており、その温かい気持ちに触れることができ、私たちも大変感動しました。

2025年1月20日 村上家様(担当:市川)