菰野斎奉閣
家族葬
誕生日に贈る最後のありがとう
人生において誕生日は特別な日です。その日に執り行われた故人様のお別れの儀式は、ご家族やご友人、参列者にとっても深い意味を持つものでした。
故人様は、お話が大好きで誰とでも気さくに会話を楽しむ温かいお人柄でした。五人兄弟の一番上のお兄ちゃんとして、下の兄弟たちからとても慕われ、家族を大切にする存在でした。また、ゴルフやサッカーなどのスポーツを楽しむ一方で、定年後はお散歩や野菜作りを日課とし、趣味の川柳では中日新聞に掲載されるほどの腕前をお持ちでした。そんな多彩で魅力的な人生を歩んだ故人様のお別れの時間は、多くの人々にとって心に残るひとときとなりました。
葬儀会場の入り口には、故人様が生前お好きだった「お団子」「おにぎり」そして「ビール」を飾りました。参列された方々は、その光景を目にして故人様の人柄や日常を思い出し、笑顔を浮かべ、懐かしそうに語り合う姿が見受けられました。
これらの品々は単なる食べ物ではなく、故人様の人生の一部を象徴するものであり、その人らしさを感じさせる大切な要素でした。誰もがその場で故人様の面影を思い出し、心温まる時間を共有しました。
お棺の中には、ご遺族はお好きだったビールやミルクティーをお顔近くに添えてお見送りしました。これらもまた、生前に好んでいらっしゃったもので、ご家族の「最後まで好きなものに囲まれていてほしい」という深い愛情が込められています。
この演出は、ご遺族の想いと故人様の人生を尊重する、心からの送り方でした。参列者の方々も、その優しさに胸を打たれていました。
そして出棺の時。会場の外では雪が勢いよく降っていました。その雪は徐々に積もり、まるで白い花が一面に咲き誇るような美しい光景を作り出しました。雪はまるで白い花びらが舞い降りるような美しく幻想的な光景を作りだし、故人様が最後に歩む道を自然が示しているかのようでした。
参列者の中には「まるで故人様を送るために天から贈られた花道のようだ」とお話になる方もおり、ご遺族もその光景を見て「まさに花道のようだ」と感じられたそうです。その光景は、ご遺族と参列者の心に深く刻まれる、まさに感動的な瞬間となりました。
このように、葬儀は単なるお別れの場ではなく、故人様の人生を讃え、感謝を伝える大切な時間です。誕生日という特別な日に、好きだったものに囲まれ、自然からの美しい演出に包まれて旅立たれた故人様。その姿は、ご遺族や参列者の方々の心に深く刻まれたことでしょう。
当社では、ご家族の想いや故人様の個性を大切にした葬儀を提供しております。大切な方との最期の時間を、心に残るものにするお手伝いをいたします。
2025年2月19日 M家様(担当:水谷)