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名張斎奉閣

家族葬

大切な思い出とともに…

公開:2025.03.17

和菓子屋を経営されていた故人様。創業以来、故人様が守り続けてきた和菓子作りへの情熱と、その思いを受け継ぐ多くの方々が参列されました。

ご葬儀では、故人様のご家族が「おじいちゃんの思いをカタチにしたい」と願い、特別な映像を制作してくださいました。その映像には、故人様が練り切りを作る姿や、旅行中の様子が収められ、参列者の皆様にご覧いただきました。生涯を通じて和菓子作りに尽力し、素材の選び方から製餡の手法に至るまで、ひとつひとつの工程に心を込めていた故人様の姿が映し出され、多くの方々の胸を打ちました。

その数々の思い出には、眼鏡をかけている故人様が印象的でした。眼鏡をつけて送り出すことができないので、お孫様に手作りの眼鏡を提案させていただいたところ快くご了承いただけ、お別れの最後に、今までつけていらっしゃった眼鏡と交換していただきました。故人様らしく送ってあげたいとの思いにご賛同いただきありがとうございました。

故人様は亡くなる前、「旅行に行きたい、伊勢海老を食べたい」と願われ、ご家族様はそれを叶えるために旅行を計画されました。故人様にとって最後の旅行での思い出は、大好きだった伊勢海老を味わったことでした。その最後の思い出を大切にしたいという気持ちから、ご葬儀の際、伊勢海老のお造りを準備してお供えをさせていただきました。生前、故人様が愛した味がそこにあり、参列者の方々もその深い想いに胸を熱くされました。

「伊賀の国 名張の郷土銘菓を、ひとつひとつ心を込めて大切に作り上げる」

これが、故人様が生涯をかけて貫いた信念でした。厳選された素材選び、創業以来変わらぬ手法での製餡、そして季節の味わいを織り込んだ和菓子作り。そのすべてに、故人様のこだわりと愛情が詰まっています。

 

故人様は、和菓子を通して多くの人々に愛を与え、笑顔を生み出してきました。この世を去られたことは大きな喪失ですが、その精神はこれからも多くの人々の中で生き続けることでしょう。

2025年3月2日 澤田家様(担当:重本)