上に戻る

菰野斎奉閣

一般葬

お義父様との約束

公開:2025.03.31

お義父様は、静かで穏やかな旅立ちを迎えられました。

導師は喪主様(故人の娘様の夫)ご自身が務め、副導師は息子様(お孫様)が務められ、心を込めて執り行われました。生前、「お義父さんのお葬式は必ず私が導師を務めます」と約束されていた喪主様のその思いが、しっかりと実現したことに、家族全員の深い絆が感じられました。

   

故人様は、パソコンや詩吟、そして写真撮影と多くの趣味をお持ちでした。中でも、カメラを手にした故人様は、まるでプロのように四季折々の風景や植物を撮影され、その写真が式場に飾られていました。その一枚一枚には、故人様の豊かな感性と温かな眼差しが表れており、誰もがその美しさに心を奪われました。

 

 

また、故人様は毎日欠かさず、日本酒を1合召し上がっていたそうです。通夜の当日、喪主様はお義父様の故郷、高山のお酒をお供えし、その温かな思いやりが伝わりました。そのお話を聞き、故人様に最後のお酒を飲ませてあげてくださいと「末期の水」を提案しました。お義父様の最期のひとときを、ご家族で過ごしていただきました。

数日前から、二人のかわいいひ孫様が訪れ、声をかけていたというエピソードも心に残ります。そのひ孫様たちが「長生きしたね、よく頑張ったね」という気持ちを込めてご用意をされた手紙と金メダルは、故人様にとって大切な宝物になり、棺に納められました。

喪主様は、何度もお義父様は「とても喜んでいる」とお話になり、その言葉からは、41年間にわたって築かれた深い親子の絆が感じられました。最後のご挨拶では、ご参列の皆様へ挨拶をされた後、祭壇の方に向きを変えてお義父様に感謝の言葉を述べられました。その時の喪主様の姿には、ただの親子関係を超えた、深く温かな絆とお義父様への無償の愛が溢れていました。

このような温かい場に立ち会わせていただき、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。

2025年3月17日 石丸家様(担当:伊藤)