和ごころ末広
阪神タイガース愛に包まれて~六甲おろしが響く心温まるお見送り~
「出棺の時は、絶対に六甲おろしの曲を流して欲しいです!あとユニフォームも飾ってあげたいし、グッズもこんなにたくさんあって…!」
葬儀の打ち合わせに入るよりも先に、故人様への想いをたくさんお話いただいたのは故人の奥様でした。「熱狂的で、感情的で、陽気で、お祭り好き」 という私の思い描く阪神ファンのイメージ通りの方で、ご家族様も快活な方が多かったので、打ち合わせも明るい雰囲気の中で進みました。
故人様は40年以上の阪神ファンで明るく元気で周囲にも信頼される人情味に溢れる方でした。夫婦仲もたいへん良く、お揃いのユニフォームを着て何度も甲子園球場まで応援に駆け付けていたそうです。
また、故人様の趣味は瓢箪作り。テレビ取材を受けるほどの腕前で、ものづくりにもこだわりを貫き、周囲の誰よりも“自分流”を貫く、そんな粋で真っすぐな生き方をされていました。
今回はたくさんの阪神グッズに囲まれたタイガース一色の葬儀で送って差し上げることがご遺族たってのご希望。会館にたくさんのグッズをお持ち込みいただけたので、スタッフ全員で心を込めて展示を整えました。
館内にはご希望であった六甲おろしのBGMが響き渡り、タオルやキャップ、応援グッズが一面に並びとても賑わいに満ちた空間となりました。阪神グッズに囲まれた遺族手作りの思い出のボード写真も、アットホームでより温かな雰囲気となりました。
「これから通夜が始まるとは思えないほどにぎやかにしていただき、きっと本人が一番喜んでます。」そう話されるご家族の皆様の笑顔が、とても印象的でした。
生前故人様は、ご家族とともに朝マックを食べるのがお好きだったそうで、葬儀の日の朝、ご家族で最後の食事をされていたことも、故人様が皆様に慕われていた存在であったと感じました。
また、ご夫婦でお揃いのユニフォームを着て応援されていたと伺っておりましたので…
「最期は喪主様自身もユニフォーム姿でお見送りしてはいかがでしょうか?」とご提案したところ、皆様にご賛同いただき故人様の名前「SADAO」のネームが入った応援ユニフォームを身にまとって故人様との最期のひと時をお過ごしいただけました。
そして、迎えた最期の出棺は、六甲おろしのBGMとともに盛大に故人様をお送り致しました。
その後、喪主様は火葬場でも戻りの初七日が終わるまでずっとユニフォームを身にまとっており、きっとそのお姿と気持ちが故人様への最高の贈り物となったことと思いました。
終始、温かな雰囲気での家族葬に立ち会わせていただけたことに心より感謝しております。
2025年7月28日 担当:道内・木林・久楽