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和ごころ壬生野

親が幸せやと、子も幸せ

公開:2025.09.12

趣味は車、電車、そして写真撮影。日本各地を旅しながら、ご当地提灯を集めていた故人様。低く落ち着いた声と、お酒を飲んだ時に見せるご機嫌な笑顔が印象的な方だったそうです。その穏やかでユーモアあふれるお人柄は、旅先での出会いや日々の生活のなかでも、周囲の人々に温かさを届けていました。

    

ご家族にとって故人様は、孫たちをこよなく愛し、小さな頃にはおんぶや抱っこ、絵本の読み聞かせなどをしてくれる優しいおじいちゃん。通学時のスクールガードや習い事の送迎なども積極的に担い、家族にとってはかけがえのない存在でした。

「今が一番幸せ。親が幸せやと、子も幸せ」。それが故人様の口癖でした。そんな言葉の通り、故人様のまなざしの先にはいつも、家族の笑顔がありました。

 

ご葬儀にあたって、私からは「甘いものが大好きだった」とのエピソードをもとに、地元の和菓子屋さんにご協力いただき、作りたての和菓子を用意してお供えしました。喪主様からは「父もきっと喜んでいます」とのお言葉をいただき、ご家族皆様がほっとしたご様子で、大変喜んでくださいました。

祭壇のそばには、若かりし頃の故人様の写真を展示いたしました。そのお姿は細面で凛々しく、まるで俳優のよう。「ご主人、男前ですよね」とお声がけすると、奥様は「若いころは、周りの人から歌舞伎役者の片岡孝夫さんに似てるって言われてたんです」と、懐かしむように、そしてとても嬉しそうに語ってくださいました。

 

故人様の金婚式のお祝いの際に撮られた、ピースサインで笑う満面の笑顔の写真。その一枚を通じて、「家族みんなが幸せなんだなぁ」と感じられるほど、温かさに満ちていました。

悲しみの中にも、ふと笑みがこぼれる。そんなあたたかな空気に包まれたお葬式でした。お見送りの空間は、まるで故人様ご本人が「ありがとう」と微笑んでいるかのような、優しい時間が流れていました。

この度、大切なお見送りの時間を共に過ごさせていただき、私自身も深く心があたたまる想いでした。故人様、そしてご家族の皆様の深い絆と優しさに触れさせていただき、本当にありがとうございました。

2025年9月4日 北嶋家様(担当:阿部)