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伊賀斎奉閣

最期の願いに込められた想い~刺身定食とありがとうの言葉~

公開:2025.09.23

昭和7年に生まれた故人様は、子どもを授かったことを何よりの喜びと語っておられたそうです。趣味は多岐にわたり、カメラ撮影や伊賀焼の陶芸、パソコンなど、探究心あふれる暮らしを送られました。戦争で亡くなられたお兄様の写真を大切にされ、ご家族や保護した猫たちとの日々を慈しみながら、静かに、そして豊かに生きてこられた方でした。

ご家族様にとって、故人様は「苦労をしてきた母」であり、「とても大切な存在」だったと語られていました。そして、お葬式にあたり、「母が喜んでくれるかどうか」「思い出に残る葬儀になりますように」という切実な願いが寄せられました。

お打ち合わせの中で、「お米と刺身が食べたい」と故人様が語っておられたことをお伺いし、式当日の朝には、刺身定食(刺身・ごはん・お味噌汁)を供えさせていただきました。

また、通夜の中で「星影のワルツ」を好んでおられたことを知り、CDに録音し、葬儀のお別れの時間にその音楽を流すご提案をいたしました。この提案に対し、ご家族様はとても喜ばれ、特に娘様は目を潤ませながら故人様との最期の時間を過ごされました。葬儀後、ご移動の際にお供えがなかったことを確認すると、娘様から「母と一緒に美味しくいただきました」とのお言葉をいただきました。

ご家族様が故人様へ伝えられた「ありがとう、私は幸せです」という言葉には、これまでの感謝と深い愛情が込められており、その想いは静かに、そして確かに、私たちの胸にも響いてまいりました。

このたび、最期の願いにそっと寄り添う形でご家族のお手伝いができたことを、心より光栄に思います。大切なお別れの機会を私どもにご依頼いただき、誠にありがとうございました。故人様の穏やかで多彩な人生、ご家族の深い愛情にふれ、私自身もまた多くの学びと感動をいただきました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2025年9月13日 U家様(担当:松岡)