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伊賀斎奉閣

家族を支え続けた、かけがえのない存在

公開:2025.12.06

戦中生まれで激動の時代を、しなやかな強さで乗り越えてこられた故人様は、女手ひとつで家業を支え、ご家族を守り抜かれた人生を歩まれました。常に自分のことより家族を優先される姿は、地域やご親族の間でも大変慕われ、存在そのものが安心の象徴だったように感じます。

ご家族にとって故人様は、「いつも家にいる人」。共働きの喪主様ご夫婦に代わり、お孫様の世話を担い、小さな体で自転車に乗せて買い物へ出かけ、学校行事にも参加されていました。体は弱くとも驚くほどパワフルに家族の日常を支えてこられた姿が、その言葉の背景にあったのだと感じました。

そんな故人様への想いの中で、喪主様の口から語られた印象的な言葉がありました。それは、頼りにしていた喪主様の祖父が他界されたとき、故人様が喪主様に向かって「H家はあんたに頼んだで!」と託されたというエピソードです。家を大切に守ってこられた故人様の想いと、ご家族への深い信頼が、この言葉に込められていたのだと感じました。

 

お葬式に際して、ご家族様は「たくさんの写真を皆に見てもらいたい」とのご希望をお持ちでした。喪主ご一家は4人家族で全員がカメラを趣味とされており、ご自宅には思い出の写真が数多く残されていました。その一枚一枚に、故人様とご家族が共に過ごしたかけがえのない時間が写し出されており、私たちも胸を打たれる思いでした。

そこで私は、形式にとらわれず、あえて式場内に思い出コーナーを設置し、そこに厳選したお写真を展示することをご提案しました。

ご家族様だけでなく、ご参列の皆様にもその写真をじっくりご覧いただくことで、H家様の歩みと故人様の温かさを共有できるような空間をつくりたいと考えたからです。

 

このご提案に、ご家族様は「このような形で送ることができて本当に良かった」とおっしゃってくださいました。形式ではなく、想いに寄り添ったお見送りができたことを、大変喜んでいただけたことが何よりの励みとなりました。

思い出コーナーには写真とともに故人様がよく飲まれていたカフェオレも供えられました。ご葬儀後、ご家族の皆様が写真を眺めながら微笑んでおられた姿が、今も心に残っています。悲しみの中にも、確かに存在するあたたかな絆と感謝の想い。その想いに触れさせていただけたことに、心から感謝申し上げます。

このたびH家様のご葬儀をお手伝いさせていただいたこと、ご家族の皆様の大切な時間に寄り添えたことを、心よりありがたく思っております。誠にありがとうございました。

2025年11月25日 H家様(担当:竹森)