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亀山斎奉閣

メモリアルコーナー~ご遺族の心に刻まれた最後の一手 ~

公開:2026.03.03

84歳で旅立たれた故人様は、第二次世界大戦中、3歳のときにお母様を亡くされました。戦後の激動の時代を懸命に生き抜いてこられたご生涯でした。幼少期のご苦労があったからこそ、誰よりも家族を大切にされるお父様であったと、ご遺族は語られました。

何事にも細やかに向き合う、しっかり者のお人柄だったそうで、「出発時間に少しでも遅れると叱られた」と、買い物や家族旅行での、そのお人柄を感じさせるエピソードも伺いました。それもそのはず、故人様は国鉄職員、のちにJRの車掌として長年にわたりお客様の安全を守り続け、常に時間と責任を大切にしてこられた方でした。ご家族での旅行では、新幹線や鉄道を存分に利用し、日本全国へ連れて行ってくださったことも、ご遺族にとってかけがえのない思い出となっているそうです。

故人様がとりわけ情熱を注がれていたのが「碁」でした。地域大会で優勝されるほどの腕前で、法名には「碁」の一字をいただかれたほど愛されたご趣味でした。「きっと故人が一番喜んでいるはずです」と喪主様もお話しくださいました。ご自宅には愛用の囲碁盤と碁石があり、大切にされていたそうです。

 

ご遺族からは、「大きな囲碁盤は持ち運びが難しいため、碁の本をお供えしたい。また、看護師国家試験を控え参列が叶わなかった孫が、これまで描いてきた故人様のイラストも飾り、納棺してあげたい」とのご要望をいただいておりました。

   

会場入口には、これまでの記念日に描かれたイラストや、試験勉強の大詰めの中で描かれた、故人様へ捧げる最後の一枚をお飾りいただきました。碁の本の傍らには、愛用の碁石も添えられました。

ご遺族が懸命に思い出のコーナーを飾り付けるお姿を拝見し、私も何かお手伝いできないかと考えました。実寸より小さいものではありますが、A3サイズの碁盤のイラストをご用意し、装飾の一部としてお使いいただければと思いお渡ししました。

すると故人様の奥様より、「やっぱり盤面があると違いますね。雰囲気が出ていいです」とお声を掛けていただきました。

 

メモリアルコーナー(思い出のコーナー)を設けたことで、碁のほかにもバレーボールやテニス、登山を好まれていたことが分かり、昔のお写真に記された日付をきっかけに当時の記憶がよみがえり、たくさんの思い出話を伺うことができました。また、これまで誰も気づかなかったお孫様のイラストに込められた細やかな描写にも気づくことができ、改めてメモリアルコーナーの意義を感じるひとときとなりました。

 

大切な方を想い、語り合い、その想いを形にする時間の尊さを、改めて教えていただいたご葬儀でございました。故人様が結んでくださったご家族の絆が、これからも変わらぬ温もりとして続いていきますよう、心よりお祈り申し上げます。

2026年2月14日 K家様(担当:道内)