阿倉川斎奉閣
家族葬
飾り続けてきた宝物
お通夜の日の打ち合わせにご自宅へ伺いました。 遺影に使用するお写真を拝見すると、野球ボールを持って映っているお写真でした。故人様が手に持っているボールには文字がかかれており、昔からとても大切にされてきたことがわかりました。 ご家族様に話を伺うと、故人様が高校生の時に春の県大会で優勝した時のものだそうです。このボールはリビングで大切に飾られていました。ボールは転がってしまわないように手作りのボール置きの上に飾ってあり、横に表彰楯も並べて置いてありました。 「なぜかこれだけは大切にしてたのよね。」と奥様は笑いながら教えて下さいました。 楯には主将として故人様のお名前が記載されていました。当時ピッチャーをされていたそうです。周りの環境や住まいが変わっても飾り続けており、 とても大切にされてきたんだと感じました。 「ご家族に故人様がずっと大切にされていた宝物だと思います。皆様にもみていただけるようにこちらも飾ってはいかがですか。」と提案し、会館でもロビーに飾らせて頂きました。 お預かりしたお写真も一緒に飾らせていただきました。 このお写真は新聞に掲載された写真で、故人様ご自身で写真にして家でも飾っていたそうです。リレーの最終走者として優勝されたときのお写真だそうで、とても運動神経の良い故人様でした。額の中には当時の新聞の切り抜きも一緒に保存されていて、ご自慢だったのだろうと感じました。
たくさんのご親戚と長年のご友人にお越しいただき、皆様思い出のお写真をご覧いただいていました。思い出話とともに故人様を偲ばれていました。 病気を患ってからもご家族に負担をかけないように振舞っていらっしゃった故人様。そんな故人様が私たち家族の支えだったとお嬢様はお話しされていました。家族やチームの大黒柱として生きてこられた故人様らしく、関係の深い方々に囲まれたお式となりました。 通夜、葬儀を終えて故人様がご自宅にお戻りになった今も、思い出の品々と共にこれまでと変わらずご家族に大切にされていくのだと思います。
2019年9月29日 Y様(担当:犬飼)