大好きなオムライスと羊羹（ようかん）

今回打ち合わせをしている中で、ご葬家様はたくさんの写真を用意していらっしゃいました。事前に遺影用の写真や、展示するための思い出の写真を何枚か用意していただくようにお話はしていたのですが、それでは収まりきれないほどたくさんの写真を用意されていました。どの写真も展示候補から外すのが惜しいくらい素敵でしたので、「せっかくなので他の写真も飾りましょう」とお話しして会場に飾らせていただきました。

その写真のなかで、オムライスや羊羹を食べているものがありました。故人様の好物だったそうです。そこで私は考えました。このオムライスや羊羹を故人様のためにサプライズでご用意できたら、喪主様やご遺族様に喜んでいただけるのではないかと。

翌日の告別式は午後からでしたので、その開式前にご親族様用の昼食の用意がございました。その昼食に合わせて、故人様が大好きだったオムライスと羊羹を喪主様に内緒で手配し、故人様へのお供えとしてご仏前にあげさせていただきました。突然の事に喪主様ご夫婦は最初驚かれましたが、とても喜んでいただけました。また、羊羹は故人様を偲んでご親族様に食べていただきたいと思い、一口サイズのものをたくさん用意しました。この提案を喪主様も快く受けていただき、昼食後のひとときに召し上がっていただきました。

告別式最後のお別れの際には、生前故人様が好きだった曲を会場内で流しながら、羊羹を柩の中へも納めていただきました。 喪主様をはじめ、ご参列いただいた皆様が、オムライスや羊羹を見るたびに、故人様や今回の葬儀のことを思い出していただけたら嬉しいです。 皆様の心に残るお葬儀をひとつでも多く届けられるようにこれからも務めてまいります。

2020年2月20日　川田様（担当：村田）