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和ごころ津

家族葬

葬儀だけでなく、大工道具の処分、作業場の解体工事もできるなんて!

公開:2020.06.29

「中学を卒業し、およそ50年間大工一筋でした。」 お通夜の前に少し時間があったので、家族団らん中の奥様、お嬢様お二人に故人様のお話を聞かせていただきました。故人様は、津市美杉町下多気出身で、お父様が大工だったこともあり大工の道へ進まれたそうです。ほとんど休日がなく、仕事仕事の毎日で家にいた記憶がほとんどないそうです。「正月1日は家にいたけど、あとはあんまり覚えてないなぁ」「だから家族旅行なんて行ったことなかったわ」とのこと。 「真面目で頑固、厳しい父だった」「平手やときにはげんこつで殴られたこともあった」とお嬢様。そんなお父様ですが、仕事仲間からは、「大工の腕は確かで良い仕事をする」と聞いていたそうです。それを証明するかのように、お嬢様のお家はお父様が建てたそうで、「35年経っているけど、全然くるいがないのよ」と少し自慢げにお話していただけました。 そんなお話をお聞きして私は、「お父様の大工道具をこの式場、お父様の周りに飾りましょう」と提案しました。 葬儀の前に式場に飾った大工道具をご覧いただいたところ、奥様から「きれいに飾っていただいて、ありがとうございます。あの人も喜んでいると思います」とおっしゃっていただきました。葬儀はコロナ禍により、家族5人のみで執り行われました。人数は少ないですが、そのおかげで家族だけのゆっくりとした時間の中で、故人様をお送りすることができて良かったようです。お通夜の前には「父は厳しかったし、げんこつで殴られたわ」と少し不満げにおっしゃっていたお嬢様も、お花いっぱいのお父様を前に、涙を流されて「ありがとう」と感謝の言葉をかけていらっしゃったのがとても印象的でした。   今回のお葬儀には後日談があります。 故人様のお話をお聞きしていた時に、奥様が「大工道具の処分に困っているの」とおっしゃっていました。「最近は仕事をしていなかったけれど、認知症が入っていたこともあって、たまに『道具の手入れをせな』と言って作業場へ道具を見に行くことがあったの」と。そのため片づけることができなかったそうですが、「これでようやく片づけることができるけど、どうすれば良いのか…」と悩んでいらっしゃいました。そこで私は、「三重平安閣のグループ内でタイムプラスという部署があり、家事代行サービスを行っているので、大工道具の整理・処分を依頼してはいかがでしょうか。」と提案しました。この時点では、まだするかどうかも、何も決まっていないにもかかわらず、奥様から「それは助かるわ、ありがとう」と、とても感謝されました。 後日タイムプラスから、大工道具の整理・処分をすることが決定したという連絡がありました。そして、大工道具の処分だけではなく、なんと作業場の解体工事を行うというのです。作業当日、私はお家へお伺いしました。大工道具の処分だけと思っていた私は、すごく大がかりになったお話しをお聞きしました。奥様、お嬢様からは「本当に助かります。父が生きているうちからどうしようかと悩んでいたが、これを機に片付けられて良かった。自分達だけでは、片付けることも、どこへ頼んだら良いのかも、分からず困っていたので。」「知り合いに相場を聞いたが、費用的にも安くしてもらったみたいで良かった。」と非常に喜んでいただけました。 解体工事後、現場がどのようになったのか気になった私はお家へお伺いしました。解体後の土地は今のところ使用予定はなく、しばらくはそのままにしておくそうです。現在の駐車場所は少し狭く、出入りがしにくいため、こちらだと出入りがスムーズになり2台は置けるので良かったわ。ということでした。工事の出来栄えにもご満足いただけたようでした。 ※解体前 ※解体後

私は、常日頃から、少しでもお客様に喜んでいただけるよう、一生懸命お手伝いさせていただいています。しかし今回は、お葬儀だけではなく、その後のアフターフォローの部分でもお客様のお役に立てたことと、なによりちょっとした会話の中からお客様がお困りの事をつかみ、提案し、かたちにすることができたということが、とても嬉しかったです。私は今回、とても良い機会を与えてくださいましたお客様に感謝の気持ちでいっぱいですが、それ以上にお客様からたくさんの感謝のお言葉を頂戴し、感無量の極みです。

2020年5月6日 T様(担当:山本)