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感動葬儀レポートFuneral-report
桑名斎奉閣

「病みてなお 盆栽(まつ)に命の ハサミ入れ」

故人様の趣味はクラシックと盆栽でした。

お家に打ち合わせに伺った所、クラシックが好きだったということをお聞きし、お通夜の前後、ご葬儀の前、そしてお別れの時にクラシックを流すことになりました。
故人様は昔からクラシックが好きで、結婚してからはご夫婦一緒に、ウィーンフィル、ベルリンフィル、フィラデルフィアなど、いろいろなコンサートに行き、奥様も好きになったそうです。
元々、お家には沢山のレコードやCDなどがあり、特にアンプは自分で組み立てる程、好きだったそうです。
お別れの際、クラシックを流しながら、お別れの時を過ごし、ご家族の皆様も故人様を偲びました。

また、お通夜が始まる前、突然ご家族様から、「この大きな盆栽を柩に飾っても良いですか?」とご相談がありました。
お寺様に確認すると、快くご了解いただき、お通夜ご葬儀とお柩の上に飾りました。
そしてもっと小さな盆栽を、柩に納めたいとの事でしたので、盆栽を鉢から出して袋に入れ、好きだった食べ物や千羽鶴とともにお声を掛けながら納められました。

ご葬儀が終わり、後日お家に伺った際、故人様のお話をしました。
盆栽は、奥様と結婚した当初、ご近所の方に教えていただいたそうです。
仕事をしている時は、趣味としてやっていましたが、定年してからは盆栽一筋でした。

買って育てるだけでなく、松の種を植えゼロから育てることもあったそうです。
奥様は、「ちゃんと育つには年齢的に間に合わないんじゃない。」と言ってしまい、これからのことを考えると少し淋しく感じたようです。
新芽や古葉を摘ったり鉢を替えたり、庭の松も庭師に頼まず、自分で管理されていました。
お庭の松や植木も、庭師に頼まず故人様が育てていましたが、色が淋しいと奥様が頼んで明るい色の花を植えてもらったそうです。

本当はもっと沢山あったのですが、病気になり自分で管理出来なくなってからは、毎月のように行っていた盆栽市に売りに出しました。
それでも、小さな盆栽は奥様と一緒に最期まで育てていました。

奥様は、玄関に置いてあるハサミや手袋を見ると、淋しさが込み上げてくるそうです。

そんなご主人を想い奥様が綴った句が、タイトルの「病みてなお 盆栽(まつ)に命の ハサミ入れ」です。
この句を聞いて、奥様の故人様への気持ちを知り、ご葬儀のお手伝いが出来て本当に良かったと改めて感じました。

2022年4月3日 M家様(担当:神内)