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和ごころ津

家族葬

お母さんこれからも人形作りを楽しんでね

公開:2022.05.31

故人様は小学校の教師で、主に1~2年生の担任をされていました。定年退職前の58歳頃から趣味で人形作りをはじめられたそうです。和紙人形の「やまと鳳」という流派で、日本各地で漉かれた和紙を使用し、江戸時代の庶民の姿、歌舞伎、源氏物語などを独自に表現するというものです。これまでに作製した人形は、なんと、100体以上もあるそうです。 お通夜の日、お嬢様が今の季節に合ったものということで、ご自宅から人形をお持ちくださり、式場に飾りたいとおっしゃられました。 私が「どちらでもお好きな場所に飾ってください。」とお話し、式場の入口付近に飾っておられたのですが、飾っている場所を見た私は、「こちらですと参列された方が気づかずに通り過ぎる恐れがあるため、せっかくですし、皆様が一番長い時間ご覧いただく祭壇の近くに飾りましょう。」と提案しました。そして、祭壇の横に飾っていただいたところ、より目立つようになり、見栄えもするようになったったため、喪主様、お嬢様のお二人とも、とても喜んでいただけました。 昨今の事情から家族葬となりましたが、今回、人形の写真撮影や内容公開の許可をいただこうと、「もしかしたら三重平安閣のHPに掲載されるかもしれません。」とお話したところ、お嬢様に「ほかの方々にもご覧いただきたいので、ぜひ写真撮影してください。」と言っていただきました。 生前、故人様は上司のお孫様のために、五月人形を作製しプレゼントしました。「こんな人形が欲しかったけれど、どこに頼めば良いか分からなかったの。」と、それはそれは、たいへん喜ばれたそうです。他にもひな人形をプレゼントしたりとたくさんの方々に喜んでいただいていたそうです。そんな素敵な人形作りを、これからも天国で楽しんでいただけたら、と思いました。 2022年5月7日 O家様(担当:山本)