桑名斎奉閣
家族葬
2人で歩いた50年
今回お預かりしたお写真に、故人様と旦那様が一緒にケーキを切ろうとしているお写真がありました。 包丁にはリボンがついています。それを持つ笑顔の故人様と、照れ隠しの為に視線を逸らす仏頂面の旦那様。とても幸せそうです。「これは何のお写真なんですか?」思わず聞いてしまいました。 「これはお母さんの誕生日と、2人の金婚式の記念写真なんです」 ご家族で結婚50周年のお祝いをサプライズで計画したお写真でした。 私は、お2人がどのように出会って、どのように50年を過ごされていたかはわかりませんが、様々な苦労などがあったと思います。 「こんなに仲はよさそうだけど2人で旅行に行っては喧嘩をして帰ってくるんですよ。」 そう教えてくださった喪主様の自宅には、祭りの花火を見たり、ご飯を食べたりとご親族みんなが集まるそうです。仲の良い皆様を見ると、お2人が苦労や喧嘩の中にもご家族・ご親族の皆様に囲まれ素敵な50年を過ごされて、幸せだったことが伝わります。 お通夜が始まる前に、お花、歌詞カード、お写真をお預かりしました。 お花は、娘様が毎年母の日に感謝の気持ちを込め故人様にプレゼントをされていたものだそうです。歌詞カードは趣味のカラオケ大会で使用していた思い出のお品。 他にも故人様のお写真をたくさんお預かりしました。 また、ご葬儀の前には大好きだった、と伺ったスイカとみかんをお預かりしました。 「せっかくなので…」とお伝えし、思い出のお写真と一緒に飾り、皆様に見ていただきました。 受付を済まされたご親族様方は順番に思い出のお品の前に集まり、お話しをされていました。 皆様、懐かしそうに「これはあの時の…」「懐かしい写真がある…」などと喜んでいただきました。 ご葬儀終了後には、大好きなスイカやみかん、娘様からのお花、また、故人様の旦那様のご葬儀で納めることができなかった、仲の良いお2人の旅行での思い出、お遍路で使用した衣装や納経帳を一緒にお棺に納めていただきました。 大切な思い出や大好きな物と共に旦那様のもとへ向かわれた故人様。 きっとお二人は今でも一緒に笑っている。そう思わずにはいられない、素敵なご葬儀でした。 2022年5月21日 後藤家様 (担当:遠藤)