霊園とは?墓地や墓所との違いやお墓を建てる際の手順について解説
霊園・墓地・墓所といった施設は、人々の心に深く根ざした、故人の追悼と供養を目的とする特別な場所です。
多くの人々が親しい相手の思い出を尊び、祈りを捧げるために訪れます。
それは個人の感情だけにとどまらず、文化や宗教、社会的な交わりにも関わるものです。
しかし「霊園」「墓地」「墓所」といったさまざまな呼び方があることに、疑問を持つ人も少なくないのではないでしょうか。
これらは具体的にどのような違いがあるのでしょう。
この記事では、死者の眠る場所としての「霊園」「墓地」「墓所」に焦点を当てていきます。
そして霊園の意義や墓地・墓所との微細な違い、お墓を建てる際の手順などを、具体例を交えて総合的に解説します。
目次
霊園とは
霊園とは、故人の供養を目的とした埋葬地のうち、お寺に属していないものを指します。
しかし、故人を偲び尊ぶという存在意義の点では、墓地や墓所と大きな違いはありません。
霊園には宗教的な背景や文化的な側面が強く反映されており、その造園や管理は地域の風俗や価値観を映し出します。
日本の霊園は多種多様で、仏教的な価値観を反映したものから、多宗教共存の霊園まで、その形態は多岐に渡ります。
霊園によってデザインのコンセプトなどが大きく異なるので、死後に霊園で眠りたいと考えている場合には、生前にじっくり比較検討しておくとよいでしょう。
墓地や墓所との違い
霊園・墓地・墓所という用語は似ているように感じられるかもしれませんが、実際にはそれぞれに異なる特徴と役割があります。
霊園は厳格な管理と整備が行われ、一般に計画的に設計された敷地内に墓石やモニュメントが整然と並ぶ施設です。
美しい庭園や景観が整備され、訪れる人々に平穏な時間を提供することを重視しています。
墓地は地域コミュニティや宗教団体が管理し、その規模と形態は地域や宗教によって大きく異なります。
墓所は特定の家族や個人が使用するための小さな埋葬地で、プライベートな空間としての意味合いがあります。
これらの用語は施設の規模や管理体制、使用目的に応じて使い分けるものであり、適切な理解が必要です。
霊園は都市部に位置する大規模な共同墓地、墓地は町の寺院が管理する中規模の場所、墓所は個人の庭先にある小規模な埋葬地といったイメージになるでしょう。
霊園の種類とメリット・デメリットを比較
ここでは霊園の種類とメリット・デメリットについて解説します。霊園の種類は以下の4つに分類しました。
- 寺院墓地
- 公営霊園
- 民営霊園
- 共同墓地
それぞれの性質について、以下で詳しく解説します。
種類①:寺院墓地
寺院墓地とは、特定の寺院が管理し、その教えに基づいて供養される墓地です。
メリットとしては、進行に基づいたしっかりとした供養が受けられることが挙げられます。
寺院が信者に対する精神的な支えとなり、1年を通しての法要も執り行ってくれます。
具体例としては、お盆やお彼岸など特定の時期の供養が挙げられるでしょう。
一方でデメリットとしては、寺院の宗派に縛られることや、寺院によっては管理費用が高くなることもあるため、費用面での負担が増えることなどが挙げられます。
種類②:公営霊園
公営霊園とは、市町村などの地方自治体が管理する霊園です。
メリットとしては、誰でも使用できる開かれた場所であり、管理費用が比較的安いことが挙げられます。
宗派に縛られず、地域社会全体で使用するための公共の場所となっているのも使いやすい点です。
公営霊園によっては、住民に対して割引料金などのサービスを提供しているところもあります。
デメリットとしては、場所によって予約が困難になる場合があることなどが挙げられます。
公営霊園は多くの人々が共用する場所であり、埋葬地の空きが少なくなることがあるからです。
種類③:民営霊園
民営霊園とは、民間企業が運営する霊園のことです。
メリットとしては、設備が充実しており個別のニーズに合わせた対応が可能な点が挙げられます。
しっかりと利益を追求する民間企業が運営しているため、利用者の多様な要望に応じる体制が整っているからです。
具体例としては、ペットと一緒に埋葬できる場所や、オリジナルデザインの墓石を設置できる場所などがあります。
デメリットとしては、費用が高くなりがちなことが挙げられます。
そのため、民営霊園を使用したいのであれば、予算をしっかり考慮する必要があるでしょう。
種類④:共同墓地
共同墓地とは、地域のコミュニティなどが共同で使用する墓地のことです。
メリットとしては、初期費用や管理費用が抑えられる点が挙げられます。
共同で使用するため、主な費用を分担できるからです。
地域にもよりますが、友人や親戚などの複数の家族で共同墓地を利用するケースがよく見られます。
デメリットとしては、共同で使用するためさまざまなルールの調整が必要であり、利用者間でのトラブルが発生する可能性があることが挙げられます。
気持ちよく使用するためには、十分な協議と調整が必要となるでしょう。
霊園にお墓を建てる際の手順
霊園にお墓を建てる手順は、ざっくりいうと以下の4ステップです。
- 自分の条件に合う霊園を探す
- 契約手続きをする
- 石材店で墓石を発注する
- 工事・納骨する
順番に見ていきましょう。
手順①:自分の条件に合う霊園を探す
まずは自分の条件に合う霊園を探す必要があります。
家族の信条や予算、アクセスなどさまざまな条件を考えつつ、将来の供養の質に直結する場所を選びましょう。
適切な場所を選んでおけば、後々親族が墓参りをする際の利便性や、信仰していた宗教との整合性の点で、トラブルなく使い続けられます。
特にアクセスのよさは、遠方の親戚が来ることを考えたときに重要な要素であるといえるでしょう。
お墓参りをするのは故人の家族だけではないことを、あらかじめ考慮しておくことは大切です。
手順②:契約手続きをする
霊園を選んだら、次に契約手続きが必要となります。
ここでいう契約手続きとは、永代使用権の取得だと考えておいて差し支えないでしょう。
法的に墓地の所有権を確保するためには必要なことです。
永代使用権の契約には、使用料のほかに、今後の管理費用や宗教上のサービス料などが含まれていることもあります。
また、契約に際しては霊園の規約も確認する必要があり、規約に合致した戸籍のデザインや材質を選ぶ必要があるケースも少なくありません。
契約書を交わし、使用料や管理料を払えば契約完了です。
その際には権利証が発行されるので、納骨のときまで大切に保管しておきましょう。
手順③:石材店で墓石を発注する
お墓を持つ上で欠かせない工程が、墓石の発注です。
耐久性がしっかりしていることや、デザインに満足できることなどさまざまな角度から比較検討し、慎重に選びましょう。
家族の意向や予算・墓地の規約・故人の趣味など、墓石を選ぶ際に考慮すべき要素はたくさんあります。
また、信頼できる職人の技術もこの段階においては重要となります。
細部に渡って丁寧に仕上げられた墓石ほど、長きにわたって美しく保たれるからです。
手順④:工事・納骨する
墓石の発注が完了すれば、次は工事と納骨の工程となります。
プロの技術者による適切な工事と、故人を偲ぶ厳かな儀式がどちらも揃っていることが大切です。
墓石の設置については、基礎工事から始まって実際に墓石が組み上がるまでに1〜3ヶ月程度かかると見込んでおいたほうがよいでしょう。
そして、納骨の際には、故人の宗教や家族の信仰に基づいた儀式をします。
それに合わせた僧侶や牧師などの宗教者に依頼することになります。 工事も納骨も、専門の業者にお願いする部分の多い工程です。
信頼できる業者に依頼することで、全体がスムーズに進行します。
【関連記事】納骨式はいつ行う?準備や費用についてもわかりやすく解説
霊園を選ぶ際の5つのポイント
霊園を選ぶ際のポイントとしては、主に以下の5つが挙げられます。
- アクセスしやすいか
- 霊園で石材店が指定されていないか
- 必要となる設備があるか
- 宗派による問題はないか
- 予算内でお墓を建てられるか
いずれも大切な要素なので、以下の解説をしっかり読んで把握しておきましょう。
ポイント①:アクセスしやすいか
霊園を選ぶ際には、アクセスのしやすさをきちんと重視しておいてください。
アクセスが容易な霊園を選ぶことで、その後ずっと、供養に訪れる家族や親族の利便性が確保されます。
最寄りの駅から距離が近い、バス停が近い、駐車場が広いなどの条件が揃っていることがポイントです。
これらの条件が満たされていれば、年配の方や小さい子供がいる家族でも無理なく訪れます。
ポイント②:霊園で石材店が指定されていないか
霊園が特定の石材店を指定していないかどうかは、事前にチェックしておきましょう。
指定されている場合には、その石材店が信頼できるところであるかどうかをしっかり見ておく必要があります。
指定されていないのであれば、自分たちの意向に沿ったお墓を建てられるので、何も気にする必要はありません。
石材店のレベルを判断する基準としては、過去の施工例や口コミなどを調査することがおすすめです。
信頼性が保証された石材店であれば、長い期間にわたって心から敬意を表現できるお墓作りが実現するでしょう。
ポイント③:必要となる設備があるか
必要となる設備が整っているかどうかも、霊園を選ぶ際には大切なポイントとなります。
たとえば、清潔な水場が整っていれば供花や手水が容易に行えます。
また休憩所やトイレの充実も、供養に来た際の待ち時間や疲れを軽減するための重要な要素です。
また、年配の方々が訪れることを考慮するのであれば、階段の少ない構造やエレベーターの設置など、バリアフリーにも配慮が必要でしょう。
これらの要素がきちんと整っていれば、供養に訪れるすべての人々にとって快適な空間が提供されていると判断できます。
ポイント④:宗派による問題はないか
宗派による問題はないかも、しっかりと調べておく必要があります。
霊園や寺院によっては、特定の宗派に属することが前提となっており、その宗派の教えに基づいて供養や法要が行われることも少なくありません。
その場合に自分たちが進行する宗派と異なっていないか、きちんと確認することは必要不可欠です。
宗派の問題がなければ、心の底から納得のいく供養が可能となり、余計な葛藤を避けられるでしょう。
ポイント⑤:予算内でお墓を建てられるか
霊園とお墓の選定には、多岐にわたる費用が発生します。
そのため、予算内でお墓を建てられるかどうかも重要なポイントです。
具体的には、土地の価格・墓石の価格・管理費・墓地の開発費といったコストのすべてを把握しておく必要があります。
将来的な墓地の維持費なども考慮し、長期的な視点で予算計画を立てなければいけません。
予算を超えない範囲で、故人への敬意を表せるお墓を選ぶことが、故人をよい形で供養するだけでなく遺族の精神的な安心にもつながります。
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まとめ:霊園について
霊園について考慮すべき点は多岐にわたります。
霊園の選び方やコストの問題など、家族や故人の願いを反映させるにはさまざまな要素を考慮しなければいけません。
たとえば、霊園にも種類があり、それぞれに特性やメリット・デメリットがあるため、よく理解して選ぶ必要があります。
予算やアクセスのしやすさ、宗派の問題なども慎重に検討するべきでしょう。
よい霊園に良いお墓を作りたいのであれば、信頼できる専門家に相談し、最適な霊園と墓石の選定などを決めていくことをおすすめします。
その際には予算オーバーにならないよう注意し、納得のいくまで慎重に考えましょう。 もし、葬儀についてご不明点がある方は無料事前相談にお申し込みください。
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