葬儀・法事の知識

弔電の送り方や文例、基本的なマナーをご紹介

公開:2022.08.08

突然の訃報でスケジュールを調整できず、故人を見送れなかったという経験がある方もいるのではないでしょうか?

お葬式や告別式に参列できない場合、お悔やみの気持ちを文章で伝えられる電報のことを「弔電」といいます。  
弔電という単語は耳にしたことがあっても、その詳細までは把握しきれていないという方も多いでしょう。

今回は弔電について、送り方やマナーの観点で詳しく説明します。  
弔電の文例やよくある疑問についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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弔電の送り方

Webレタックス|郵便局 弔電は主に、郵便局・NTT・インターネットを活用して送ることが可能です。
ここでは弔電の送り方について、方法別の詳細を説明します。
 

送り方①:郵便局で送る

日本郵便が実施している「レタックス」というサービスを活用することで、郵便局から弔電を送付できます。
15時半までに差し出せば、郵便局からでも当日弔電を届けることが可能です。
 

シンプルな例文集や台紙が豊富に用意されているのも、レタックスの特徴です。
はじめて弔電を送る場合でも、スムーズに作成・送付ができるでしょう。
レタックスは郵便局の窓口で申し込めるため、NTTやインターネットでの申し込みが苦手な方でも利用しやすい特徴があります。

窓口であれば現金で支払えるため、クレジットカードを持っていない方でも利用可能です。  

送り方②:NTTで送る

弔電の送り方としてもっとも用いられているのが、NTTで送る方法ではないでしょうか。  

NTTで弔電を送る場合は、115番に電話をかけてください。
19時までに電話で申し込むことで、当日中に弔電を送ることが可能です。
弔電の内容が決まっていない場合でも、オペレーターが親切に対応してくれるので安心できます。
 

NTTを経由して弔電を送る場合は、NTT東日本・NTT西日本それぞれの違いも把握しておきましょう。

東日本と西日本でサービス内容が若干異なるため、NTTで弔電を送る場合は確認しておくことをおすすめします。

  <NTT東日本で弔電を送る場合はこちらから> <NTT西日本で弔電を送る場合はこちらから>  

送り方③:インターネットで送る

弔電は郵便局・NTTから送れますが、それぞれインターネットを経由して送るサービスがあることをご存じでしょうか。  
郵便局のレタックスを利用して弔電を送る場合は、日本郵便の「Webゆうびん」に登録してください。
Webゆうびんに登録後、画面の指示に従って必要情報を入力していけば、インターネットから弔電を送れます。  
NTTの場合は、東日本・西日本それぞれのWebサイトから台紙を選択して申し込みます。

24時間受付可能なので、夜間の急な訃報にも対応可能です。  

<NTT東日本からインターネット経由で弔電を送る> <NTT西日本からインターネット経由で弔電を送る>  

弔電の文例をご紹介

エンディングノート 書き方 実際に弔電を送ろうと思っても、どのような文で送ればいいのかわからないと感じる方も多いでしょう。

ここでは、弔電の文例をいくつか紹介します。
  弔電は、以下のような文を使用して構成されます。  

  • ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
  • 在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします。
  • ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
  • 突然の悲報に驚いております。
  • ご生前のお姿をお偲びし、悲しみにたえません。
  • 安らかな旅立ちでありますよう、心よりお祈り申し上げます。
  • ご遺族の皆様もお気持ちを強く持ち、ご自愛ください。

  上記の文を使用し、弔電を作成してみましょう。 ーーーーー

○○様 お父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。 突然の悲報に驚いております。 ご生前のお姿をお偲びし、悲しみにたえません。 ご遺族の皆様もお気持ちを強く持ち、ご自愛ください。 ○○(自署)

ーーーーー 送り先が企業の場合は、上記の文例に「企業名」「社長」「会長」などを書き加えて文を作ります。またキリスト教徒など、宗教が関連する場合は、以下の文を使って弔電を構成します。  

  • ○○様の、安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます。
  • 心より哀悼の意を捧げます。
  • お祈りいたします。
  • 安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈り申し上げます。

  弔電を送る際に利用する媒体や、台紙を購入した際に文例集がついてきます。
弔電の書き方に悩んでいる方は、ここで紹介した文例とあわせて参考にしてみてはいかがでしょうか。
 

弔電で気を付けるマナー

弔電は送り方だけでなく、マナーにも気を配る必要があります。
ここでは、弔電を送る際に気をつけるべき主なマナーについて詳しく説明します。
 

マナー①:正しい敬称を使う

弔電を送る際は、故人の固有名詞は出さないようにしましょう。
敬意を込めるといった意味で、敬称で表現してください。

  一般的な敬称は「〜様」「〜殿」ですが、弔電の場合は若干特殊な敬称が使用されます。主な敬称は以下の通りです。 敬称の例

  • 実父→お父様、ご尊父様
  • 実母→お母様、ご母堂様
  • 夫→ご主人様
  • 妻→奥様
  • 息子→ご子息様、ご令息様
  • 娘→ご息女様、ご令嬢様
  • 祖父母→御祖父様、ご祖母様
  • 兄→お兄様、ご令兄様
  • 姉→お姉様、ご令姉様
  • 弟→弟様、ご令弟様
  • 妹→妹様、ご令妹様

 

マナー②:忌み言葉を使わない

弔電を送る際は、文面に忌み言葉が使われていないか確認しておかなければいけません。
忌み言葉とは、死を連想させてしまう言葉を表します。
主な忌み言葉には、以下が挙げられます。
 

  • 死去
  • 再び
  • 重ね重ね
  • 苦しむ
  • 四・4
  • 九・9

  上記の言葉を弔電に書いてしまうと、遺族に死を連想させてしまいます。
マナー違反と捉えられることも多いため、注意してください。
 

マナー③:文面について

弔電を送る際は、文面にも配慮する必要があります。

マナー違反に該当しない文面を意識することはもちろん、ご遺族に対する労わりの気持ちを記すことも大切です。故
人と親しかった場合は、文例をベースにオリジナルの要素を加えるのもよいでしょう。
 

また、誰からの弔電なのか受取人が把握できる情報を記載することも大切です。
自分の名前はもちろん、故人との関係がわかるような情報を記載してください。
 

弔電でよくある質問

ここでは、弔電に関するよくある質問を、Q&A形式でいくつかご紹介します。  

<Q1>弔電を送るタイミングがわからない
<A1>お葬式や告別式に参列できないことがわかったタイミングで手配するのが一般的です。お葬式・告別式が開始される時間までに届くよう、手配してください。ただし、開始時間よりも早く弔電を送っても、受け取り拒否される場合があるので注意が必要です。  

 

<Q2>弔電に必ず書いておかなければならないことは?
<A2>喪主の名称や、喪主と故人の続柄は必ず記載してください。お葬式・告別式の式場名や住所、日時の記載も必須です。

 

  <Q3>弔電の料金は?
<A3>3,000〜5,000円程度が一般的です。ただし、台紙や文字数によって変動があります。弔電の料金は、香典と同額のものを選ぶよう意識するとわかりやすいかもしれません。  

 

<Q4>弔電がどうしても間に合わない場合は?
<A4>ご遺族に連絡し、まずは参列できないことに対する言葉を述べましょう。故人への敬意や遺族への労いの言葉をかけてください。そのうえで、香典のみを遺族に送ります。

 

  <Q5>弔電が不要なケースもある?
<A5>家族葬の場合は弔電を辞退される場合もあります。家族葬では身内だけの葬儀になるため、遺族側から、弔意(香典・供花・供物・弔電の類)を辞退する連絡があれば、送付は控えましょう。  

まとめ

今回は、弔電の送り方について紹介しました。  

弔電の送り方は、郵便局やNTTを経由する方法が一般的です。
郵便局の場合は、窓口に直接申し込み、料金を支払う形で弔電を送れます。
NTTの場合は115に電話をかけ、オペレーターの案内を受けて弔電を送ります。
 

弔電は、窓口や電話対応だけでなく、インターネット上から送ることも可能です。
受付時間などの融通が利かない場合は、インターネットを利用しましょう。
 
弔電を送る際は、一般的な文例や敬称などを事前に把握しておくことも大切です。
故人との関係性によって内容も変化するため、今回紹介した文例などをぜひ参考にしてください。
 

敬称や忌み言葉、正しい文面など、マナーにも気を配らなければなりません。
記事内で解説しているよくある質問の回答とあわせて、弔電におけるマナーを理解しておきましょう。
 
弔電はお葬式や告別式に参列できない代わりに、故人に最後の思いを伝える重要な機会です。

今回紹介した内容が、弔電の送り方について悩んでいる方にとって少しでも参考になれば幸いです。  
はじめて弔電を送るとなると、不安や悩みを抱える方も少なくありません。

事前無料相談では、弔電についてのご相談も受け付けています。  
「弔電をどう送ればいいのかわからない」「文例やマナーについてもっと詳しく知りたい」という方は、ぜひお気軽にご利用ください。

▼気軽にご相談ください。   この記事の監修者

中子靖広(なかこ やすひろ) 津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター