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尊厳死とは?安楽死との違いや日本の現状についてわかりやすく解説

尊厳死とは?安楽死との違いや日本の現状についてわかりやすく解説

人生最期の時を、尊厳のある形で迎えたいと考えている方は多いことでしょう。

長く生き延びるのはたしかに尊いことですが、「ベッドから動けず、何もできないのに生きていようとは思わない」というケースもよくあります。

たとえば、すっかり痩せ細ってベッドから動くこともできず、体中に管を繋がれた状態になった場合を考えてみましょう。

「それはただ死んでいないだけであって、尊厳のある形で生きているとはいえない」と考える方もいるのではないでしょうか。

このことから最近広まりつつあるのが、尊厳死という概念です。

しかし比較的最近生まれたものであるため、誤解や偏見もしばしば見られます。

そこでこの記事では、尊厳死とはなんなのかを具体的に説明するとともに、安楽死との違いや、日本における尊厳死の現状について解説します。

尊厳死は自分だけでなく、親しい人の最期にも関わる重要な概念です。これを機会にしっかりと認識しておきましょう。

▼事前のご相談やもしもの時はご相談ください。

 

尊厳死とは

尊厳死とは

尊厳死とは、終末期の延命措置をあえて自分の意思で拒絶し、人としての尊厳を保ったまま自然な死を迎えることを指します。

冒頭でも触れた通り、自分の最期には、およそ人間らしいとはいえない状態になってしまうケースも多々あります。

動くこともできず、食べることもできず、自分の意思を満足に伝えることもできないまま、延命措置によって生き延びている状態です。

現在では医療技術の発達により、回復の見込みがないにもかかわらず、人工呼吸器や栄養剤の点滴で、生命を維持できます。

結果として、末期癌や高齢により衰弱した患者に対して、過剰ともとれる延命措置がおこなわれています。

本人が1日でも長く生き延びたいと考えているのであれば、まったく問題はありません。

しかしなかには、人生の最期をそのような形で過ごしたくないと考える方もいます。

自分自身が肉体的・精神的に苦痛を味わうだけでなく、見守るご家族の精神的・金銭的負担も大きなものとなるからです。

そんなときに採り入れられるのが、尊厳死という考え方です。

尊厳死を選んだ場合には、過剰な延命措置を断り、痛みを和らげる緩和ケアのみを受けます。

そのため、自分らしさを保ったまま最期の時を迎えられます。

「人生の最期の形は自分で決める」という意思を尊重するために、尊厳死という概念が生まれました。

 

安楽死との違い

尊厳死と似た言葉に、安楽死があります。しかし尊厳死と安楽死はまったく違うものなので、混同しないよう注意が必要です。

尊厳死とはすでに解説した通り、過剰な延命措置を断り、痛みを和らげるケアをしつつ最期の時を迎える選択肢を指します。

結果として生命力の低下により自然に亡くなるのであって、人為的に寿命を縮めているわけではありません。

一方で安楽死とは、回復する見込みのない病人などが、本人の希望により、苦痛の少ない方法で人為的に死を迎えることを指します。

代表的な例は、薬物投与による安楽死でしょう。尊厳死と比べると、安楽死は積極的な死であり、両者はまったく別の概念となります。

2023年現在、安楽死は海外の一部の国や地域では合法とされていますが、日本においては認められていません。

本人がどれだけ望んだとしても、医者がそれを叶えてしまえば、刑法第202条の自殺関与・同意殺人罪に抵触します。

 

尊厳死のメリット・デメリット

尊厳死のメリット・デメリット

尊厳死は、自分の最期をどのように迎えるかを自分で決めるものですが、必ずしもメリットばかりではなく、デメリットもやはり存在します。

ここでは、尊厳死のメリットとデメリットを順番に見ていきます。

 

メリット

尊厳死のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  1. 生きたまま死んでいるような状態を回避できる
  2. 人生の最期を思い通りに締めくくれる
  3. 家族に負担をかけずに済む

尊厳死という概念が出てきた背景には、現在の延命治療が過剰になっている現実があります。

とにかく1分1秒でも生きながらえさせることに偏りすぎ、精神的にも肉体的にも自由のまったくない時間が長く続くことも少なくありません。

尊厳死を選ぶことにより、そのような最期を迎えずに済みます。

上記と関連する概念ですが、自分の人生は自分でコントロールしてこそ尊厳が保たれると考える方にとっては、尊厳死は文字通り尊い選択です。

死ぬこと自体を回避することはできませんが、だからこそ死に方ぐらいは自分で決めたい、という願いが尊厳死によって叶えられます。

また、延命治療はご家族の経済的・精神的負担も大きいです。

そのため、「残していく家族に迷惑をかけたくない」という発想から、尊厳死を選ぶこともあるでしょう。

 

デメリット

尊厳死のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 延命治療を受けた場合と比べて、死は早まることになる
  • 途中で気が変わったとしても、手遅れである場合が多い

尊厳死は本人の意思を尊重して自然に任せるやり方ですが、それゆえに延命治療を受けた場合と比べて、必然的に死は早まります。

少しでも長く生きながらえることになにかしらの価値がある場合、それを手放さなければいけません。

また、尊厳死を選んだあとに病状が悪化してしまうと、延命措置を施すことが不可能な場合もあります。

 

日本の尊厳死と安楽死の現状は?

日本の尊厳死と安楽死の現状は?

日本の尊厳死と安楽死の現状は、ざっくりまとめると以下のようになります。

  • 尊厳死については、超党派議員による法制化を進める動きがある
  • 安楽死については、現在のところ実現する動きはない

超高齢化社会を迎えつつある現代日本において、尊厳死は無視できないテーマです。

国会でも、「尊厳死法制化を考える議員連盟」が「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」を提出しました。

しかし、2023年現在はまだ法律の実現にはいたっていません。

安楽死については、現在のところ実現する動きはありません。

国民のなかには安楽死の法整備化を望む声もありますが、国会においてそれが積極的に取り扱われたことはまだないのが現状です。

参考:「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」に対する会長声明

 

尊厳死の問題点についてわかりやすく解説

尊厳死の問題点についてわかりやすく解説

尊厳死の問題点としては、以下の点が挙げられます。

  • 尊厳死について明確に規定した法律がない
  • 意思能力を失ったあと、必ずしも望み通りになるとは限らない

尊厳死というのは法的な言葉ではありません。

つまり尊厳死について明確に定めた法律は、まだ日本には存在していないことになります。

あくまでも本人やご家族が医師などと相談して、個人的に決めるものでしかありません。

そのため、医者と意見がかみ合わない場合には、望み通りの措置を受けられない可能性もあります。

また上記と関連することですが、意思能力を失ったあと、必ずしも自分の望み通りに処置してもらえるとは限りません。

残された家族の気が変わって、意思能力を失ったあなたに対して延命治療を施す可能性もないとはいえません。

法的に、はっきり定められたものではないため、気持ち1つで状況が変わってしまうリスクもあります。

 

尊厳死についてよくある質問

尊厳死についてよくある質問

尊厳死についてよくある質問をまとめました。

  • 尊厳死を選びたいときはなにをどうすればいいの?
  • 尊厳死を選んだことで、遺産相続などに影響が出るの?

尊厳死について詳しく理解したい方は、ぜひご覧ください。

 

尊厳死を選びたいときはなにをどうすればいいの?

尊厳死は法的に定められたものではないので、終末期にそれを選ぶ際には、家族や医者と相談して決めることになります。

自分の最期を決める権利は自分にありますが、現実問題として、家族が一緒に反対された場合にそれを選択するのは難しいでしょう。

家族に対しては、元気なうちから「最期には尊厳死を選びたい」などと伝えておくのが効果的だと考えられます。

 

尊厳死を選んだことで、遺産相続などに影響が出るの?

尊厳死を選んだとしても、遺産相続には影響を及ぼしません。

遺言を残した場合は、その通りに遺産分割がなされることになりますし、そうでなければ民法の定めに則って、遺産相続がおこなわれます。

尊厳死はあくまでも、延命治療を拒否するという意思表示に過ぎません。

尊厳死を選んだことによって、法的に何かが変わることはないので安心してください。

参考:尊厳死宣言公正証書とは~遺言で延命治療を拒否できない

 

尊厳死について解説しました

尊厳死について解説しました

尊厳死とはどのようなものかについて解説してきました。

尊厳死は、少しずつ日本にも浸透しつつある概念です。

これからさらに日本の高齢化は進み、「いかにして最期を迎えるか」という問題はより深刻なものに発展していくことが予想されます。

その際の選択肢として、尊厳死は今後さらに知れ渡っていくことでしょう。

この記事を参考にして、自分自身や大切なご家族の最期について、あらためてしっかり考えてみてください。

また葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。

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