終活で行う身辺整理とは?項目別のやり方やスムーズに進めるコツも解説

公開:2024.08.29  更新:2024.09.14

終活で行う身辺整理とは?項目別のやり方やスムーズに進めるコツも解説

終活で行う身辺整理は、単に物を整理するだけではなく、自分の生活をより豊かにする大切なステップです。
過去の思い出や不要なものを処分・整理することで心が軽くなり、新たなステージに向けて前向きに進む準備が整います。

しかし、長い年月をかけて積み重ねたものを限られた時間で整理するのは容易ではありません。

この記事では、終活で行う身辺整理とは何か、メリット・デメリットを解説します。
項目別のやり方やスムーズに進めるコツもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼気軽にご相談ください。

 

終活で行う身辺整理とは

終活で行う身辺整理は、残りの人生を充実させるための前向きな作業です。
ここでは身辺整理の基礎知識として、以下の3つを解説します。

  1. メリット・デメリット
  2. 生前整理との違い
  3. 断捨離との違い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

メリット・デメリット

終活における身辺整理のメリット・デメリットは、下表のとおりです。

メリット

デメリット

・遺された人の負担を軽減できる
・生活を快適にできる
・気持ちを整理できる

・時間と労力がかかる
・気分が落ち込む可能性がある

身辺整理は、感情的に辛い作業になる方もいるでしょう。
しかし、デメリットを乗り越えることで、自身の「意志」を整理でき、家族に対して気持ちや想いを伝えられるようになります。

 

生前整理との違い

生前整理と身辺整理は似た概念ですが、その目的とタイミングは微妙に異なります。

生前整理の主な目的は、自分の死後に遺族に負担をかけないことです。
生前整理をしていないと遺族は故人の意図を正確に汲み取れず、1つずつ確認しながら遺品を整理する必要があります。
その結果、資産の確認や各種手続きも含めて、大きな負担をかけてしまいます。

一方、身辺整理は、どちらかと言えば自分自身のために行うものです。
ただし、生前整理と身辺整理は完全に区別するのが難しく、生前整理も兼ねて身辺整理を実施するケースも多いのが現状です。

 

断捨離との違い

断捨離は、必ず「捨てる」という作業が伴います。
現在の生活において不要なものを処分することで、心身ともに前向きな生活を目指すための行動です。

一方、身辺整理は、「選別し、整えること」が主な目的です。

持ち物は少ない方が終活では望ましいですが、断捨離のように無理に処分する必要はありません。
何がどこにあるのかを明確にして家族と情報を共有することが重要です。

 

【項目別】終活における身辺整理のやり方

ここでは、身辺整理の具体的なやり方を5つの対象別に解説します。

  1. 財産
  2. 不用品
  3. 人間関係
  4. 契約
  5. デジタル遺品

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

身辺整理①:財産

以下の財産はすぐに取り出せる場所にまとめ、家族に保管場所を知らせておきましょう。

  • 預金通帳(ネット銀行含む)
  • 仮想通貨
  • 保険証書
  • 有価証券 など

特に、ネット銀行やクレジットカードのID・パスワードを家族に伝えておかないと、預金の引き出しや口座凍結の手続きが困難になります。
家族に負担をかけないように整理しておくことが大切です。

なお、相続する遺産には、プラスだけでなくマイナスの財産も含まれます。
ローンや借金などの負債額も把握しておきましょう。

 

身辺整理②:不用品

長い間着ていない洋服や読まなくなった書籍などは思い切って処分しましょう。

自分にとって価値のあるコレクションでも、家族にとっては対応に困るケースもあります。
同時に、高価なものでも、価値を知らずに処分してしまう可能性があります。
趣味の品やコレクションは無理に手放す必要はありませんが、死後どのように扱ってほしいかを家族に伝えておくと安心でしょう。

また、自分にとって不要でも、家族にとっては大切な場合もあります。
家族の持ち物を無断で捨てるとトラブルの原因になるため、注意しましょう。

 

身辺整理③:人間関係

人間関係の整理は、これからの人生を誰と共に歩むかを決める大切な作業です。

曖昧な関係や問題のある付き合いは、この機会にきっぱりと終わらせましょう。
一方、過去に関係が悪化した人とは、修復を試みるよい機会です。

とくに相続時には、人間関係のトラブルが発生しやすい傾向にあります。
家族や親戚との関係に溝がある場合は、死後のトラブルを避けるためにも少しずつ修復を図りましょう。

 

身辺整理④:契約

契約では、以下の整理を行いましょう。

  • 契約先の記録
  • クレジットカードなどの登録情報の記載
  • 有料サービスの解約 など

有料サービスは、解約しない限り料金が発生し続けます。
日常的に使用していない有料サービスは、事前に解約しておきましょう。

 

身辺整理⑤:デジタル遺品

デジタル遺品とは以下のように、故人が所有していたデジタル機器に保存されたデータやインターネット上の登録情報を指します。

  • 写真や動画
  • 連絡先
  • 予定表
  • 利用履歴
  • クレジット情報
  • IDやパスワード など

個人情報や見られたくないものがある場合は、データの削除や整理をおすすめします。

なお、放置したSNSアカウントは乗っ取られたり、情報が漏洩したりするリスクがあります。
使わないSNSは削除し、現在使用中のアカウントは家族に頼んで死後削除してもらいましょう。

デジタル終活の始め方について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】デジタル終活とは?始めるメリット・注意点やデータの整理方法を解説

 

終活の身辺整理をスムーズに進める3つのコツ

終活の身辺整理をスムーズに進めるコツは、以下の3つです。

  1. 保管期限を決める
  2. 必要な情報は書類として残す
  3. 家族や専門業者を頼る

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

コツ①:保管期限を決める

期限を設けると「一時的に保管してみる」という心理的な余裕が生まれ、ものを手放すことに対する抵抗感が少なくなります。
仮に、保管期間を経ても一度も利用しなくても、処分以外の以下の選択肢もあります。

  • 売却
  • 寄付
  • 譲渡 など

新たな価値を生み出せるため、処分作業も前向きに捉えられるでしょう。

 

コツ②:必要な情報は書類として残す

エンディングノートや遺言書などの書類を残すことで、死後の希望や意思を明確にできます。
エンディングノートとは、以下のように大切な情報や希望を生前にまとめた書類です。

  • 健康状態
  • 医療に関する希望
  • 葬儀や遺品の処理方法
  • 保険や財産の情報 など

一方、遺言書は、生前に遺産の分け方や希望を記した書類です。
遺言書によって相続トラブルが防げ、円満な遺産分割を図れるでしょう。

エンディングノートのメリットや遺言書との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事】終活ノートとは?遺言書との違いや選び方を解説!保管時の注意点も

 

コツ③:家族や専門業者を頼る

家族や専門業者のサポートを活用することで、作業を効率的に進められます。

家族であれば、好みや思い出に関する情報をより理解してくれています。
適切な処分や整理方法を提案してくれるでしょう。

一方、専門業者は、終活に関するあらゆる知識と経験を持つプロフェッショナルです。
「何を準備すべきか」「どのような選択をすべきか」といった点について、経験から得た知識をもとにアドバイスします。

終活は自分でもできますが、専門知識が必要な場面も少なくありません。
専門家のアドバイスを受けることで、より自分に合った身辺整理ができるでしょう。
終活サービスの利用を検討している方は、以下の記事もぜひご覧ください。

【関連記事】終活サービス会社で受けられる5つの支援|選び方やメリット・デメリットも

 

終活で身辺整理を進めたい方は

身辺整理は、所有物の量に関係なく、終活を意識した段階で始めることが重要です。
身の回りの整理整頓をすれば、自分自身の心の整理にもつながります。

なお、身辺整理をスムーズに進めるには、エンディングノートを活用するのがおすすめです。
斎奉閣では、終活における身辺整理をサポートするエンディングノートを無料でプレゼントしております。

また、無料事前相談では、具体的な整理方法はもちろん、終活に関する疑問や悩みにお答えします。
終活における身辺整理をスムーズに進めたい方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。

 

まとめ:終活の身辺整理について

終活において、身辺整理は個人や家族の生活に密接に関わる重要なステップです。
過去の思い出や持ち物に対する感謝や愛情を整理し、不要なものを手放すことで、残りの人生をより前向きに楽しめるでしょう。

なお、斎奉閣では終活に関するあらゆるご相談を受け付けております。
身辺整理に関する具体的なアドバイスを受けたい方は、ぜひ無料事前相談をご利用ください。

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この記事の監修者

深田真毅(ふかだ まさき)津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター

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