葬儀・法事の知識

遺影写真はどのような写真が適切?値段相場や作成する方法を解説

公開:2022.06.07

遺影写真はどのような写真が適切?値段相場や作成する方法を解説 お葬式で必要になるのが遺影写真です。

「できるだけいい写真を選びたい」と思いつつも、急なお葬式では、選び方のポイントがわからず焦ることもあるでしょう。

このコラムでは、遺影写真に関するルールや基本的な選び方、準備にかかる値段相場などをわかりやすく解説します。

故人をその人らしい写真で送り出すためにも、ぜひ参考にしてみてください。

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遺影写真とは

遺影写真とは、亡くなった方の生前の姿を映したものです。
カメラで撮影した写真以外にも、肖像画を遺影として使うケースもあります。
葬儀では、遺影写真は祭壇の中央に飾られます。

葬儀に出席した人は、遺影写真の姿から生前を思い出し、お別れの言葉をかけるでしょう。
故人のイメージを、会葬者の方々に上手く伝えるために、遺影写真は欠かせないものと言えます。

葬儀が終わったあとは、遺影写真を自宅の仏壇近くに飾る方が多いようです。
亡くなったあとも、家族みんなを見守ってくれる写真こそが、遺影写真なのです。  

遺影写真のサイズ

遺影写真は、縦305㎜×横254mmの四つ切りサイズを用意することが多いです。

葬儀会社のサポートで葬儀を執り行う場合、遺影のサイズについても、サポートスタッフが相談に乗ってくれます。
家族の意向を取り入れつつ、最適なサイズを選択しましょう。  

遺影写真の適切な選び方

葬儀の準備は何かとバタバタするものですが、その中でも遺影写真選びは大変です。
たくさん写真があっても、なかなか「これ」と言うものが見つからない可能性もあるでしょう。

また、どのような写真を選べば良いのかわからないまま、時間だけが過ぎてしまう恐れもあります。
ポイントを間違えて選んでしまうと、いざ遺影写真として出来上がった際に、「イメージと違った…」という事態にもなりかねません。

遺影写真で失敗しないためには、ぜひ以下の4つのポイントを意識してみてください。  

選び方①:故人の人柄が出ているか

遺影写真は証明写真ではありません。
写真が撮影された場所や服装に捉われず、ぜひ生前の様子が伝わってくるような写真を選択してみてください。

かっちりとしたフォーマルな場で撮影された写真より、仲間内でリラックスしているときの写真に注目するのもおすすめです。
ふいに撮影された写真の方が、故人の人柄が現れやすいでしょう。

「良い表情の写真があったけれど、背景や服装が遺影にそぐわない…」と悩む方も多いですが、心配はいりません。
葬儀会社側に写真やデータを提供すれば、必要な加工を施してくれます。
グループ写真から1人だけを抜き出すこともできますし、服装を変えることも可能です。

遺影写真は、葬儀のあとも家族の生活を見守り続けてくれる写真です。
遺影を通じて、生前の姿をありありと思い返せるような、特別な1枚を選択しましょう。  

選び方②:ピントが合っているか

特に祭壇用の遺影写真の場合、遺族から提供された写真を大きく引き伸ばして使います。 故人の顏にピントが合っていない写真を選んでしまうと、ぼやけた印象になるでしょう。

また、目線がカメラの方に向いていることも、ポイントのひとつです。
故人の遺志を感じられる仕上がりになります。  

選び方③:最近撮った写真か

遺影写真には、撮影された時期に関する明確なルールは存在しません。
一般的には、「故人の生きた証」として、直近の写真を選択するケースが多いようです。 亡くなる前の姿がしっかりとイメージできるため、会葬者の方々も、故人との思い出に浸りやすいでしょう。

一方で、以下のような状況で、あえて少し前の写真を選択する方もいます。

  • 闘病中の写真よりも、元気な頃の写真を使いたい
  • 遺影に関する故人の要望があった
  • 家族にとって、特別な思い入れがある

「極端に若すぎて、故人の姿を結び付かない」ということでなければ、できるだけ最近の写真から、自由に選んで良いでしょう。  

選び方④:画質が粗すぎないか

写真を撮影するツールもさまざまになっている今、解像度が低い写真も少なくありません。
遺影用に引き延ばすと、全体的に粗くザラザラとした印象になってしまいます。

できるだけ、解像度の高い写真を用意しましょう。
どの程度の解像度が必要なのかは、どれだけ写真を引き延ばすかによっても違ってきます。

顔が小さく映った集合写真よりも、顔が大きく映った個人写真の方が、画質の側面からは対応しやすいと言えるでしょう。  

遺影写真の値段相場

遺影写真を用意する際に、気になるのが価格についてです。

葬儀会社に依頼した場合、パック料金の中に含まれているケースも多いですが、遺影写真だけの相場は「1万円~3万円程度」です。
葬儀会社を通さずに写真の加工・プリントのみを行った場合、1枚当たり「5,000円~10,000円程度」が相場になります。

ただしプリントした写真をフォトフレームに入れたり、リボンで飾ったりすれば、その分価格は高くなります。
こちらの場合も、やはり「2万円~3万円程度」が相場になるでしょう。

自分で手配して用意した方が、費用は安く済むはずです。
しかし、自分の力だけで満足できる遺影を用意するのは、決して簡単ではありません。
葬儀会社スタッフのアドバイスを受け、より納得できる遺影を準備するのもおすすめです。

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遺影写真を作成する方法

従来「葬儀の前に遺族が写真を確認し、遺影を決定する」という方法が一般的でした。

近年、「自分の遺影写真は自分で決めたい」と願う方も増えてきています。
生前に遺影写真を作成しておくためには、どのような手段があるのでしょうか。

2つの方法を紹介します。  

方法①:スタジオで撮影する

遺影写真の選び方でも解説したとおり、理想的な遺影を準備するのは決して簡単ではありません。
表情やピント、解像度など…すべての条件をクリアした写真は、それほど多くはないでしょう。
だからこそおすすめなのは、写真スタジオで、プロの手で撮影してもらう方法です。
ピントや解像度に目線など、難しいポイントは、すべてのプロのカメラマンがクリアしてくれます。
たくさん撮影してもらった写真の中から、とっておきの1枚を選んで残せるため、満足いく仕上がりになりやすいでしょう。

料金の相場は、「1万5,000円~2万円程度」です。 メイクやヘアセット代込みで対応してくれるスタジオも多いので、ぜひチェックしてみてください。  

方法②:既存写真を加工する

スタジオ撮影が難しい場合には、手元にある写真を加工して、遺影写真に仕上げる方法がおすすめです。
自分で気に入っている写真を見つけたら、遺影として使えるよう、洋服や背景の加工をしましょう。
写真加工に関する専門知識は必要ですが、その一方で、遺影のデザインに自分らしさを詰め込めるというメリットがあります。

ただし、過度な加工は不自然さを感じる原因になってしまうものです。
できれば周囲の意見も取り入れつつ、ナチュラルに仕上げましょう。  
2つの方法の他にも、葬儀会館のイベントなどでも写真撮影をしているケースもありますので確認してみてください。  

まとめ

近年人気が高まっているのが、「本人が生前のうちに終活の一環として、遺影用の写真を用意しておく」という選択肢です。
いざというときに後悔がないよう、また家族の負担を減らせるよう、遺影の準備についてこの記事が参考になれば幸いです。

遺影写真や葬儀に関するお悩みは、「いつどこで相談すれば良いのかわからない…」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ぜひお気軽に、無料事前相談ページをご覧ください。

▼気軽にご相談ください。    この記事の監修者

藤田 悠(ふじた ゆう) 四日市地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター