檀家とは?菩提寺との違いや入檀・離檀時の費用を解説|辞める方法も

公開:2024.03.21  更新:2024.04.30

檀家とは?菩提寺との違いや入檀・離檀時の費用を解説|辞める方法も

仏事でよく耳にする「檀家(だんか)」とは、特定のお寺に所属する信徒を意味する言葉です。

人々とお寺の関係性が時代とともに変化するなか、檀家になるべきか・辞めるべきかと考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、檀家とは何か、意味や菩提寺との違いを解説します。

檀家になる方法やメリット・デメリットのほか、辞める方法もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼気軽にご相談ください。

 

檀家(だんか)とは

檀家の基礎知識として、以下の2つを解説します。

  1. 意味
  2. 菩提寺との違い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

意味

檀家(だんか)とは、特定のお寺に家単位で所属し、仏事などをお願いする代わりに、お寺を経済的に支援する家のことです。

檀家の歴史は長く、江戸時代の「寺請制度」が始まりだと伝えられています。

キリスト教の信仰を禁じる目的でお寺への所属が義務づけられた人々は、制度が廃止後も形を変えながらお寺との関係性を続けてきました。

なお、宗派によって呼び方はさまざまです。

浄土真宗では「門徒」、浄土宗では「信徒」という言葉が檀家と同じ意味で使われています。

 

菩提寺との違い

菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓があって仏事などをお願いするお寺を意味します。

檀家と菩提寺の違いは、檀家が特定のお寺に所属する家を指すのに対し、菩提寺はその特定のお寺を指す点です。

菩提寺がお墓の世話や仏事を行うのと引き換えに、檀家は経済的に菩提寺を支援し、互いの関係性が成り立っています。

また、菩提寺に関連して檀那寺(だんなでら)という言葉があり、2つの違いは下表のとおりです。

菩提寺

檀那寺

・お寺に先祖代々のお墓がある
・檀家であるかは関係ない

・お寺に先祖代々のお墓はない
・檀家であるお寺

厳密には意味が異なるものの、最近では菩提寺として同じ言葉でまとめられることが多くなっています。

 

檀家になる3つのメリット

檀家になる主なメリットは、以下の3つです。

  1. 手厚い供養を受けられる
  2. 法要時は優先的に対応してもらえる
  3. 不明な点について相談しやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

メリット①:手厚い供養を受けられる

霊園や納骨堂に比べて、お寺の檀家になると以下のように手厚い供養やサポートを受けられます。

  • 毎日のお経
  • 墓地の清掃
  • 仏事の手順などに関するアドバイス など

仏事に関する手配をすべてお寺に任せられるほか、日頃から先祖を供養してくれる安心感も得られます。

さまざまな理由で頻繁にお墓参りできない方や、初めての葬儀などで分からないことが多い方にとって、菩提寺は心強い存在になるでしょう。

なお、墓地と霊園の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

【関連記事】霊園とは?墓地や墓所との違いやお墓を建てる際の手順について解説

 

メリット②:法要時は優先的に対応してもらえる

法要時は優先的に対応してもらえるのも、檀家になるメリットです。

お盆やお彼岸などの忙しい時期でも日取りを優先してもらえるため、法要のスケジュールを調整しやすくなります。

ほかにも、檀家に対して以下のように対応しているお寺もあるようです。

  • 優先的に行事や法要の詳細を案内する
  • 檀家に対して、特別な法要や祈祷を行う
  • 大きな行事や法要などで、一般の参拝者より先に席を確保する

ただし、どのような対応をしてもらえるかは、宗派やお寺の方針によって異なるため、事前に相談しておくとよいでしょう。

 

メリット③:不明な点について相談しやすい

お寺に不明な点を相談しやすいのも、檀家ならではの関係性です。

わからないことがあればインターネットでも調べられますが、冠婚葬祭のマナーは地域差が大きく、判断に迷うケースも少なくありません。

このような場合、檀家であればお寺に聞いてすぐに不明点を解消できます。

たとえ些細なことであっても、仏事をよく知る立場からのアドバイスは心強いものです。

古くからその土地を基盤としている菩提寺であれば、地域の慣わしに沿った正しい知識を教えてもらえるでしょう。

 

檀家になる2つのデメリット

檀家になるデメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  1. さまざまな費用がかかる
  2. お寺の行事をお手伝いするケースもある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

デメリット①:さまざまな費用がかかる

檀家になるには、下表のようにさまざまな費用がかかります。

費用

目的・用途

相場

入檀料

檀家になるときに支払う費用

10~30万円

維持費

お寺の維持と運営にかかる費用

5,000〜2万円(年間)

お布施

仏事にかかる費用

葬儀:20~50万円

法要:1~10万円

寄付

お寺の本堂や施設の修繕・改築にかかる費用

任意の金額

仏事は基本的にお金がかかりますが、檀家の場合はお寺への支援を理由に費用が高い傾向にあります。

檀家になると、行事や法要でのお布施だけでなく、お寺の修繕や改築を目的に寄付を求められるケースも少なくありません。

基本的には任意の金額を寄付できますが、場合によっては最低金額が決められているため確認が必要です。

なお、お布施の相場や渡すタイミングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】お布施とは?ダメな金額や相場、渡すタイミングなどをわかりやすく解説

 

デメリット②:お寺の行事をお手伝いするケースもある

お寺では1年を通してさまざまな行事や法要が行われ、檀家としてお手伝いを求められるケースもあります。

また、行事のお手伝いは、基本的に無償であるうえ、参加する場合にはお布施が必要です。

ただし、どの程度お手伝いに参加する必要があるかは、お寺によって大きく異なります。

「共働きでお手伝いする時間が取れない」「遠方に住んでいて足を運ぶのが難しい」などの場合には、事前に行事への参加やお手伝いが少ないお寺を選ぶとよいでしょう。

 

檀家になる方法

檀家になる方法は法律で定められているものではなく、お寺によって手続きが異なります。

檀家になる手順は、以下の4ステップです。

  1. お寺を訪問して申し入れる
  2. 契約書の確認
  3. 入檀料を支払う
  4. 契約書にサインする

また、入檀時に取り交わす契約書は、主に以下の2種類があります。

書類の名前

内容

檀家契約書

維持費をはじめとする費用の規約や取り決めなどの重要事項が記載されている書類

墓地契約書

墓地の一定区画にお墓を設置するための書類(お墓を建てる場合に必要)

なかには契約書を交わさず、口約束だけで檀家として関係をスタートさせるお寺もあります。

なお、お寺によって金額は異なるものの、10〜30万円程度の入檀料が必要です。

具体的にどのような手続きが必要で、費用はいくらになるか所属するお寺に確認してみてください。

 

檀家を辞める方法

転居や継承者がいないことなどを理由に、檀家を辞めるケースも考えられます。

檀家を辞める手順は、以下の4ステップです。

  1. お寺に相談する
  2. 改葬許可証が必要か確認する
  3. 閉眼供養(魂抜き)をする
  4. お墓を撤去する

お寺に先祖代々のお墓がある場合は離檀に先立ち、「改葬許可証」を取得してお墓を解体する必要があります。

なお、改葬許可書の発行に必要な書類は、下表の3つです。

書類の名前

内容

墓地の使用許可証

新しい埋葬先が発行する受入証明書

改葬許可申請書

改葬するための許可を求める書類

埋蔵証明書

お墓があるお寺が、遺骨が埋まっていることを証明するための書類

改葬許可書を用意すると、お墓を解体して墓地を引き渡し、離檀が可能です。

なお、檀家を辞める際には、5~20万円程度の離檀料を支払うケースもあります。

ほかにも、お墓の撤去費用や閉眼供養のお布施など、離檀時にはまとまったお金が必要になるので覚えておきましょう。

 

檀家とお寺の付き合い方で相談したい方は

檀家に求められる役割やかかる費用は、お寺によってさまざまです。

檀家になるかならないかは、「必要性があるか」「親族の思いはどうか」など、周囲の状況を考慮して決めましょう。

なお、斎奉閣の無料事前相談では、檀家とお寺の付き合い方をはじめ仏事に関するさまざまな相談を受け付けています。

檀家になるか悩んでいる方のほか、費用や辞める方法について知りたい方もぜひ気軽にお問い合わせください。

 

まとめ:檀家について

檀家とは、特定のお寺に所属して葬儀や法要などを受ける代わりに、経済的に支援する家です。

檀家になれば、仏事に関わる手配や日頃のお寺の管理を任せられる安心感がある一方で、多くの場合は1年を通してさまざまな費用がかかります。

最近ではお寺の関係性も多様化しており、檀家になるかならないかはそれぞれの家庭の判断によるでしょう。

檀家とお寺の付き合い方でお悩みの場合は、お気軽に無料事前相談をご利用ください。

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この記事の監修者

藤田 悠( ふじた ゆう) 鈴鹿中央斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター

葬儀・法事の知識