5分でわかる!自宅葬とは?メリット・デメリットや流れ、費用相場を解説
お葬式を行う場所は、多様化しています。 亡くなった人を真摯に送り出すためには、斎場選びも重要なポイントと言えるでしょう。
もともとは、自宅で行われることが多かった葬儀ですが、現代においては葬儀場を使うケースも多いものです。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、今また自宅葬に注目する方が増えてきています。
「大切な家族を自宅から送り出してあげたい」と願う方に向けて、自宅葬の基本やメリット・デメリット、気になる注意点を解説します。
目次
自宅葬とは
自宅葬とは、自宅で行われる葬儀を意味します。
日本では古くから行われてきた葬儀の形であり、お通夜から告別式、出棺までのすべての流れが自宅で行われます。
参列者は、亡くなった方の自宅を訪れ、それぞれの式に参列します。
僧侶に自宅に来てもらい、葬儀の儀式を進めていくのが自宅葬です。
もともと日本では、自宅葬が一般的でした。
とはいえ自宅でお通夜や告別式を行うには、それなりのスペースが求められます。
田舎などの大きな一戸建て住宅ならともかく、都会の住宅では難しいケースもあるでしょう。
こうして葬祭ホールや寺院で行う葬儀スタイルが徐々に増え、定着していったようです。
しかし近年、葬儀のトレンドには変化の兆しが見えてきています。
新型コロナウイルスの感染拡大が冠婚葬祭行事に与えた影響は非常に大きく、大規模斎場での大人数葬儀から小規模会場での家族葬へとシフトする方が増えてきたのです。 「
家族同然の人だけが集まる小さなお葬式」「小さなお葬式であればよりプライベートな場所で」という想いから、自宅葬を検討する方が増加しています。
自宅葬の流れ
自宅葬の流れの一例を以下にご紹介します。 まずは、ご臨終から通夜式までの準備の流れを解説します。
- ご臨終、葬儀社への連絡
- 葬儀社スタッフが、故人を自宅まで搬送
- 葬儀社スタッフの手で、ご遺体の安置と支度
- お通夜と告別式について、遺族が葬儀社スタッフと打ち合わせ
たとえ自宅葬であっても、故人の搬送や自宅での安置、送り出すための準備については葬儀社スタッフがサポートしてくれます。
線香の支度はもちろん、宗教や宗派による違いについても、専門知識をもとに対処してもらえるので安心してください。
続いて、通夜式当日の流れです。
- 葬儀社スタッフによるご遺体の納棺
- 会場設営
- 通夜式
- 通夜ぶるまい
自宅葬の場合、通夜式当日の流れもすべて自宅内で行われます。
会場設営は、葬儀社スタッフがサポートしてくれるケースもあれば、家族が中心で行う場合もあるようです。
葬儀会社に依頼する場合、どこまでサポートしてもらえるのかを事前にしっかりと確認しておきましょう。
続いて、葬儀・告別式当日の流れです。
- 葬儀会社スタッフの進行で、葬儀・告別式
- 霊柩車で、火葬場へ出棺
- 火葬場にて火葬とお骨上げ
- 精進落し(初七日があればその後)
- 自宅に戻り、後飾り段へ遺骨を安置
自宅葬の場合、霊柩車は自宅から出発します。
火葬場で火葬とお骨上げ、精進落しを済ませたら、参列者は遺骨と共に自宅に戻ってくる流れとなります。
ご紹介した自宅葬の流れは一例です。
通夜ぶるまいを行うかどうか、一般の方への食事をお出しするかどうかなど、地域性や葬儀を行う時間帯などによって異なる場合があります。
自宅葬を選んだ場合でも、全体の流れは一般的な葬儀とほぼ同じです。
自宅葬に対応してくれる葬儀会社であれば、どのタイミングで何をするべきか、適切にサポートしてくれるでしょう。
自宅葬のメリット
近年、自宅葬の認知度が高まっているのは、そのメリットに注目する人が増えているからでしょう。
ここでは具体的なポイントを3つ紹介します。
メリット①:時間を気にせず葬儀を行える
葬儀会社のホールで葬儀を執り行う場合、さまざまな制約を受ける可能性があるでしょう。
たとえば通夜式のあとの寝ずの番や、斎場へのペットの立ち入りなどは、葬儀会社の規則で禁止にされているケースも多いようです。
自宅葬であれば、こうした制限を気にする必要はありません。
メリット②:故人の住み慣れた家で最期のお別れができる
葬儀とは、故人との最期の別れの時間です。
自宅葬を選ぶと、故人は本当に最期の最期まで住み慣れた家で過ごすことができます。
自宅なら故人の好きだったものを用意するのも楽ですし、思い出がたっぷり詰まった空間で、通夜式や告別式を執り行えます。
参列者も、穏やかに故人のことを思いだしやすいでしょう。
メリット③:式場の使用料がかからない
自宅葬で葬儀ホールを利用しない場合は式場使用料が発生しません。
その分、葬儀にかかるコストを削減できるでしょう。
ちなみに葬儀会社によっては、式場使用料を含めたセットプランでの料金を提示しているケースもあるようです。
自宅葬を選択した場合、費用がどのように変動するのかをあらかじめ確認しておくのが安心です。
自宅葬のデメリット
一方で、自宅葬にもデメリットはあります。
検討する際には、以下の点も知っておくと良いでしょう。
デメリット①:近隣住民への配慮が必要になる
自宅葬を執り行う場合、ご近所への影響を考慮する必要があります。
- 夜間の弔問客や業者の出入り
- 話し声
- 霊柩車や棺の出入り
- 弔問客の車の増加
あらかじめきちんと挨拶し、説明しておくことで、大きなトラブルを防げるでしょう。
また、弔問客の駐車場確保も重要なポイントです。
葬儀ホールを利用する場合と比較して、こうした細やかな配慮が求められる点が、自宅葬のデメリットと言えます。
デメリット②:準備や後片付けの負担が増える
葬儀会社に依頼すれば、自宅葬もしっかりサポートしてもらえます。
とはいえ、葬儀ホールを使用する場合と比較すれば、やはり遺族の手間は増えてしまうでしょう。
- 設営前の片付け
- 会場設営
- 食事の提供
- 食事場所の準備
- 食後の後片付け
葬儀ホールを利用する場合、基本的にこうした大変な作業は葬儀会社スタッフが行います。
自宅葬においては、金銭的な負担が少ない分、遺族の出番が多くなりがちです。
デメリット③:集合住宅では禁止されている可能性がある
マンションやアパートなど、自宅が集合住宅の場合、自宅葬が禁止されている可能性もあります。
まずは住宅の規約を確認するのが安心です。
また、禁止されている場合でも、共有スペースである集会所を使って、自宅葬を行える可能性もあります。
こちらも併せて確認しておくのがおすすめです。
自宅葬の注意点
自宅葬を行う場合の注意点は、以下の3つです。
故人を穏やかに送るためにも、事前に確認しておきましょう。
注意点①:事前に近隣住民に了承を得ておく
自宅を葬儀の会場に使用することで、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があります。
葬儀だから仕方がないというのは、あくまで葬儀を執り行う側の事情です。
近隣住民の方々にはあらかじめ事情を伝え、了承を得ておきましょう。
できれば、葬儀が終わったあとにも、あらためて挨拶に出向くのがおすすめです。
無事に自宅葬を執り行えたことを報告し、感謝の気持ちを伝えましょう。
注意点②:賃貸住宅の場合は家主の許可を得る
賃貸住宅の場合、自宅葬が規約で禁止されていなくても、家主の許可が必要です。
もし許可が得られなければ、葬儀の方向性を変更する必要があるでしょう。
できるだけ早くに家主に連絡し、許可を得るのがおすすめです。
注意点③:葬儀に必要なスペースを確認する
自宅葬を行うには、必要なスペースを用意する必要があります。
以下の条件を、事前に確認しておきましょう。
- 葬儀を行う部屋を準備できるか?(6帖以上)
- 僧侶の控室は用意できるか?
- 玄関の広さは十分か?(棺の出入りが可能な程度)
- エレベーターや階段の広さは十分か?(棺の出入りが可能な程度)
葬儀会社に依頼する場合、必要なスペースについての相談に乗ってもらえるでしょう。
自宅葬の費用相場
自宅葬でも、葬儀会社に依頼して儀式を進めていくケースが一般的です。
費用は目安ですが、40万円~100万円程度を見ておきましょう。(やさしいお葬式調べ)
ちなみに、「第4回お葬式に関する全国調査」によると、儀場を使用した場合の費用の目安は2020年全国平均で120万円前後です。
自宅葬の場合は遺族の金銭的負担は少なくなるでしょう。
ただ自宅葬の場合も、弔問客の数や祭壇のランク、選択するプランによって料金は変動します。
まとめ
今回は、自宅葬を検討している人に向けて、基本的な情報をまとめました。
自宅葬には慣れ親しんだ場所から送り出せる、家族だけのプライベートな場所で安心といったメリットがある一方で、遺族の負担が多い、自宅環境によっては対応できない可能性があるといったデメリットもあります。
きちんとリサーチした上で、本人や家族が納得できるお葬式の形を模索してみてください。
自宅葬を執り行う場合にも、葬儀会社のサポートがあると安心です。
経験豊富な葬儀会社のサポートがあれば、自宅葬の負担を軽減できます。
アットホームな雰囲気の中、家族ならではの形で故人を送り出してあげられるのではないでしょうか。
自宅葬のために、葬儀社に自宅を下見してもらうと「相談したかっただけなのに契約をしなければならないのではないか」と不安に思われる方もいると思います。
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【参考】豊かな自然の中で過ごした兄へ、弟からの贈り物 | 葬儀レポート
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