家族葬はどこまで呼ぶ?参列者の決め方や決める際の注意点をわかりやすく解説
多くの方を参列者として招く一般葬とは違い、家族葬は故人とごく近い関係にあった身内でのみ執りおこなうものです。
斎場などの融通が利きやすい、費用を安く抑えられるといった現実的なメリットがいくつもあります。
しかし家族葬で悩みがちなのが、どの範囲の人間にまで声をかけるのかということ。
親戚といってもどこまでを対象とするのが妥当なのかは曖昧ですし、血の繋がりはなくとも故人が親しくしていた友人を呼ぶべき、という考え方もあるのではないでしょうか。
この記事では、家族葬において参列者をどこまで呼ぶべきかに関する一般論を解説するとともに、招く方々を決める際の注意点や決め方などについても触れていきます。
目次
家族葬はどこまで呼ぶ?
家族葬という言葉には「家族」という単語が含まれていますが、これを文字通りに解釈することはできません。
いわゆる家族といった場合、それは生前の故人と同居していた配偶者や親子のことを指しますが、必ずしも家族葬の範囲はその限りではないからです。
もっともわかりやすい例として、生前の故人と親しくしていた友人に参列してもらうケースが挙げられます。
つまり家族葬という言葉は「ごく近しい人たちの間でのみおこなう葬儀」程度の捉え方をするべきであって、その定義はとても曖昧なものであると考えるべきでしょう。
公正取引委員会による暫定的な定義は、以下のようなものです。
『親族や親しい友人など親しい関係者のみが出席して執り行う葬儀。通夜・告別式、火葬等は一般葬と同様に執り行われる。※本調査においては参列者50名未満の葬儀を家族葬と定義した。』
この記述にしたがうのであれば、親しい関係者のみで50名を下回る規模で集めた葬儀であれば、それは家族葬と呼んで差し支えないことになります。
一般に家族葬において参列者を呼ぶ範囲については、以下の3段階が考えられます。
- 遺族のみを呼ぶ
- 遺族と親族を呼ぶ
- 遺族と親族を呼ぶ
どれが正しいということはありません。
しかし注意しなければいけないのは、連絡を忘れてしまったり、故人との関係性のレベルを無視して選んだりしてしまうことで、「参加したかったのに呼ばれなかった」と文句をいう方が現れないようにすべきだということです。
家族葬の呼ぶ範囲は規模で判断しましょう
家族葬においてどの範囲まで呼ぶべきなのかという問題は、参列者にあわせて葬儀の規模を考えようとしているうちは、なかなか解決しません。
そうではなく、まず葬儀の規模を決めてしまい、その規模にあわせてどこまで呼ぶかを決めるのがおすすめです。
葬儀の規模を先に決めてしまえば、よい意味で参列者の範囲を区切りやすくなります。
葬儀の規模からおおよその人数が割り出せるので、優先順位の高い人物から順に機械的に判断すればよくなるからです。
弊社・斎奉閣では、15名までの場合は小和室を利用し、費用は一般価格で25万円ほど。
30名までの場合は小ホールを利用し、費用は一般価格で68万円ほどとなっています。
10名以下や50名以上の葬儀も対応しておりますので、気軽にご相談ください。
故人の生前の人間関係に応じて、あらかじめ定めた人数の範囲内でどこまで呼べるかを考えていきましょう。
家族葬の参列者を決める際の注意点
家族葬の参列者を決める際に注意すべき点としては、以下の3つが挙げられます。
- お呼びしない方へ連絡する
- 訃報か案内かを明確にする
- 明確な判断基準を設ける
どれもしっかりやっておかないと、無用な人間関係のトラブルを生み出しかねません。
人が亡くなるのはとても繊細な出来事なので、周囲の方々に配慮することは大切です。以下の解説を読んで、きちんと把握しておきましょう。
注意点①:お呼びしない方へ連絡する
葬儀にお呼びしない方に対しては、丁寧な連絡を心がけましょう。
単に参列辞退の連絡をするだけでなく、先方の故人への気持ちに配慮することも大切です。
親族や親しい友人の中には、葬儀に参列することで故人と最後のお別れをしたかった方も多くいらっしゃることでしょう。
にもかかわらず、何の連絡もせず近親者のみで済ませてしまうと、先方に「どうして自分は呼ばれなかったのだ」という不満が生まれてしまいかねません。
そこから人間関係がこじれてしまう可能性もあります。家族葬をおこなう際の最低限の連絡マナーとして、「故人の葬儀を身内でささやかにおこなうこと」「参列を辞退していただくこと」をしっかりと伝えることを忘れないようにしましょう。
注意点②:訃報か案内かを明確にする
相手に連絡を差し上げる場合は、それが訃報であるか案内であるかを明確にすることも大切です。
故人が亡くなったことを単に伝える目的であった訃報の連絡が、葬儀の案内であると勘違いされてしまうことは実際にあります。
結果として、呼んでいない方が当日の葬儀に参列してしまい、トラブルに発展することも少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐためにも、訃報なのか葬儀の案内なのかははっきりさせておきましょう。
家族葬を執りおこなうことを明記し、「身内のみでささやかに済ませる」ことを強調しておくのがおすすめです。
【関連記事】訃報の連絡とは?連絡すべき人や文例をご紹介
注意点③:明確な判断基準を設ける
参列者として呼ぶ方と呼ばない方を分ける際には、明確な判断基準を設けておきましょう。
たとえば「親族の範囲は呼ぶが、故人の友人は呼ばないことにする」のであれば、その基準にのっとって厳格に選別することが重要です。
上記の例の場合、招待した友人としなかった友人がいると、後者は「どうして自分は呼ばれなかったのか」と感じるはずです。
そのようなことがないよう、どのような基準で参列者を選定したかをはっきり説明できるようにしておきましょう。
家族葬の参列者はどうやって決める?
家族葬の参列者を決める方法としては、以下の3つが考えられます。
- 葬儀の規模で決める
- 故人の遺志を尊重する
- 今後の付き合いも考慮する
どれが正解ということはありません。状況に応じて柔軟に対応できるよう、以下の解説をしっかり把握しておきましょう。
決め方①:葬儀の規模で決める
これはすでに解説したことですが、先に葬儀の規模を決めてしまい、その規模の範囲内で招くことのできる範囲で参列者を決定するのは、おすすめの方法です。
現実的な話として、葬儀には予算の問題がつきまとうので、規模をどれくらいにするかは最重要事項の1つです。
そこに基準を置き、残りのものを規模にあわせて考えていくと、考え方がシンプルになります。
小規模な家族葬を選ぶことにより、無宗教的なオリジナリティあふれる葬儀をおこなうことも可能です。
状況が許すのであれば、それも1つの判断でしょう。
決め方②:故人の遺志を尊重する
故人が生前になんらかの遺志を残していたのであれば、それにしたがって葬儀をおこなうのが妥当でしょう。
もちろん実現の難しいことを無理に実行する必要はありませんが、可能な範囲で故人の遺志を尊重するのはよい判断です。
また故人が葬儀自体に要望を遺していなかったとしても、故人が自然に会いたがっていた人物がいるのであれば、その人物を招くのも1つの方法です。
故人とあまり関係のない親戚を呼ぶよりは、学生時代の友人や職場関係者の方が参列者としてふさわしい場合もあります。
決め方③:今後の付き合いも考慮する
葬儀は死者のためのものであると同時に、生き残った者たちのためのものでもあります。
すなわち今後の人間関係に考慮して参列者を選ぶのも、いささか打算的ではありますが無難な考えです。
たとえば今後とも親しく付き合っていきたい親族を葬儀に呼ばず、「どうして自分を参列させてくれなかったのか」と不満を持たれてしまうのは明らかに不利益につながります。
葬儀を交流の場であると考えたうえで、将来を見越して人選をおこなうのも1つの立派なやり方でしょう。
家族葬の参列者はご家族が決めること
家族葬に誰を招くのかをあまり深刻に考え始めてしまうと、キリがなくなります。
どのような基準にもとづいて参列者を決めるにせよ、完璧な葬儀というのはあり得ません。ある程度の割り切りも必要になります。
大切なのは、家族葬の参列者はご家族が決めるものであるということです。それは権利であり義務でもあります。
重要な人物の顔色や世間体も無視できない要素ではありますが、故人を送り出すにあたって誰を招くのが妥当なのか、予算などと相談しながら慎重に決めていきたいものです。
家族葬に関するプランや料金などのわからないことがあれば、家族葬のページを参考にしてみてください。
まとめ
家族葬においてどこまでの範囲で参列者を招くべきなのかを中心に、注意点や具体的な決め方などを解説しました。
家族葬は多くの場合、小規模でささやかにおこなうことを目的としています。
しかし現代社会の人間関係は広く複雑であるため、小規模というとき具体的に参列者をどのように選別するべきなのか、迷ってしまうのも無理はありません。
家族葬に誰を呼ぶべきかで迷ったときには、この記事を参考にして、ぜひ明確な基準をもって絞り込んでいってください。
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