お葬式後について

グリーフケアとは?失った(人・物・事)を丁寧に思い起こし、大切に覚え続けるための心の準備をする支援

公開:2022.10.28

グリーフケアとは?悲しみを耐えるために必要なこと グリーフとは、深い悲しみ・悲嘆・苦悩を表す言葉です。グリーフは自分にとって大切な人・物・事柄の喪失や決別に伴って起こる「正常な心の動き」ですので、病気ではありませんが周りのサポートが必要です。

大きな喪失は家族やかけがえのない人との死別です。特に子供や若い方の死、あるいは予期せぬ形で家族と死別することは、大きなグリーフとなる可能性があります。
万が一、心身の不良がグリーフケアの対象範囲を超えそうな場合(例えば自死をほのめかす場合など)は専門機関へ繋ぐ必要も出てきます。

▼気軽にご相談ください。  

グリーフケアとは

様々な喪失や決別を経験した人が失った「ひと・もの・こと」を丁寧に思い起こし、感謝し、別れを十分に嘆き、グリーフを受け入れながら新たな人生の意味を見つけて生きていくために、グリーフを大切に覚え続けるための心の準備をする支援を行います。  

グリーフワークとは

「グリーフワーク」という言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、グリーフケアとは別物です。
グリーフワークとはグリーフを経験した人が、故人がいなくなった世界に適応していくための作業プロセスのことです。

このようなグリーフワークのプロセスを支えて見守ることがグリーフケアです。  

グリーフケアの歴史

心理学者フロイトが発表した論文が基盤になっています。様々な心理学者や研修者たちにより理論的に発展した後、グリーフケアは1960年代にアメリカで発祥しました。

現在、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどの病院では、患者さんが亡くなった後もご遺族が定期的に同じ病院を訪れ、グリーフケアを受けることが一般化しているそうです。

一方、日本でグリーフケアという言葉が知られるようになったのは2005年に起きたJR福知山線の脱線事故がきっかけでした。
あまりに不条理な死を受け入れざるを得なかったご遺族の心のケアにカトリックシスターが携わり、その後2009年に「グリーフケア研究所」が設立されました。

この研究所は、2010年上智大学に移管され、グリーフケアを行える専門知識を持った人材育成を行っています。  

グリーフケアの必要性

家族やかけがえのない人との死別は、昔の人にとっても現代の人にとっても、その悲しみに変わりはありません。

しかし、現代の日本では死を取り巻く環境は以前とは大きく異なります。
平均寿命がのび、ほとんどの人が病院で亡くなるため、死にゆく過程や看取りを身近に経験することが減りました。
また、昔は大家族だったので誰かが亡くなればお互いが話を聴くことで、自然とグリーフケアが行われていたものです。
葬儀も、地域の人がサポートしてくれることで、ご遺族はゆっくりとお別れができました。

そうした環境のなか、人々は他人の悲嘆に寄り添い、また自分の悲嘆にも多くの人が寄り添ってくれました。
しかし核家族化が進み、地域の繋がりも薄れた現代においては、そうした環境はどんどん失われています。
さらに、伝統的な宗教が弱体化し、死生観が空洞化してしまっています。

その結果、身近な人の死を体験しても、たった一人で孤独に悲嘆に向き合い、自死やうつに至るケースもあります。
家族や友達がいたとしても、人の死に触れる機会が少なくなっているため、適切に対処できる人は少ないかもしれません。
悪意はなくても、早く立ち直るように励ますことが相手を追い詰めてしまうこともあり得ます。

このような背景で、今、グリーフケアの正しい知識とそれを行える専門家や癒しの場が必要と考えられているのです。
そして、悲嘆を抱える方々のケアをすると同時に、ケアをする側の皆さんのケアも重要になってきています。

悲嘆には5段階のプロセスがあるといわれています。

  1. ショック期
  2. 喪失の認識期
  3. 閉じこもり期
  4. 癒し期
  5. 再生期

 

日本人の悲嘆の4大要素

  1. 思暮
  2. 疎外感
  3. うつ的不調
  4. 適応対処の努力

個人によって要因・過程や症状はさまざまです。そこでケアする側が特に気を付けることは、以下の3つです。

  1. 悲しみを無くす
  2. 悲しみを克服する
  3. 悲しみを忘れる

言葉の選び方にも注意が必要です。例えば「寿命だった」「いつまでも悲しまないで」「時間がたてば…」などがあげられます。ケアする側は安易に声掛けするのではなく聴く「傾聴」が一番求められます。  

まとめ

私たち株式会社三重平安閣には、一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団認定 上級グリーフケア士を含む5名のスタッフがおり、お客様に安心してお話しいただけるように取り組んでいます。

実際にグリーフケアさせていただいた方々もおり必要の需要が高まっていると感じます。

斎奉閣をご利用の方はもちろん他でお葬儀をされた方もご利用いただけます。
今自分が思っていることお話しください。私たちはいつでも寄り添いたいと考えています。

▼気軽にご相談ください。   の記事の監修者

黒宮 有希(くろみや ゆき) 一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団認定 上級グリーフケア士