葬儀・法事の知識

親の終活はどう進める?切り出し方や、親に聞いておくことを紹介

公開:2024.01.25

親の終活はどう進める?切り出し方や、親に聞いておくことを紹介 親に終活をしてもらいたいと考えてはいるものの、どう切り出すべきか迷ったり、なかなか進まなかったりと、悩んでいる方はいるのではないでしょうか。

親が元気なうちに終活を始めると、親の意思が反映できるうえに、スムーズな遺品整理がしやすくなります。

親にスムーズに終活を進めてもらうためには、話の切りだし方や終活で確認すべきポイントを意識しておく必要があるでしょう。

この記事では、親の終活をスムーズに進めるため、切り出し方や進め方を解説します。

終活で確認しておくべきポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

▼気軽にご相談ください。

 

親の終活に早めに取り組むメリット

パソコンを見る親子 親の終活は、死を想定するため悲しい作業です。

しかし、早めに取り組むことで、さまざまなメリットがあります。

親から見ても、希望の医療・介護・葬儀が叶うため、早めに取り組むのがおすすめです。

ここからは、親の終活に早めに取り組むメリットを解説します。  

 

メリット①:親の意思を反映できる

親が元気なうちに終活をしておくと、本人の意思を反映できます。

ある日突然、親が病気で倒れて介護が必要になったり、認知症になったりするかもしれません。

もし病気になってからでは、本人が希望しない医療や葬儀となる恐れがあります。

本人が希望する医療・葬儀を実現するためにも、親の考えを聞いてメモにまとめておきましょう。

終活の開始年齢に決まりはありません。早めに終活を始めることで、本人の意思が反映できる点は大きなメリットです。  

 

メリット②:スムーズに遺品整理ができる

親が元気なうちに終活を始めておけば、スムーズな遺品整理が可能です。

親の資産状況にもよるものの、遺品整理には想定以上に時間がかかります。

家具や家電など大きな荷物を運んだり、持ち物すべての処理方法を一つずつ決定したりなど、心身ともに負担がかかる作業です。

加えて、親にとって大切な物まで捨ててしまうかもしれません。

そこで、親が元気なときに不用品の整理や大切な物を聞いておきましょう。

遺品整理に適した時期や注意点は、次の記事で解説しています。

【関連記事】遺品整理はいつから始めるべき?始める際のポイントや注意点を紹介

 

終活をしない親に上手く切り出すコツ

車椅子に乗る高齢者 終活は、死を連想させるネガティブなイメージがつきまとうため、終活をしたがらない親も多いことでしょう。

しかし、切り出し方によっては、スムーズな終活の開始が可能です。親に終活の話を上手く切り出すコツを解説します。  

 

コツ①:自分も終活をする

自分が終活を始めた話を切り出すと、親の終活について話すきっかけになります。

子供が終活を始めたと考えると、親も自然に意識するでしょう。 自分の終活について話すときは、ネガティブな話題を出さないのが重要です。

一方的な終活の押し付けや、死を連想させる話しばかりしていては、いい印象は持てないでしょう。

しかし、自分が終活を始めたきっかけや、早めに終活を始めるメリットをあわせて語ると、よい印象を持つかもしれません。

親子で一緒に終活するように話し合うと、前向きに取り組めるでしょう。  

 

コツ②:テレビの終活に関する特集を観ながら話す

テレビの特集を観ながら終活の話を切り出す方法も、効果があります。テレビで特集されるということは、多くの方が気にしている話題です。

多くの人が終活をしていると思うと、親もスムーズに終活が始められるでしょう。

また、テレビを観ながら終活について話すことで、ネガティブなイメージが軽減されるかもしれません。

終活のテレビ番組は、情報番組の特集だけでなく、災害や芸能人の死に関するニュースなども話を切り出すきっかけになるでしょう。  

 

親の終活でやるべきこと

山積の本 親の終活では、決めておくべきこと、やるべきことが5点あります。

  1. 身の回りの片づけ
  2. 所有している資産の把握
  3. 医療に関する意向の確認
  4. 葬儀やお墓に関する準備
  5. 遺言書の作成

ここからは、具体的に確認すべき項目とやるべきことを解説します。  

 

①:身の回りの片づけ

親が元気なうちに、思い出話を聞きながら身の回りの物を片づけておくと、親が納得する形の終活へつながります。

検討しておくべき身の回りの物は、次のようなものです。

  • 家具や家電
  • 神棚や仏壇
  • 衣類や小物(食器・アクセサリーなど)
  • 写真
  • デジタルデータ
  • 水道や電気、ケーブルテレビなど定期契約の情報
  • 習い事やジム、定期的購入など趣味に関する情報
  • 友人や親戚など慶弔関連の情報

作業は、身の回りの物の一覧表を作成し、親の意向をメモしておきます。

片づけている最中は不用品が出たらその場で処分し、処分に迷う物は処分方法を調べて一覧表へメモしておきましょう。

デジタルデータは、IDとパスワードの一覧を作成し、定期的に不要なアプリを削除しておきます。

習い事や趣味、友人関係などの情報は、葬儀に関するお知らせや喪中はがきを出すときに必要です。

特に定期契約の情報は、親が元気なうちに確認しておかなければ分からなくなる恐れがあります。忘れずに確認しておきましょう。  

 

②:所有している資産の把握

資産の把握も、重要な終活の一つです。

所有している資産についても一覧表を作成し、情報と相続の意向を整理しておきます。 資産は、次のようなものです。

  • 銀行(口座・貸金庫・定期預金)
  • クレジットカード(カード会社)
  • 証券(口座・証券・FX)
  • 保険(生命保険・損害保険)
  • 借金(借入先・借入額・返済口座)
  • 不動産(持ち家・保有物件)
  • 年金(組合・社会保険事務所・iDeCo)

所有している資産を把握するときは、使用している印鑑も忘れずに把握しておきましょう。

銀行やクレジットカードでは、水道光熱費や税金など、定期的な引き落としに使っている口座を把握しておくと、スムーズな停止作業が可能です。

資産が多く、管理を税理士などへ依頼している場合は、顧問先や銀行の担当者もセットで確認しておきましょう。  

 

③:医療に関する意向の確認

医療に関する意向の確認も、書面にまとめておきます。医療に関する意向とは、次のような意向です。

  • かかりつけ病院・薬局
  • 医師からの告知
  • 認知症になったとき
  • 希望する医療機関や介護施設
  • 延命治療について
  • 臓器提供の意思
  • アレルギーや血液型情報
  • 既往歴や服薬歴

医師からの告知・延命治療・臓器提供については、親の意思だけでなく、事前に家族で話しあっておくと、家族全員が納得できます。

認知症になったときや、介護が必要となったときは、サポート範囲と体制についても調べておきましょう。

子供が遠方に住む場合は、引っ越しを検討する必要があるかもしれません。

また、認知症など本人の意思が確認できない場合に備えて、任意後見人を指定しておくとよいでしょう。

万が一の際、財産管理や生活に関するサポートをしてもらえます。  

 

④:葬儀やお墓に関する準備

葬儀やお墓に関する準備では、次のようなことを確認しておきましょう。

  • 葬儀をするか否か
  • 葬儀までに遺体を安置しておく場所
  • 葬儀の規模
  • 宗教・宗派・菩提寺
  • 家紋
  • 写真
  • 埋葬方法
  • 好きな花・苦手な花
  • 戒名
  • 互助会や葬儀場など

葬儀に関する取り決めは、想像するのが怖いかもしれません。

しかし、事前に決めておけば、親にとっては希望の葬儀・埋葬が叶い、親族はゆっくり故人と向き合う時間ができます。

亡くなったあとは、葬儀についてゆっくり話すことはできません。

親が元気なうちに好きな色や音楽など、好みを把握しておくと、葬儀で使う花や音楽の選定がスムーズです。

好きな物は、気軽に語れる内容なため、葬儀を希望する場合は、日常会話に取り入れるとよいでしょう。

以下の記事では、葬儀の流れについて詳しく解説しています。 葬儀の日程について気になる方は、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】葬儀の流れを徹底解説!日程と費用もご紹介

 

⑤:遺言書の作成

遺言書とは、親の財産を死後どのように取り扱うか取り決める書類です。

定められたルールにのっとって作成した遺言書は、法的効力が発生します。 遺言書には種類があり、具体的には次の3種類です。

  1. 自筆証書遺言:遺言者が作成・押印し自ら保管する
  2. 公正証書遺言:遺言者が言ったことを公証人が作成し、公証役場で保管する
  3. 秘密証書遺言:遺言者が作成・押印し、封に証人の署名・押印する

遺言書へ法的な効力を持たせるためには、次の要件を満たす必要があります。

  • 財産目録を除いて遺言者が自筆で書く
  • 作成日を記載する
  • 氏名を自筆で書き、押印する
  • 書面で作成する
  • 加筆・訂正はルールにのっとった方法のもの

適切な保管が期待でき、法的に効力のある遺言書を作成したい場合は、公証人が目を通す公正証書遺言がおすすめです。

以下の記事では、遺言書を無効にしないためのポイントについて、さらに詳しく解説しています。

【関連記事】遺言書とは?書き方や効力、種類についてわかりやすく解説

 

親に終活をしてもらうならエンディングノートがおすすめ

ノート 親に終活してもらうときは、エンディングノートの活用をおすすめします。

エンディングノートとは、生前に身の回りの物を整理し、振り返ることで、未来の人生を設計するためのノートです。

エンディングノート1冊にまとめておけば、残された家族の負担が減り、相続トラブルを回避できるでしょう。

しかし、エンディングノートをどのように作成すればいいか迷う方も多いのではないでしょうか。

斎奉閣では、オリジナルのエンディングノートを無料配布しています。

整理すべき事項がまとまっているため、1冊用意してみてはいかがでしょうか。

エンディングノートは、こちらのページからダウンロードできます。

また以下の記事では、エンディングノートで書くべき内容についても紹介しているので参考にしてください。

【関連記事】エンディングノートとは?メリットや書き方のコツをご紹介

 

まとめ:親の終活について

手を取る親子 親の終活は、死を連想させることから切り出しにくい話題です。

終活をしたがらない親に対しては、自分から終活をしたり、テレビの特集を観たりなど、終活の話がしやすい環境を作って切りだしましょう。

終活をするときは、所有する資産や医療・葬儀に関する意思の確認、身の回りの物を整理しながら一覧表にまとめておきましょう。

終活で確認する情報をまとめるためには、エンディングノートの活用がおすすめです。

斎奉閣では、エンディングノートを無料で配布しております。

エンディングノートの書き方にお困りの場合は、無料事前相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

 

【関連記事】終活はいつから始めるべき?早くから始めるメリットや、やるべきことをご紹介

【関連記事】終活のやることリスト3つ!終活のよくある質問も解説

【関連記事】葬儀【エンディングノート書き方講座】

▼気軽にご相談ください。

 

この記事の監修者

松田大輔(まつだ だいすけ)鈴鹿地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター