葬儀・法事の知識

終活のやることリスト3つ!終活のよくある質問も解説

公開:2022.11.10

「終活」という言葉をなんとなく耳にしたことがあるけれど、

  • いつから始めるべき?
  • 終活ってそもそも何?

など、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

終活とは、自分の死と向き合い、万が一に備えて様々な準備をする活動のことです。
人生100年時代と言われる昨今、残された家族への負担軽減や、充実したセカンドライフを迎える目的で多くの方が取り組んでいます。

この記事では、終活を始めたいけど具体的にどうすればよいのかわからない方に向け、今すぐに実行できる3つの「やることリスト」を紹介します。

読み終えてすぐ終活が始められるよう、よくある質問についてもわかりやすく解説しているので是非ご活用ください。

▼気軽にご相談ください。  

終活のやることリスト3つ

終活でやるべきことは大きくわけて「終」と「活」の2つの分野に分類されます。

【終】:自分が亡くなったときに向けた準備
【活】:老後の人生をはつらつに過ごすための活動

まずは、自分が亡くなったあと家族が困らないよう「終」の分野から終活を始め、一通り決めてから「活」の分野に取り組めば、充実したセカンドライフが過ごしやすくなります。

終活には特別なルールや方法はなく、進め方は極めてシンプルです。

今回紹介する「やることリスト」を実行すれば、特別な知識がなくても誰でもスムーズに取り組めます。  

リスト①:エンディングノートの作成

最初に、エンディングノート(終活ノート)を作成します。

終活の最初にエンディングノートを書けば、自分のやるべきことが整理しやすくなり終活がスムーズに進められるためです エンディングノートとは、自分の人生を振り返り、万が一に備えて自身の思いや死後の希望、家族への思いなどをまとめた備忘録です。

遺言書のように法的な効力はないものの、自分の伝えたいことが、残された遺族に向け自由に書き残せます。
書き方や内容には決まりはなく、専用のノートや、スマホやパソコンのアプリなどに、以下のような内容を自由にまとめていきます。

  • 自分の基本情報:生年月日、本籍地、銀行口座やクレジットカード情報
  • 死後の希望:葬儀規模や内容・斎場・お墓・納骨
  • 資産状況:保険・預貯金・株式・不動産・借入状況など
  • 医療関係:病院、認知症になった時の対応、延命治療の有無、余命の告知
  • 死後連絡してほしい人:友人、同僚、恩師などの名前と連絡先
  • ペットのこと:死後どうしてほしいか
  • 家族へのメッセージ
  • 介護に関する希望:施設への入所、自宅介護
  • 遺言書の有無

【関連記事】エンディングノートとは?メリットや書き方のコツをご紹介  

リスト②:遺言状の作成

エンディングノートで自分自身のことを一通りまとめたら、遺言書を作成します。

遺言書とは、相続や財産分与に関する故人の遺志を示した公的書類で、エンディングノートと異なり法的な効力を持つのが特徴です。

死後のお金や財産に関しては法律で定めがあるため、生前に意思を示しておかないと、遺族間で相続トラブルが生じたり、自分の意向に沿った財産分与ができなかったりする場合があります。

遺言書は誰もが必ず用意すべきものではありませんが、自分の意向にそった相手に確実に財産を残したい場合には作成がおすすめです。

自分に万が一のことがあった場合に備え、なるべく早めに作成しておくとよいでしょう。  

遺言書作成の注意点

遺言書は、相続人に向けて自筆での作成も可能です。

ただし、民法の規定に基づき書き方や指定できる内容に定めがあるため、書類に不備があるとわざわざ用意しても無効になります。
また、自宅での遺言書の保管は、死後遺言書が発見されなかったり、内容を改ざんされたりといったリスクも生じます。
不安な場合は、財産に応じて手数料が発生しますが、公証役場の公証人立ち合いの元「公正証書遺言」の作成がおすすめです。  

リスト③:身の回りの整理整頓

自分の死後、遺族が遺品整理に困らないように、身の回りの持ち物や不用品を生前に整理しておきましょう。

病気や老衰により体が思うように動かなくなったり、判断力が衰えたりすると、スムーズに作業が進められなくなるため、元気なうちに早めにとりかかるのがおすすめです。
思い入れのある物の処分はなかなか進まない場合も多々ありますが、以下の手順ですすめればスムーズです。  

今必要なものを選別する

自分の持ち物を把握した上で、余生に必要なものと、今後も使わないものを分別します。
このとき「数年間使っていないものは捨てる」「壊れているものは捨てる」など、ある程度ルールを決めておけば作業の手がとまりにくく、スムーズに作業が進めやすくなります。  

作業範囲を決める

身の回りのものを一度に全て処分しようとすると、途中で疲れて挫折してしまうことも考えられます。
部屋、クローゼット、タンス、写真、アルバムなどその日に作業する範囲を決め、徐々に取り組んでいくとよいでしょう。  

お金や資産などの整理

身の回りの物を整理したら、銀行口座やクレジットカード、保険、株式などお金に関連するものの、見直し・整理も行いましょう。 長年使っていない銀行口座やクレジットカードは、早めに解約手続きをとっておけば万が一のとき遺族の負担が軽減されます。

また、生命保険の証書や不動産の権利証といった重要書類は、家族に保管場所を伝えたうえでまとめて保管しておけば、必要なときスムーズに使えます。
一通り身の回りを整理したら、持ち物やお金関係などについて家族に伝えておきたいことを、エンディングノートに転記しておくとよいでしょう。

【関連記事】終活はいつから始めるべき?早くから始めるメリットや、やるべきことをご紹介  

終活でよくある質問

終活において多い質問について、1つずつ回答していきます。  

質問①:そもそも終活とは?

終活とは、人生の最後を迎えるにあたり、自分の人生を振り返り、死と向き合いながら様々な準備を行う活動のことです。 終活の目的は個人により様々で、

  • 自分の死後周囲にめいわくをかけないようにしたい
  • 人生を振り返りセカンドライフを充実させたい
  • 遺産や相続の争いを避けたい
  • 葬儀やお墓に関する意思を伝えたい
  • 身の回りを整理したい
  • 介護が生じたときどうするか決めておきたい

など多岐にわたります。 日本人の平均寿命が延び、「人生100年時代」といわれる現代において、終活により自分を見つめ直すことは、充実したセカンドライフをおくるためのポジティブな準備期間として注目されています。  

質問②:終活の始め方を知りたい

終活は、思い立ったらすぐに始められます。

  • 定年を迎えた
  • 配偶者や友人が亡くなった
  • 子どもが独立した
  • 両親が亡くなった

など一般的には、人生に大きな変化があったタイミングで終活を意識する方が多い傾向ですが、始める時期には個人差があります。

なるべく早い時期に始めれば、終活にじっくり時間をかけられるため精神的なゆとりが生まれます。
また、老後の不安解消やセカンドライフの充実にもつながります。
 

まとめ

今回紹介した3つのやることリストにそって進めれば、特別な知識がない方でも今日からすぐに終活に取り組めます。

終活は、残された家族の負担を軽減したり、自分のセカンドライフを充実させたりなど様々なメリットがあります。
まずはエンディングノートの作成から取り組んでみてはいかがでしょうか?

もし、葬儀や相続、持ち物の生前整理など、終活でお困りのことが生じた場合はお気軽にご相談ください。  

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松田 大輔(まつだ だいすけ) 鈴鹿地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター