お葬式後について

永代供養の相場は?費用の内訳や注意点についても詳しく解説!

公開:2022.08.30

近年は核家族化や少子高齢化の影響に加え、お墓の費用を抑える目的で永代供養を選ぶ方が増えている傾向にあります。
永代供養とは、一般的なお墓での供養や納骨堂と何が違うのでしょうか。

今回は永代供養の概要、費用の内訳や永代供養を選ぶ際の注意点などについて解説します。

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永代供養とは?

永代供養とは、遺族のかわりに寺院や霊園などが供養をしてくれる埋葬方法のことです。
一般墓では、故人の遺族や近親者が供養や掃除のためにお墓参りを行います。
その供養や管理を寺院や霊園に任せることができるため、ご遺族や近親者はお墓参りをする必要がありません。
これはお墓を遺族に継承しないことを前提とした埋葬方法なので、これまでは身寄りのない方や子孫がいない方の供養として行われていました。

しかし近年はご遺族にお墓の管理で苦労させたくない、または費用を抑えることを目的として自ら永代供養を選ぶ方が増えています。  

納骨堂とは違う?

納骨堂とは、墓石を建てず屋内の専用スペースにご遺骨を安置するお墓のことです。
永代供養は埋葬方法であるのに対し、納骨堂はお墓の形式を指す言葉なので、そもそもカテゴリが異なります。

そのため、納骨堂によっては永代供養を行っているところもあれば、そうでないところもあります。  

永代供養のメリット・デメリット

永代供養のメリットは、以下の通りです。

  • 遺族がお墓の管理をしなくても良い
  • 一般的なお墓よりも費用を抑えられる

永代供養はお寺の住職や霊園の管理者にお墓の手入れを任せられるため、遺族が供養やお墓の管理に手間や時間をかける必要がありません。
また、初期費用・維持費用のどちらも一般墓より安くなるのもメリットです。

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 合祀すると遺骨を取り出せない
  • お墓を継承できない

永代供養は最終的に他の遺骨と合葬されるため、後から故人の遺骨を取り出せなくなります。
何らかの事情で分骨や改葬の必要が生じてもそれに対応できなくなるため、あらかじめ本当に合祀をして良いのか、慎重に検討しましょう。

また、永代供養はお墓に納骨できる人数が限られているため、何代にもわたってお墓を継承できません。  

永代供養墓の種類

永代供養におけるお墓は、主に以下の3種類があります。

  1. 単独墓:一般墓と同じく個別の墓石を建てて納骨するタイプ
  2. 集合墓:墓石や樹木など1つの礼拝シンボルを共有し、地下で個々に分かれたスペースに納骨するタイプ
  3. 合祀墓(共同墓):他の方と同じ場所に埋葬するタイプ

 

永代供養の相場は?

永代供養にかかる費用は、主に永代供養料・納骨料・刻字料という内訳で構成されています。
前項にて挙げた3種類のお墓における費用の相場は、以下の通りです。

  • 単独墓/約50万円~150万円+墓石料
  • 集合墓/約20万円~60万円
  • 合祀墓(共同墓)/約5万円~30万円

上記はあくまで目安であり、寺院や施設の充実度、遺骨を納める場所の面積によって費用は大きく異なります。  

永代供養にかかる費用の内訳

先述した、永代供養の費用総額を構成する3つの項目とは、具体的にどのような費用なのでしょうか。

ここでは、永代供養料・納骨料・刻字料とは何かを詳しく解説します。  

費用①:永代供養料

永代供養料とは遺骨の供養や管理を依頼するための費用で、これには遺骨を納める場所の費用も含まれています。
寺院や霊園によって仕組みは異なりますが、永代供養料を一括で支払ったあとは他の費用がかからない場合がほとんどです。

永代供養料は施設の設備充実度や使用する区画の面積に比例し、単独墓>集合墓>合祀墓の順に高くなります。  

費用②:納骨料

納骨料は、僧侶を呼んで法要を行う際にかかる費用です。 読経をしてもらったうえで遺骨を納めるため、お布施として僧侶に納骨料を支払います。
ただし寺院や霊園によっては、永代供養料の中に納骨料が含まれている場合もあります。

また、開眼供養や年忌法要を行う場合にも追加で費用がかかる可能性があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。  

費用③:刻字料

刻字料とは、墓誌などに故人の名前を刻むための費用です。
単独墓で墓石やプレートに刻字する場合は石才業者への依頼が必要であるため、比較的高額になります。

一方で集合墓や合祀墓などの礎(いしじ)に刻字する場合は、安価な費用に留まる傾向があます。
また刻字料も納骨料と同じく、寺院や霊園によって永代供養料の中に含まれていることがあります。  

永代供養を選択する際に意識しておきたいポイント

一口に永代供養と言っても、供養方法や納骨のされ方は寺院や霊園ごとに違います。
以下のポイントを意識しながら、可能な限り多くの寺院や霊園が提供しているプランを比較して選ぶことをおすすめします。  

ポイント①:遺骨は後から取り出せない

永代供養は永続的に供養されるわけではなく、もともと合祀墓でなくても一定期間を過ぎると最終的に合祀されるケースがほとんどです。

先ほどもデメリットとして挙げた通り、合祀されると後から特定の遺骨だけを取り出せません。
一般的な供養期間の目安は33回忌までとされており、それ以降も供養を継続したい場合は延長契約を結ぶか、新たな墓所を選ぶ必要があります。
このような特性を理解し、規定の供養期間が過ぎたらどのように対応するかを周りの家族や親族とよく相談しておきましょう。  

ポイント②:永代供養のセットプランがあるか

寺院や霊園によって提供しているプランは多種多様ですが、大きく分けると永代供養墓(合祀専用のお墓)・永代供養がセットになったお墓の2タイプがあります。
合祀専用のお墓は比較的費用を安く抑えられるほか、管理はすべて寺院や霊園に任せることが可能です。

一方で永代供養とお墓・納骨堂がセットになったプランは、既定の期間内であれば一般墓と同じようにお墓を使えます。
費用は高額となる傾向にありますが、より手厚く供養したい方は永代供養のセットプランがあるかを確認しておくと良いでしょう。  

ポイント③:維持費があるか

一般墓では継続的な維持費用として年間管理料を支払う必要がありますが、永代供養はかからないこともあります。
その場合はお墓に関わる費用を購入時に一括で支払えるため、金銭的な不安が残りません。

しかし寺院や霊園によっては、お墓の利用者が生前の間だけ年間管理料がかかるケースもあるため、プランの内容の中でもよく確認するべきポイントです。  

ポイント④:何人埋葬するか

合祀専用のお墓は1人あたりの金額が設定されているため、埋葬する人数の分だけ料金がかかります。
複数人で利用した場合、結果的にお墓を建てて供養したほうが総額を抑えられたということになる可能性もあり得ます。

また、永代供養のセットプランでも一度に埋葬できる人数は一般墓よりも限られています。
先に埋葬する人数を明確にして、セットプランを選ぶ場合は埋葬可能な人数も確認しておきましょう。  

ポイント⑤:宗派や供養の頻度

寺院や霊園は、それぞれ異なる頻度・異なる宗派に基づいた方法で永代供養を行っています。
特定の宗派を信仰している方は、検討中の寺院や霊園がその宗派に則った供養をしてくれるかどうかを確認しましょう。

【関連記事】戒名の値段相場は?宗派やランクごとに解説  

永代供養は保険の対象になる?

屋外に建てられることが多いお墓は、地震や豪雨による土砂崩れで破損するリスクと隣り合わせです。
万が一破損すれば、再び高額な費用を支払ってお墓の修繕を行う必要があります。
そのようなリスクの備えとして、住宅と同じく自然災害による損害を補償してくれる”お墓の保険”が存在します。 永代供養においても、単独墓で墓石を購入した場合は補償の対象となるため加入しておくと安心です。

ただし保険会社が行う耐震検査をクリアしないお墓は対象外となるため、新たに建てる際は石材店に相談して保険加入の条件を満たすように施工してもらいましょう。  

まとめ

永代供養にかかる費用は、主に永代供養料・納骨料・刻字料で構成されています。
費用の仕組みは寺院や霊園によって異なるため、事前によく調べたうえで検討することが大切です。

本記事でご紹介したポイントを踏まえながら、ご自身にとって後悔のない供養方法を選びましょう。

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藤田 悠(ふじた ゆう) 四日市地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター