身内の不幸とは?すべきことや電話・メール連絡時の言い方も例文付きで紹介
身内に不幸があると葬儀の喪主や親族は様々なことをやる必要がありますが、まずは関係者へ連絡を入れることが大切です。
この記事は身内の不幸とはどのようなときに使用する言葉なのか振り返りながら、喪主や家族が優先的にすべきことを解説します。
身内に不幸があった時の連絡方法や、言い方もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
身内の不幸とは
身内の不幸とは何か、基礎知識として以下の2つを解説します。
- 意味
- 期間
それぞれを詳しく見ていきましょう。
意味
身内の不幸は、家族や親しい親戚に事故や死去といった不幸な出来事が起きたことを意味します。
主に会社を休む必要があるときや、事前に予定していたイベントをキャンセルする場合に用いられます。
具体的な事情を詳しく説明せずに一般的な理由を示すことで、周囲からの詳細な質問を避けられるでしょう。
期間
身内が亡くなった日から四十九日法要が行われる前までの期間を、忌中といいます。
忌中では死の穢れを他人に移すことがないよう、できるだけ外部との接触を避けるべきとされていました。
現在は生活スタイルが変わったため、忌中も学校や仕事に行き、普段通りの食生活で過ごす場合が一般的です。
なお、忌中の期間は以下のように、宗教によって異なります。
- 仏教:49日
- 神道:50日
四十九日法要について振り返りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしててください。
【関連記事】四十九日法要とは?準備や当日の流れを解説|香典・お布施の金額相場も紹介
身内の不幸があった場合にすべきこと
身内に不幸があった場合にすべきことを、以下の2つの視点から解説します。
- 喪主
- 家族・親族
精神的にもつらい時期に行うことになるため、あらかじめやるべきことを理解しておくことが大切です。
喪主が優先的にやるべき3つのこと
喪主が優先的にやるべきことは、以下の3つです。
- 身内に不幸があったことを各所へ連絡する
- 葬儀を依頼する
- 菩提寺へ相談する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
喪主がやること①:身内に不幸があったことを各所へ連絡する
喪主は親族を代表し、他の親族や故人の友達・関係者などに訃報連絡をする必要があります。
原則として電話で連絡をしますが、親族や故人と親しい人以外には手紙やメールなどを使っても問題ありません。
なお、詳細は「身内の不幸があった場合の連絡方法」で紹介しますが、連絡する相手には優先順位があります。
混乱しないよう、あらかじめ「すぐに連絡する人」と「葬儀の日程が決定してから連絡する人」に分けてリストを作っておくとよいでしょう。
喪主がやること②:葬儀を依頼する
喪主は訃報連絡と並行して、葬儀の依頼も行います。
故人が亡くなったらすぐに葬儀社へ連絡し、ご遺体を安置所まで搬送してもらいましょう。
可能であれば、亡くなる前に葬儀社を決めておいた方がスムーズに進みます。
なお、亡くなってから葬儀が終わるまで段取りや必要手続きは葬儀社が整えてくれるため、担当者と相談しながら葬儀の内容を決めていきましょう。
後悔のないお別れをしたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】葬儀社の選び方のポイントを徹底解説
喪主がやること③:菩提寺へ連絡する
喪主は、通夜や葬儀など今後の日程を決めるためにも、できるだけ早く先祖代々お付き合いのある菩薩寺に連絡しましょう。
菩提寺とは、昔からの縁があり、ご先祖様のお墓があるお寺です。
菩提寺がある場合、そのお寺の僧侶に葬儀を執り行ってもらい、戒名を授けてもらうことが一般的です。
ただし、菩提寺に何度も連絡をすると業務の妨げになってしまいます。
何度も連絡しないよう、以下の伝えるべき内容を事前にまとめてから連絡するようにしましょう。
- 亡くなった方の名前
- 死亡日時
- 満年齢
- 生年月日
- お布施の金額 など
なお、斎奉閣では無料事前相談を実施しております。
菩提寺がない方や、葬儀の進め方に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
家族・親族が優先的にやるべき2つのこと
家族・親族が優先的にやるべきことは、以下の2つです。
- 会社や学校へ連絡する
- 忌引休暇を取得する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
家族・親族がやること①:会社や学校へ連絡する
身内に不幸があれば葬儀の手配・参列や喪に服す期間があるため、会社や学校を休む連絡が必要です。
とくに、会社勤めの方は進行中の仕事があると他の人への引き継ぎが発生します。
必要に応じて上司や同僚だけでなく、取引先にも早めに連絡をしましょう。
学校の場合は、保護者から担任の先生へ連絡をすることが一般的です。
家族・親族がやること②:忌引休暇を取得する
慶弔休暇とも呼ばれる忌引き休暇は、会社が福利厚生として用意している休暇制度のことです。
労働基準法で定められたものではないため、会社によっては休暇期間が異なる、あるいは制度そのものがない会社もあります。
なお、学校によっても忌引き休暇について対応は異なりますが、基本的には欠席扱いとならないことがほとんどです。
忌引休暇について振り返りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】忌引休暇とは?申請方法や取得可能日数などの疑問を解消!
【一覧表】身内の不幸があったときに必要な手続き
身内に不幸があったときに必要な手続きは、下表のとおりです。
手続きを進めるタイミング |
手続き例 |
身内の不幸があった当日 |
・死亡診断書の受取り |
身内の不幸があった翌日 |
・死亡届の提出 |
身内の不幸があった3日以降 |
・お葬式 |
身内の不幸があった14日以内 |
・住民票の抹消届 |
身内の不幸があった日から四十九日まで |
・健康保険の資格喪失届 |
速やかにすること |
・銀行・保険会社への連絡 |
ただし、死亡届や埋火葬許可申請の手続きは、葬儀社が代わりに行うのが一般的です。
各手続きの詳細について知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
【関連記事】親が亡くなったらすることリスト~手続きを時系列でご紹介~
身内の不幸があった場合の連絡方法
身内に不幸があった場合の連絡には、以下の3つのポイントがあります。
- 主な連絡手段
- 連絡する相手
- 連絡する内容
それぞれを詳しく見ていきましょう。
主な連絡手段
身内に不幸があった場合は、原則として電話で連絡をします。
とくに親族や故人と親しい人物にはすぐに電話をするべきですが、それ以外の人物であれば以下の方法で連絡を取っても良いでしょう。
- 手紙
- メール
- 死亡広告
- LINE
なお、LINEで訃報を伝えるのは、生前から使用していれば問題ありません。
ただし、普段LINEでやり取りしていない方や年配の方には、電話や書面で伝える方が無難です。
相手との関係性を考慮して、適切な連絡手段を選びましょう。
連絡する相手
連絡する相手について、以下の2パターンを紹介します。
- 親族や関係者に連絡する場合
- 会社に連絡する場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
親族や関係者に連絡する場合
身内に不幸があった場合の連絡は、以下の順で行います。
- 家族・親族
- 故人の友人や知人、会社・学校関係者
- 遺族の関係者
- 近所の人や自治会・町内会
親族については3親等までが目安ですが、故人が生前お世話になった人や親しい間柄だった人はその範囲外でも連絡がおすすめです。
また、遠方に住まう方には、お葬式への参列時における移動時間も考慮して早めに連絡をしましょう。
会社に連絡する場合
会社に身内の不幸を伝える際は、まず直属の上司に連絡するのが基本です。
早朝や深夜に身内の不幸を知り、すぐに電話をすることが難しい状況であればまずはメールで事情と休暇の希望を伝えます。
その後、電話ができる時間になったら改めて事情を説明し、忌引き休暇の期間を確認しましょう。
加えて、現在抱えている仕事についても報告し、急ぎの仕事があれば誰に引き継ぐか相談することが大切です。
連絡する内容
身内に不幸があった際の連絡では、主に以下の内容を伝えます。
- 故人の名前
- 喪主の名前や個人との関係性
- 亡くなった日
- 大まかな死因
- 喪主の連絡先
お葬式の日程が決まっている場合は、「通夜と告別式の日程・場所・様式」も付け加えましょう。
次項で具体的な言い方や例文も紹介するので、参考にしてみてください。
【連絡手段別】「身内の不幸があった」の言い方
身内に不幸があった場合の言い方について、以下の3パターンを紹介します。
- 電話
- メール
- LINE
それぞれを詳しく見ていきましょう。
言い方①:電話の場合
○○○○(故人)の長男○○(自分)です。 以前より入院していた父の○○が□□(死因)のため本日早朝に息を引き取りました。 遺体は□□に安置しております。 通夜は□□斎場で、明日×月×日××時から行います。 告別式は×月×日×時から同じ場所で、□□式(様式)で執り行う予定です。 何かございましたら、私にご連絡ください。 |
電話を取ってもらえなかった場合は、次項のメールなど代替手段を活用しましょう。
言い方②:メールの場合
訃報を伝える際には、対面や電話が最も丁寧とされていますが、以下の場面ではメールでも問題ありません。
- 近親者に電話がつながらなかった場合
- メール以外の連絡先が不明な場合
- 多くの人に訃報を伝える場合
- 海外在住など、電話が難しい相手への連絡 など
訃報メールを送る際は、件名に「訃報」と明記し、本文は簡潔にまとめることが大切です。
時候の挨拶を省いて、直接本題に入るようにしましょう。
具体的に、2パターンの例文を紹介します。
- 親族や関係者にメールする際の例文
- 職場への連絡などビジネスメールを送る際の例文
それぞれ詳しく見ていきましょう。
親族や関係者にメールする際の例文
タイトル:【訃報】○○逝去のおしらせ いつもお世話になっております。 ○○○○(故人)の長男○○(自分)です。 本日早朝未明に、父が□□(死因)のため××歳にて息を引き取りました。 通夜および葬儀・告別式は仏式にて下記の通り執り行います。 通夜:×月×日××時 |
家族葬により葬儀の参列を辞退する場合は、生前にお世話になったことへの感謝を述べてから以下のような文で辞退の旨を伝えましょう。
葬儀は故人の生前の意思により家族だけで執り行う予定です。 葬儀へのご参列、お供え、ご香典は失礼ながら辞退とさせていただきます。 |
職場への連絡などビジネスメールを送る際の例文
タイトル:【訃報】○○逝去のおしらせ お世話になっております。 突然のご連絡で恐縮ですが、本日午後、父が永眠いたしました。 以下の詳細をご報告申し上げます。 【死亡者】○○○○ なお、葬儀は近親者のみの家族葬として執り行う予定です。 詳細は以下の通りです。 【通夜】令和○年○月○日(○) 午後六時から ご厚志につきましては、大変恐縮ながら辞退させていただきます。 つきましては、慶弔休暇の取得をお願いしたく、○月○日から○月○日の間、休暇をいただければと思います。 明日の朝、改めてお電話いたします。 【連絡先】○○部 ○○課 ○○○○ |
なお、メールはいつ確認されるかわかりません。
仕事への影響を最小限にするためにも、迅速に連絡が取れる電話で伝えましょう。
言い方③:LINEの場合
突然のご連絡失礼いたします。 父、○○○○はかねてより入院加療中でしたが、本日早朝、享年○○歳で永眠いたしました。 生前のご厚誼に心から感謝申し上げます。 なお、通夜や葬儀の詳細については、追ってご連絡させていただきます。 |
家族や親族には、まず故人が亡くなったことをすぐにお知らせしましょう。
葬儀社と打ち合わせの後、場所や日時が決まり次第、改めて詳細をお知らせするメールを送ります。
なお、普段からLINEでやり取りしている友人でも、訃報を伝える際には、LINEスタンプや絵文字は避けたほうがよいでしょう。
身内に不幸があった方へかけるべき言葉とは?
身内に不幸があった方へかけるべき言葉として、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
- お悔やみの言葉
- 言ってはいけない言葉
それぞれを詳しく紹介します。
お悔やみの言葉
お悔やみの言葉は、できるだけ簡潔にまとめましょう。
遺族は多くの方に連絡をしなければならないため、長々と言葉をかければ疲れさせてしまうからです。
【お悔やみの言葉例】
- この度はお悔やみ申し上げます
- この度はご愁傷さまです
- ご冥福をお祈り申し上げます
- 哀悼の意を表します
お悔やみの言葉のマナーを知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】お悔やみの言葉とは?例文やマナー、正しい使い方をわかりやすく解説
言ってはいけない言葉
お悔やみの言葉をかける際、以下の忌み言葉を使わないように注意が必要です。
- 重なる
- 続く
- 再び
- 重ね言葉(たびたび、またまたなど)
- 生死を直接的に思わせる言葉(生きる、生存、死亡、四、九など)
上記に加え、故人の死因や病状の詳細を聞くことも控えましょう。
遺族にとって最もつらいときの状況を思い出させる可能性があるためです。
また、キリスト教や浄土真宗などの葬儀では「ご冥福」という言葉は教義にそぐわないため、使用を控えましょう。
身内の不幸に関するよくある質問
身内の不幸に関するよくある質問として、以下の3つを詳しく解説します。
- 忌中にやってはいけないこととは?
- 忌引き明け後の対応は?
- 身内の不幸を知らせてくれた方への返信方法は何が適切?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
質問①:忌中にやってはいけないこととは?
忌中の際、以下のことは控えておきましょう。
- お祝い事(結婚式や七五三など)の出席
- お酒の席やパーティーの参加
- 神社への参拝
- 新年のあいさつ
賑やかな席に参加する気分になれないという方はもちろん、悲しい気持ちを紛らわせたいと感じる方でも、忌中のお祝い事やお酒の席への参加は控えることをおすすめします。
忌中は他の参加者に気を遣わせる可能性があるだけでなく、お墓のことや必要な届出などで多忙な時期でもあります。
さらに、神社の参拝については、死は穢れという神道の考えを考慮して控えるべきとされています。
また、忌明け後であっても、喪中の場合は神社の参拝を控えることもあります。
身内が亡くなった日が年末近くまたは年末の場合は、新年のあいさつも控えて事前に年賀欠礼状を出しておきましょう。
質問②:忌引き明け後の対応は?
忌引き明けの対応は、感謝とお詫びの気持ちをしっかりと伝えることが重要です。
可能であれば、菓子折りなどを持参し、直接お礼を伝えましょう。
また、個人的に不祝儀をいただいた場合は、香典返しをする必要があります。
現在では、葬儀や通夜の際に3,000円程度の香典返しを行う「即日返し」が一般的です。
1万円程以上の金額を包んでいただいた場合は、個別に香典返しを行いましょう。
なお、会社名義での不祝儀については、多額であっても会社の規定に従ってください。
質問③:身内の不幸があった方への返信方法は何が適切?
返信方法は、以下のいずれもマナーを守れば問題ありません。
マナー |
|
対面 |
通夜や葬儀に参列した際に喪主や遺族に直接お悔やみを伝える |
電話 |
訃報を受けた電話でお悔やみの言葉を伝える |
メール |
早めに哀悼の意を伝える返信をする |
訃報を受け取ったら、できるだけ早くお悔やみの言葉を伝えるのが一般的です。
ただし、遅い時間帯にメールを受け取った場合は、翌日の午前中に返信するのが望ましいでしょう。
身内の不幸があった場合の対応について相談したい方は
身内に不幸があると、葬儀の準備や参列など、多くの手続きや対応が必要となります。
しかし、精神的にも辛い中で、何をどう進めるべきか悩むこともあるでしょう。
斎奉閣では、葬儀や終活に関する無料事前相談を実施しております。
葬儀の流れや手続きについての不安を解消し、故人と最後の時間を大切にしたい方は、お気軽にご相談ください。
まとめ:身内の不幸について
身内に不幸があると多くのことをこなす必要がありますが、中でも親族や故人の知り合い・関係者への連絡は重要な仕事です。
また、忌引き休暇の相談をするために学校や会社へ連絡する必要もあります。
落ち着かない気持ちのまま関係者一人ひとりに連絡することは簡単ではありませんが、可能であれば家族と役割分担をしつつ、着実に行動できるようにしておきましょう。
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この記事の監修者
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