墓石にはどんな文字を入れる?例や値段などについてもわかりやすく解説

公開:2023.11.15  更新:2024.02.16

墓石にはどんな文字を入れる?例や値段などについてもわかりやすく解説

墓石に刻む文字にルールはあるのか、どのような文字を刻むべきか悩んでいないでしょうか。

「〇〇家之墓」「南無妙法蓮華経」などの文字を見ることが多いものの、墓石に何を刻むかは、基本的に自由に決められます。

近年は刻む文字が変化し、故人の座右の銘や「ありがとう」などのメッセージを刻む墓石が増えてきました。

しかし、避けたほうが良い文字もあるため、慎重に決める必要があるでしょう。

この記事では、墓石に刻む文字や値段、文字の位置、彫刻の仕方について解説します。

具体的な文字の例についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼気軽にご相談ください。

墓石に刻む文字にはどんなものがある?

竿石

お寺や霊園によって、ルールが決められていることもありますが、基本的には自由です。その人らしい文字を選ぶとなじみます。

ただしヒット曲の歌詞は、著作権が絡むため避けたほうが良いでしょう。

ここでは、以下3つの例を解説します。

  1. 「ありがとう」などのメッセージ
  2. 「南無妙法蓮華経」などの宗派別の文字
  3. 「〇〇家之墓」などの一般的な文字

 

例①:「ありがとう」などのメッセージ

墓石に刻む文字は漢字だけに限りません。

感謝を表す言葉や、故人の人柄を表す言葉を刻むことで、その人らしいお墓になるでしょう。

代表的なメッセージとしては以下があります。

  • ありがとう
  • ほほえみ
  • やすらぎ
  • やすらかに
  • いつもそばに

メッセージは、和型墓石よりも洋型墓石の方が適しているでしょう。

お墓には故人だけでなく、家族も入ります。

これからお墓に入る予定の人のことも考え、家族全員が納得するメッセージを選択することが大切です。  

例②:「南無阿弥陀仏」などの宗派別の文字

墓石には題目や経文などを彫る場合があり、内容は宗派によって異なります。

代表的な宗派と題目や経文例は以下です。  

宗派 題目や経文例
天台宗 南無阿弥陀佛
真言宗 南無大師遍照金剛
日蓮宗 南無妙法蓮華経
禅宗 南無釈迦牟尼佛
浄土宗 南無阿弥陀佛
浄土真宗 南無阿弥陀佛、倶會一處
神道 〇〇家之奥都(津)城

  地域によっても異なるため、お寺の住職に聞いてみると良いでしょう。  

例③:「〇〇家之墓」などの一般的な文字

一般的によく見られるのは「〇〇家之墓」などの家名を刻んだ墓石です。

「〇〇家之墓」は、先ほどの「南無妙法蓮華経」などとは違い、宗派に限らず広く使われています。

しかし、宗派によって異なる言い回しもあります。

代表的な宗派との例は以下のようなものです。  

宗派 家名
天台宗 「〇〇家先祖代々」梵字には大日如来を表す梵字の「ア」を入れる
真言宗 「〇〇家先祖代々」梵字には大日如来を表す梵字の「ア」を入れる
日蓮宗 「〇〇家先祖代々」妙法蓮華経〇〇家
禅宗 「〇〇家先祖代々」頭に円相という丸い輪◯を入れる
浄土宗 「〇〇家先祖代々」梵字には阿弥陀如来を表す「キリーク」を入れる
神道 「〇〇家先祖代々霊位」「〇〇家之墓」

 

墓石に刻む文字について

光と書かれた墓石

墓石に刻む文字の位置も、特に決まりはありません。

文字の位置やフォントなどによって、お墓の見え方が異なります。

文字の内容だけでなく、位置やフォントにもこだわることで、想い入れの強いお墓になるでしょう。

墓石のデザインにおける文字に関する要素は、主に以下の3つです。

  1. 位置
  2. 彫り方
  3. フォント

 

要素①:位置

墓石の文字は、棹石(さおいし)に刻まれることが多い傾向にあります。

棹石とは「〇〇家之墓」などの文字が刻まれている、お墓の一番上に位置する墓石部分のことです。

棹石はそれぞれの面に文字が刻まれています。

各面に刻む標準的な事項は以下のようなものです。  

棹石の正面 題目 経文 家名
棹石の右側面 戒名 亡くなった年月日 享年
棹石の左側面 ①戒名 亡くなった年月日 享年   ②建立した人の名前 建立年月日
棹石の裏面 建立した人の名前

  「〇〇家之墓」などの文字は、棹石正面の中央に配置するとバランスが良く見え、読みやすくなります。

一方、意図的に文字位置をずらすと、デザインに変化やアクセントをつけることが可能です。  

要素②:彫り方

墓石の彫り方にはさまざまな種類があります。

故人のイメージに合わせて、ぴったりの彫り方を選びましょう。

4つの彫り方とそれぞれの特徴は以下の通りです。  

⦅彫り込み⦆ 彫り込みは、多く使われているスタンダードな彫り方です。筆を止める位置などを深く彫り込むことで、文字の立体感が表現できます。  

⦅平彫り⦆ 平彫りは、深さをつけず平らに彫る方法です。迫力はありませんが、落ち着いた雰囲気が表現できます。  

⦅線彫り⦆ 線彫りはスジ彫りとも呼ばれ、細い線を彫る方法です。立体感を出すことは難しいものの、繊細な表現ができます。  

⦅浮かし彫り⦆ 浮かし彫りは、周囲を彫って文字が浮き出すようにする方法です。しっかりと文字が浮かび上がり、見やすくなります。  

手彫りの彫刻方法のため、他の彫り方に比べて費用が高額です。

文字よりも、イラストによく利用される彫り方です。  

要素③:フォント

墓石に刻む文字でよく使われるフォントは5つあります。  

⦅ゴシック体⦆ ゴシック体はネットや資料などでよく使われるフォントで、文字の太さが均一です。日常生活でも目にする機会が多く、親しみやすさが感じられます。

  ⦅楷書体⦆ 楷書体は墓石の文字でよく使われます。とめ、はね、はらいなどがわかりやすく、読みやすいのが特長です。  

⦅行書体⦆ 行書体は楷書体をやや崩したような文字です。続けて書いたような筆跡ですが、読みづらさは少なく人気があります。  

⦅草書体⦆ 草書体は行書体をさらに崩したような文字です。行書体よりも読みづらいものの、流れるような美しさが感じられ、人気があります。 草書体のフォントは、ひらがなのメッセージに適しているでしょう。  

⦅隷書体⦆ 隷書体は、少し横長のフォントです。認印などでも使用され、安定感のある印象を与えてくれます。  

墓石の文字入れにかかる値段

財布

多くの場合、墓石の文字入れは石材店が担うでしょう。

業者ごとに値段が異なり、模様の有無や状況によっても差が出ます。

そのため、複数の業者に見積もりを依頼すると安心です。

予想以上にお金がかかってしまった、と後悔しないためにあらかじめ相場を把握しましょう。

ここからは、3つの文字入れのパターンと値段について解説します。

なお、霊園や墓地によっては、自由に業者を選べない場合があるため注意が必要です。

墓石の購入や建立は決められた石材店しか行えないところもあるため、事前に確認しておきましょう。  

パターン①:文字を追加、消す

墓石の文字を追加、消す場合の費用は、1人当たり5万円ほどです。

現場で彫るのが難しい場合は、別の場所に移動する必要があり、輸送費などが追加で発生する可能性があります。

また、棹石に追加で文字入れする場合は、魂抜きという供養が必要です。

魂抜きは、僧侶にお経をあげてもらいます。お布施は1〜3万円ほどが目安です。

【関連記事】お布施とは?ダメな金額や相場、渡すタイミングなどをわかりやすく解説

 

パターン②:基礎彫刻

基礎彫刻は家名や建立年月日、建立した人の名前などを彫刻する作業です。

基礎彫刻にかかる価格は、4〜10万円が相場になるでしょう。

なお、墓石のどの部分に彫刻するのかによって、価格が変動することがあります。  

パターン③:模様を刻む

墓石には、模様やイラストを刻むことも可能です。

墓石に刻む模様には、さくらや菊などの花や、鳥や猫などの動物があります。

模様を刻む場合の費用は、10〜20万円ほどが目安です。

文字の追加と同様に、現場で彫るのが難しい場合は、墓石を運ぶための運搬費用が追加で発生する可能性があります。  

墓石の文字入れでお困りの方は

墓の正面

お寺や霊園によって、ルールが決められていることもありますが、墓石の文字入れは基本的に自由です。

墓石の文字入れでお困りの方は、斎奉閣までお問い合わせください。

墓石のデザインや石種をうかがい、希望のお墓作りをサポートします。見積書・設計図面の作成は無料です。

また、改葬をお考えならメモリアルヒルズ四日市をご案内します。

ご予算に応じて、お客様のニーズにあったお墓を提案しますので、ぜひお問い合わせください。  

まとめ:墓石に刻む文字について

墓石

墓石に刻む文字は自由に刻めますが、ヒット曲の歌詞などは、著作権が絡むため避けたほうが良いでしょう。

お墓に入る予定の人たちのことも考え、家族全員が納得したメッセージを選択してください。

「ありがとう」などのメッセージ、「南無妙法蓮華経」などの宗派別の文字、「〇〇家之墓」などが一般的ですが、墓石に刻む文字は多種多様です。

文字のフォントや彫り方によって雰囲気がガラッと変わるため、その人にあったものを選ぶとしっくりなじみます。

斎奉閣では、65年の実績と豊富なノウハウに基づいた適切なサポートを提供しております。

無料事前相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。  

【関連記事】親が亡くなったらすることリスト~手続きを時系列でご紹介~

【関連記事】霊園とは?墓地や墓所との違いやお墓を建てる際の手順について解説

【関連記事】永代供養の相場は?費用の内訳や注意点についても詳しく解説!    

▼気軽にご相談ください。   この記事の監修者

松田裕介(まつだ ゆうすけ) 流通事業部・メモリアルヒルズ四日市 店長

葬儀・法事の知識