納骨式はいつ行う?準備や費用についてもわかりやすく解説

公開:2023.06.29  更新:2024.02.15

納骨式はいつ行う?準備や費用についてもわかりやすく解説 現代の日本で人が亡くなった場合、葬儀のあと火葬をし、遺骨を骨壷に納めるのが一般的です。 その骨壷をお墓に納めることを納骨式といい、故人を偲びながら供養する大切な儀式の一つとなっています。 しかし、納骨式に立ち会う機会は人生においてそれほど多くないため、具体的なことがよくわからない人も多いのではないでしょうか。 どのタイミングで納骨式を行うのか、具体的な流れはどのようなものか、当日に必要となる持ち物は何なのか。 理解しておくべきことはたくさんあります。 そこで、納骨式についての一通りの知識をわかりやすく解説します。 最後まで読むことで、必要な準備にかかる費用などについてもしっかり理解できるでしょう。

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納骨式とは

納骨式とは 納骨式とは、故人の遺骨をお墓などに埋葬する儀式のことです。 人が亡くなったときには葬儀を行い、その後、日本においてはほとんどの場合、遺体は火葬されることになります。 火葬した遺骨を参列者で拾い上げて骨壷に入れ、納骨式の日まで大切に保管。 そして、納骨式の日が来たら、お墓や納骨堂などに収めることになります。 納骨式は、それだけを単体で行うことはあまりありません。他の法要のときに、一緒に納骨も行うのが一般的です。 問題はどの法要と一緒に行うかですが、これについてはしっかりと決まっていません。 したがって、喪主は納骨式のスケジュールを具体的に決める必要があります。 参列したいと考えている人々は、案内状がいつ届いてもいいようにある程度余裕を持って待つことが求められます。  

納骨式はいつ行うの?

納骨式はいつ行うの? 前項でも解説した通り、具体的に納骨式をいつ行うかについては明確に定められてはいません。 したがって、既存の法要のどこかで、一緒に行うのが一般的です。 納骨式を伴う法要として代表的なのは、以下のようなものです。

  • 四十九日
  • 百箇日
  • 初盆
  • 一周忌

それぞれのケースについて、順番に解説します。  

四十九日

納骨式を一緒に行う法要としてもっともポピュラーなのは、四十九日法要です。 まず法要を終えて、そのまま納骨式につなげる流れが多く見られます。 四十九日法要とは、故人が亡くなった日から数えて49日目に行う法要のことです。 故人は亡くなったあと閻魔大王の裁きを受けているとされており、その結果が出るのが49日目であるといわれています。 故人の魂が少しでもよいところに旅立てるよう祈るのが、四十九日法要の意味です。 ※上記の解釈は宗派により異なります。 四十九日法要とともに納骨することは、故人が死後の世界へ旅立つタイミングで、現世の家から「死後の家」であるお墓や納骨堂に遺骨を移動させる意味があります。 ただし、四十九日法要とあわせて納骨するには、すでにお墓が用意されていることが必要です。 新しく墓石を購入した場合、早めに手配しても四十九日法要までには間に合わないことがほとんどでしょう。 【関連記事】四十九日法要とは?計算方法や香典、お布施の基礎知識を徹底解説  

百箇日

四十九日法要に納骨が間に合わなかったときには、百箇日に納骨するケースもよくあります。 百箇日にも法要が行われるので、そのタイミングにあわせて納骨式を済ませてしまう形式です。 百箇日は「卒哭忌(そっこくき)」という別名があり、遺族にとっては大きな意味のある日です。 「哭」は泣くことを意味しており、泣いて暮らす日々から卒業して、それぞれの生活に戻ろうという区切りの日と定められています。 遺族が気持ちの整理をつけるタイミングなので、故人の遺骨を自宅からお墓や納骨所に移動させるにはちょうどよいでしょう。 また、同様の理由から、形見分けや遺品整理も百箇日までに済ませるべきであるとされています。 故人が亡くなってから100日という時間経過は、残していたさまざまなことに決着をつけるのには、適した日数であると考えられるからです。  

初盆

初盆とは、故人がなくなってから初めて迎えるお盆のことです。 多くの場合、親戚や友人を招いて盛大な法要が行われます。 多くの関係者が一堂に集まるので、この初盆も納骨式を行うタイミングとして適しているといえるでしょう。 ちなみに忌明け前にお盆が来てしまった場合は、一般的に次の年のお盆を初盆として扱います。 しかし、地域や宗派によって慣習は異なるので、判断が難しい場合は菩提寺などに相談してみましょう。 【関連記事】初盆とは?新盆との違いや、お布施の金額相場、マナーをわかりやすく解説  

一周忌

故人がなくなってちょうど1年である一周忌のタイミングで納骨式を行うパターンもあります。 一周忌をもって喪が明けるので、大きな区切りとして遺骨をお墓や納骨堂に移すのは、妥当な行動であるといえるでしょう。 この一周忌までに、納骨式を済ませてしまうのが一般的です。 何らかの事情があって間に合わなかった場合にも、三回忌までには済ませてしまいましょう。 それ以上となると、いささか遺骨を手元に長く置きすぎるニュアンスになります。 もし手元に残したいという場合は、手元供養という方法もあります。  

納骨式を行うのに必要な準備

納骨式を行うのに必要な準備 納骨式にあたって必要な準備は、おおむね以下のようになります。

  • 納骨する場所を決める
  • 埋葬許可証を準備する
  • 参列者に連絡する
  • お花などのお供え物を用意する
  • 会食の準備をする

順番に見ていきましょう。  

納骨する場所を決める

まずは、骨壷を納める場所を決めます。 現在所有するお墓がなく、新しくお墓を構える必要があるときは、いくつかのお寺や霊園を見学して慎重に決めましょう。 納骨式までにお墓が間に合わない場合には、葬祭社や納骨堂など、遺骨を一時的に預かってくれる施設の利用をおすすめします。 突然の訃報で困っている遺族のためのサービスであり、預骨とも呼ばれています。  

埋葬許可証を準備する

遺骨をお墓に埋葬するには、埋葬許可証が必要です。 埋葬許可証は、お墓を管理する大人へ提出しなければいけません。 埋葬許可証は、遺骨を火葬したときに火葬場から受け取れます。 お寺に提出するまでに紛失しないよう、注意して保管しましょう。  

参列者に連絡する

納骨式を行う場所と日程が決まったら、参列する人々へ連絡します。 どの人物を参列者として選ぶかに決まりはありません。 少人数の場合は電話連絡などで問題ありませんが、大人数の場合は案内状を出しましょう。 案内状には、納骨式の日取りやお墓の場所、集合場所とそこまでの地図、差出人の連絡先などを記載します。 また、参加人数を把握する必要があるので、返信用のはがきを添えておくことを忘れないようにしましょう。  

お花などのお供え物を用意する

続いてお花などのお供え物を用意します。 お供え物としては、ほかにお菓子や果物なども候補として挙げられます。 お花の種類には特に決まりはありません。 ただし、トゲのあるバラや、花びらが取れやすいものは、縁起が悪いため避けておくのが賢明です。 お菓子を選ぶ場合には、賞味期限の長いものを選んでおくとよいでしょう。 しかし、地域や宗派によって決まっていることもあるので、お寺に確認しておいてください。 【関連記事】供花とは?意味や読み方、相場や種類をわかりやすく解説  

会食の準備をする

納骨式のあとに会食を用意している場合には、その準備もしておきましょう。 納骨式に参列する人数が把握できたら、お店を探して席や料理を予約します。 会食においては、席順に重要な意味があることに注意してください。 あくまでも一例ですが、上座には僧侶の席を設けます。 それに続いて施主や参列者が並び、親族は下座に座るようにします。  

納骨式の流れ

納骨式の流れ 納骨式のおおまかな流れは、以下の通りです。

  • 参列者への挨拶
  • 読経
  • 納骨
  • 2度目の読経
  • 焼香
  • 会食

一つひとつ見ていきましょう。  

参列者への挨拶

はじめに、施主が参列者に対して挨拶します。 足を運んでくれた親族や友人・知人、僧侶に感謝の気持ちを伝えましょう。 同時に、生前に故人がお世話を受けたことへのお礼や、遺族としての今の気持ち、法要が終わったあとの会食の案内などの情報も示しておきます。  

読経

納骨式が始まると、僧侶が読経を始めます。 通常はお墓の前で行われますが、室内へと移動して行われる場合もあります。 故人の冥福を祈るべく、参列者全員で供養します。  

納骨

一度目の読経が終わってから、遺骨の入った骨壷をお墓に納めます。 納骨式の開け閉めは、石材店の方にお任せするか、あるいは遺族の手によって行います。 お墓にもさまざまなタイプがあるので、それぞれに応じた適切な作業が必要です。 一般的には骨壷ごと納めますが、地域によっては骨壷から遺骨を取り出して埋葬することもあります。 自分の住んでいる地域の風習を、事前にしっかりと確認しておきましょう。  

2度目の読経

納骨が終わったら、再び僧侶に読経してもらいます。 2度目の読経は「納骨経」とも呼ばれ、故人の魂を宿して供養するという意味があります。 浄土真宗の場合は法要を同時に行うケースもあり、読経も場面ごとで異なります。  

焼香

読経中に、僧侶の指示に従って焼香を行います。 指示があるまでは勝手に動かないようにしてください。焼香は、施主・親族・一般参列者の順に行います。 具体的な時間は宗派によって異なりますが、だいたい30分から1時間程度を目安と考えておきましょう。  

会食

無事に納骨式が終わったら、僧侶も含めた参加者を招いて会食します。 お店に到着したら、まず施主が開式の挨拶をします。 このとき、お酒を器についで故人の位牌に向けておくのがマナーです。 挨拶では、参列いただいたお礼の気持ちや生前の故人の気持ち、遺族の今後の決意などを伝えます。 あまり長い挨拶は好まれないので、2分程度で済ませるのがよいでしょう。 会場では、宴会のように大声を出したり騒いだりすることはタブーであるとされています。 静かなトーンで故人の思い出などを語り合いましょう。  

納骨式にかかる費用

納骨式にかかる費用 納骨式にかかる費用は、すでにお墓を持っているか否かで大きく変わります。 お墓を所有しているのであれば高くても200,000円ほどですが、新しくお墓を建てる場合は1,000,000円単位の費用がプラスされるでしょう。 まず僧侶へのお布施は、一般的に30,000~50,000円ほどとされています。 次に会食費ですが、1人当たり5,000~10,000円を目安と考えておきましょう。 お供え物や供花は、全体で10,000円ほどと考えておくのが妥当です。 法要を行う際の使用料は10,000~30,000円ほど。納骨作業の費用は、だいたい5,000円です。  

まとめ

まとめ 納骨式についての一通りの知識を解説しました。 本文中でも触れた通り、納骨式をどのタイミングで行うかは正確に決まっていません。 現代人は忙しいので、遺族や参列者の都合をしっかりと考えたうえで、最適と思われる日取りを選ぶことが大切です。 しかし、少なくとも三回忌までには済ませるのが一般的となります。 それ以上長引いてしまうのは、故人への気持ちの整理をつける意味でも、あまり推奨されません。 この記事を参考にして、滞りなく納骨式を済ませられるようになっておきましょう。 また葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。 【関連記事】葬儀の流れを徹底解説!日程と費用もご紹介 【関連記事】家族葬の流れとは?通夜なしの流れや葬儀社の選び方を徹底解説 【関連記事】家族葬の服装やマナーについて立場別にわかりやすく解説   ▼気軽にご相談ください。   この記事の監修者

松田大輔(まつだ だいすけ) 鈴鹿地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター

お葬式後について