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家族葬と一日葬の違いは?費用や流れについて徹底解説

公開:2023.03.22

家族葬と一日葬の違いは?費用や流れについて徹底解説 近年では葬儀をおこなうにあたって、家族葬を選択するケースが増えてきました。
社会情勢やそのほかさまざまな事情から、多くの参列者を呼ばず家族だけでひっそりと故人を送り出したいという考え方が広まってきたからです。

同じく、一日葬と呼ばれる葬儀の形態も少しずつ広がりをみせています。

家族葬も一日葬も、共通するのは一般の葬儀と比べて簡潔かつ質素であること。
つまり一日葬もまた家族葬と同じく、現代の社会の流れに即したものとして人気を博していると推測されます。
しかし家族葬と一日葬では何が違うのか、具体的な定義がわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では家族葬と一日葬の違いをメインに、それぞれの費用や流れ、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

最後まで読むことで、家族葬と一日葬をどのように使い分ければよいか、ご自身の状況に最適な選択ができるようになるでしょう。

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家族葬と一日葬の違い

家族葬と一日葬の違い まずは家族葬と一日葬の具体的な違いについて解説します。

以下でそれぞれの詳細を見ていくので、「言葉だけ聞いたことがあるが細かいことは何も知らない」という方でも、お読みいただくことできちんと区別できるようになるでしょう。  

家族葬とは

家族葬とは、親子や兄妹姉妹などの家族を代表とする、ごく親しい者たちのみで執りおこなわれる葬儀のことです。
参列者を制限するため、必然的に葬儀の規模は一般葬と比べて小さなものになります。

家族葬という名前から「血の繋がりのある者しか参列できない」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、そういうわけではありません。
家族葬とはあくまでもごく親しい者たちのみで葬儀を執りおこなうことを意味する一種の比喩表現です。
少し血筋の離れた親戚や、血の繋がりのない友人であっても、参列することはあり得ます。

家族葬の参列者として誰を招くのかは、遺族によって決められるケースがほとんどです。
また生前の故人の希望により、特定の人物をお招きすることもあり得るでしょう。
家族葬についての具体的な情報は、以下のページを参考にしてください。

【関連ページ】家族葬とは  

一日葬とは

一日葬は文字通りの意味で、お通夜をおこなうことなく告別式と火葬を1日のうちに済ませてしまう葬儀の形態を指します。

いわゆる一般葬であれば1日目にお通夜をおこない、二日目に告別式と火葬をおこなうのが通常ですが、それを短縮したものが一日葬です。
一日葬はあくまでも葬儀自体を短縮するものであり、家族葬と違って参列者を制限するものではありません。
したがって1日だけとはいえ、葬儀の規模は一般葬と変わりないものになります。

一日葬についての具体的な情報は、以下のページを参考にしてください。

【関連記事】一日葬とは?メリット・デメリットや費用相場を徹底解説  

家族葬のメリット・デメリット

家族葬のメリット・デメリット 家族葬のメリット・デメリットはどのようなものなのか、具体的に見ていきましょう。  

メリット

家族葬のメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 遺族の負担が軽減される
  2. 通常の形式にとらわれず自由な葬儀ができる
  3. 新型コロナ対策としても有効である

家族葬はごく近しい方々のみを参列者として招いておこなう葬儀であるため、葬儀の規模が小さなものになります。
したがって葬儀会場もあまり大きなところを確保する必要がなくなります。
費用の面で負担が軽減されるのはいうまでもありません。

また近しい方々のみが参列するということは、必要以上に気を遣うことなく落ち着いた気持ちで故人とのお別れを済ませられるということでもあります。
悲しい気持ちを押し殺して見ず知らずの相手に礼を尽くす必要がないのも、負担軽減として大きいといえるでしょう。

次に家族葬はいわゆる赤の他人が存在しない儀式であるため、規定の形式にとらわれない自由な内容を選べます。
例えば故人が好きだった音楽を流しながら参列者同士で語り合うといった葬儀の形も許されます。

そして多くの参列者を招かないということは、近年猛威を振るっている新型コロナ対策としても有効です。  

【関連記事】コロナ禍での家族葬はどうなる?葬儀の流れや気をつけるポイントを紹介

デメリット

家族葬のデメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。

  1. 参列者を選別するのが難しい
  2. 葬儀のあとの弔問客対応が忙しいことがある

家族葬の特徴は、参列者をごく近しい者のみに限定することにあります。

参列者を選別することによってメリットが活きるのですが、具体的に誰を読んで誰を呼ばないのかを決めることの難しさは、家族葬のデメリットであるといえます。
たとえ遺族であっても、生前の故人が具体的にどのような人間関係を構築していたのか、すべてを把握することはできません。

親族以上に親しくしていた友人のことを知らず招待できなかった、といったことも考えられます。
また家族葬は参列者を限定することと引き換えに、葬儀が終わったあとの対応が大変になりがちという性質もあります。
葬儀のことを知らなかった故人の関係者が、あとから弔問客として多数やってくる可能性があるからです。

【関連記事】家族葬で起こる8つのトラブルとその対処法をわかりやすく解説 

一日葬のメリット・デメリット

一日葬のメリット・デメリット 一日葬のメリット・デメリットはどのようなものなのか、具体的に見ていきましょう。  

メリット

一日葬のメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 遺族の負担が軽減される
  2. 故人との最後の時間を余裕をもって過ごせる
  3. 参列する親族等の宿泊を心配する必要がない

一日葬は文字通りすべてを1日で完結させる葬儀の形式なので、2日かけておこなう一般的な葬儀と比べて明らかに負担は軽減されます。

仕事が忙しく2日休めなかったとしても、1日だけならなんとかなるという場合も多いでしょう。
また遺族がすでに高齢の場合、2日間に渡る葬儀は体力的に厳しいといった事情も考えられます。
一日葬はその意味でも負担が軽減されます。

次に、お通夜が省略されることにより、故人との最後の時間を余裕をもって過ごせる点もメリットであるといえるでしょう。

故人が亡くなった直後の1日を身内だけでゆっくり過ごすのは、一日葬ならではの時間の使い方です。
そして1日ですべての葬儀が終わるということは、参列する親族等の宿泊を心配する必要がないということでもあります。

遠くから参列いただいた親戚も日帰りで帰宅できるので、手間もコストも抑えることが可能となります。  

デメリット

一日葬のデメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. その日に予定がある方は参列できない
  2. 親族や宗教儀礼者の同意が必要になる
  3. 会場費が安くならない可能性もある

通常の葬儀であれば、2日間に渡っておこなわれるため「葬儀には参列できないがお通夜には顔を出せる」といった関わり方も可能となります。
しかし一日葬の場合、その日に予定のある方は残念ながら故人を送り出すことがかなわなくなってしまいます。
一日葬は比較的新しい葬儀のスタイルなので、場合によっては断られるかもしれません。

可能かどうか事前に菩提寺に相談するのがおすすめです。
また葬儀自体が1日しかないとはいえ、故人のご遺体を前日に運び入れるケースがあるため結果として2日分の会場費が必要になる可能性があります。

事前に葬儀会社に確認を取っておく必要があるでしょう。  

家族葬が向いている方

家族葬が向いている方 家族葬が向いているのは、主に精神的な負担を軽減させたいと考えている方です。

家族葬の特徴は、ごく親しい間柄の方のみを参列者として招くことにあり、金銭的なコスト以上に「気を遣わなくてよい」点が大きなメリットとなります。
また、身近な者たちだけでゆったりと送り出した方が故人も喜ぶと考えられる場合にも、家族葬を選択するのがよいでしょう。  

【関連記事】家族葬はどこまで呼ぶ?参列者の決め方や決める際の注意点をわかりやすく解説

一日葬が向いている方

一日葬が向いている方 一日葬が向いているのは、準備や葬儀費用など物理的な面でのコストを低く抑えたいと考えている方です。

一日葬は2日かけておこなう通常の葬儀を1日に短縮したものであり、参列者の範囲や気持ちの面では通常の葬儀と変わりありません。
したがって純粋にコストの問題として小規模な葬儀を執りおこないたい場合に、有力な選択肢となります。  

まとめ

まとめ 家族葬と一日葬の具体的な違いを解説するとともに、それぞれのメリット・デメリット、またどのような方に向いているかといったことを解説しました。

家族葬と一日葬も、通常の葬儀を小規模にした点は同じです。
しかし小規模にしたからといって、故人の存在を軽んじていることにはならないので安心してください。

大切なのは故人を送り出す気持ちです。 心を込めて執りおこなった葬儀は、たとえそれが家族葬や一日葬であっても大きな意味があります。

この記事を参考にして、都合にあった最適な葬儀の形態を選べるようになってください。
また葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。  
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松田大輔(まつだ だいすけ) 鈴鹿地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター