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福祉葬とは?条件や費用、葬儀の流れ、服装についてわかりやすく解説

公開:2024.02.29

福祉葬とは?条件や費用、葬儀の流れ、服装についてわかりやすく解説

福祉葬と聞いたことがあるものの、どんな葬儀なのか、費用や葬儀の流れなど、わからないことが多いのではないでしょうか。

福祉葬とは、生活困窮者を対象とした、搬送・納棺・火葬式のみのシンプルな葬儀です。

福祉葬の実施には、葬儀の前に葬祭扶助の承認を受けなければなりません。相談のタイミングが遅れれば、福祉葬が執り行えない恐れがあります。

この記事では、福祉葬の流れと費用について解説します。適用要件や火葬式の服装まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

また、斎奉閣では葬儀に関する無料事前相談が可能です。福祉葬を検討している方はぜひ、お問い合わせください。

▼気軽にご相談ください。

 

福祉葬とは?

福祉葬とは、生活に困窮している人を対象とした葬儀です。

生活保護法第十八条に定められた葬祭扶助(そうさいふじょ)を利用して葬儀をあげます。

葬祭扶助は、葬儀の終了後に葬儀社へ直接支給される補助金のため、申請者の費用負担や支給はありません。

福祉葬は、通夜や告別式などを行わず、棺に納めて火葬するまでを行います。

葬祭扶助は葬儀費用を潤沢にするための制度ではありません。

そのため、通夜や告別式などはせず、故人を棺へと納め、遺体を火葬するのに必要最低限な範囲内の葬儀を行います。

また、生活保護の受給者が住む地域で葬儀をあげなければ、葬祭扶助が適用されないため、福祉葬があげられません。

葬祭扶助の規定は、自治体により異なるため、葬儀の前に最寄りの自治体まで問い合わせてみましょう。

 

福祉葬が可能となる条件

福祉葬をあげられるのは、次のいずれかを満たす人のみです。

  • 故人が生活保護の受給者かつ身寄りがない
  • 生活保護を受給していた故人と生計を一にする喪主

上記の要件を満たしたうえで、葬儀の前までに、葬祭扶助の申請が承認された場合に福祉葬があげられます。

故人に身寄りがない場合、葬儀をあげるのが第三者になるケースもあるでしょう。

その場合は、民生委員・入所していた施設長など、第三者によって葬祭扶助を申請し、承認されれば福祉葬があげられます。

 

福祉葬が認められないケース

福祉葬は、生活困窮者を対象とした葬儀です。生活保護の受給者といえど、次の場合は福祉葬が認められません。

  • 故人に資産があるとき
  • 親族に葬祭の費用を負担できる人がいる

福祉葬は、葬儀費用の負担を軽減するために適用される葬儀です。そのため、葬儀費用を捻出できる場合は、適用外となります。

また、福祉葬で火葬のみを行い、親族が通夜・告別式にかかる費用を負担するケースも考えられるでしょう。

一部でも費用が負担できるのであれば、経済力があると判断され、福祉葬が認められないため、注意が必要です。

 

福祉葬で支給される費用は15~20万円程度

葬祭扶助の上限金額は、故人の年齢により異なります。

  • 12歳未満:164,000円まで
  • 12歳以上:206,000円まで

基本的には、支給される葬祭扶助の範囲内で福祉葬を行います。親族や第三者による負担はありません。

葬祭扶助でまかなえる費用の範囲は、次の通りです。

  • 死亡診断書(死体検案書)の発行
  • 病院または自宅から火葬場までの運送
  • (ご遺体を葬儀社や施設へ安置する場合)安置料
  • ご遺体の安置に使うドライアイス
  • 故人を納める棺
  • 火葬の費用
  • ご遺骨を納める骨壺

福祉葬の範囲は、棺に納めてから火葬するまでにかかる最低限の部分のみです。

ご遺骨を納めた骨壺をお墓へ納める費用は、葬祭扶助の対象外です。福祉葬を行う場合は、納骨方法についても別途検討しておきましょう。

 

福祉葬の流れ

福祉葬を実施するには、葬儀の前に葬祭扶助の承認を受けなければなりません。手続きが遅れると、福祉葬があげられなくなる恐れがあります。

確実に葬祭扶助の申請ができる様に、福祉葬の流れを把握しておきましょう。

 

流れ①:自治体へ連絡

福祉葬を行いたい場合は、最初に役所の福祉課・福祉事務所のケースワーカー・地域の民生委員のいずれかへ連絡をします。

故人が生活保護を受給している場合は、最寄りの市区町村でなければ福祉葬があげられないため、注意が必要です。

喪主と故人が別の地域に住んでいる場合は、喪主の住所地で葬祭扶助の申請をします。念のため、故人の自治体にも連絡しておくとよいでしょう。

自治体へ連絡すると、葬祭扶助の申請手続きや、以降の流れについて相談に乗ってもらえます。

 

流れ②:ご遺体を安置場所まで搬送

亡くなられた場所から安置場所までの搬送を担当するのは、葬儀社です。既に、搬送を依頼する葬儀社が決まっている場合は、自治体への連絡とあわせて、福祉葬を行いたい旨を葬儀社へ連絡しましょう。

葬儀社が決まっていない場合は、自治体から葬儀社を紹介もしくは連絡してもらえます。

自治体から葬儀社へ連絡した場合、葬祭扶助の申請や葬儀内容については、自治体と葬儀社でやりとりすることがほとんどです。

葬儀社は、安置場所まで搬送し、納棺まで済ませます。

 

流れ③:打ち合せ

納棺まで済ませたら、葬儀社と日程などを決める打ち合わせです。

故人に身寄りがない場合は、自治体の担当者と葬儀社で打ち合わせをする場合もあります。決める内容は、主に2点です。

  • 出棺する日時
  • 出棺する場所

福祉葬の範囲は、搬送・納棺・火葬が基本です。内容がほぼ決まっているため、通夜・告別式ほど考えなければならないことはありません。

しかし、花束を含めるなど、自治体により福祉葬の範囲はさまざまです。また、打ち合わせの時点で葬祭扶助の申請手続きを行う場合があります。

 

流れ④:火葬式を執り行う

福祉葬は、通夜・告別式を行わず、火葬式(直葬)のみです。福祉葬の場合においても、香典の受け取りやお墓への納骨をする場合があります。

香典は、そのまま受け取って問題ありません。所得として認定されないため、確定申告や役所への報告も不要です。

ただし香典返しの費用は、葬祭扶助の対象ではありません。香典返しの費用を捻出できない場合は、あらかじめ辞退することも検討しておくべきでしょう。

以下の記事では直葬について解説しています。直葬の概要についても解説しているので、参考にしてください。

【関連記事】直葬とは?メリットや後悔しないための注意点を徹底解説

 

福祉葬も他の葬儀と同じ様に喪服が基本

福祉葬の服装は、通夜・告別式など、一般的な葬儀と同様のマナーです。

ただし、家族などの少人数で行う場合が多いため、紺・グレーなどのダークスーツでも問題ありません。

男性・女性それぞれの喪服に関するルールを解説します。マナー違反にならないよう、喪服のルールを理解しておきましょう。

また、以下の記事では家族葬における服装について紹介しています。マナーを守り葬儀に参加しましょう。

【関連記事】家族葬の服装やマナーについて立場別にわかりやすく解説

 

男性の喪服に関するルール

男性は、ブラックスーツもしくは紺・グレーなどダークな色味のスーツを着用します。白いシャツに黒い無地のネクタイを着用し、光沢がある素材は避けましょう。

靴下と靴は、シンプルなデザインで光沢のない黒色のものを心がけ、靴の素材は、合成皮革か本革を選びます。

アクセサリーは、結婚指輪以外は一切身につけないのが望ましいマナーです。カフス・ネクタイピンなども着用しません。

なるべく地味な服装を心がけ、判断に迷う場合は、礼服を選ぶとよいでしょう。

 

女性の喪服に関するルール

女性の場合は、フォーマルスーツもしくはワンピースにジャケットを着用します。色は黒が基本ですが、無地で光沢のないものであれば、紺・グレーでも問題ありません。

洋服のデザインは、首元が詰まったもの、スカート丈はひざ下5cm以上を心がけます。

ストッキングは無地で、黒い薄手のものを選びましょう。寒い時期にタイツを履く場合は、30デニール程度の肌が透ける厚みが適しています。

靴は、黒色の飾りがない合成皮革または本革のパンプスを選び、ヒールの高さは3〜5cmです。

アクセサリーは、結婚指輪とパールのシンプルなデザインを選びます。

 

福祉葬を検討している方は

福祉葬は、自治体や葬儀社との連携が大切です。火葬の前に葬祭扶助の申請を終えなければ、福祉葬を執り行えません。

また、対応する範囲を理解しておかなければ、申請が通らないこともあるでしょう。

福祉葬をご検討の方は、生前のうちに斎奉閣までお問い合わせください。

福祉葬の準備や当日の流れなど、お住まいの地域にあわせたご案内をいたします。

また、納骨や香典返しなど、葬儀を終えたあとのお困りごとも、65年の実績と豊富なノウハウに基づいたサポートが可能です。

無料事前相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

三重県や三重県付近にお住いの方は、お近くの会館にお問い合わせいただくことも可能です。各会館ページを確認し、利用しやすい会館がないかチェックしてみましょう。

 

まとめ:福祉葬について

福祉葬は、生活に困窮している人が葬儀をあげるための制度です。生活保護法第十八条で定められています。

福祉葬を執り行うためには、事前に葬祭扶助の申請が必要です。申請が承認されて、はじめて福祉葬が執り行えます。

福祉葬の範囲は、遺体安置所への搬送や納棺から火葬までです。遺骨をお墓に入れる費用や香典返しは、葬祭扶助の対象ではないため、注意しなければなりません。

斎奉閣では、福祉葬に関するご相談も受け付けております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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▼気軽にご相談ください。

 

この記事の監修者

深田真毅(ふかだ まさき)津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター