家族葬で起こる8つのトラブルとその対処法をわかりやすく解説
近年では、ごく親しい間柄だけで葬儀を執り行う家族葬が人気を博しつつあります。
多くの葬儀会社が家族葬専用のプランを用意するようになり、知名度も高まってきました。
しかし比較的新しい形式であるため、家族葬ならではのトラブルも十分に考えられます。
何か問題が起きたときに素早く対処するためには、どのようなトラブルが考えられるかを、あらかじめ対策まで含めて把握しておくことが大切です。
この記事では家族葬で起こりうる代表的なトラブルを紹介し、その解決方法を解説します。
最後まで読むことで、より盤石の態勢で家族葬を執り行えるようになるでしょう。
目次
家族葬とは
家族葬とは、亡くなった人の家族や近親者といった近しい関係者のみが参列する少人数の葬儀形態のことです。
葬儀の基本的な流れは、一般的な葬儀と大きな違いはありません。
ここでは家族葬の基礎知識として、以下の2つを解説します。
- メリット・デメリット
- 費用相場
家族葬の準備について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】家族葬の準備とは?一般葬との違いや事前に準備するものをわかりやすく解説
メリット・デメリット
メリット |
デメリット |
・当日の参列者対応にかかる負担が少ない |
・連絡を近親者のみに限定すると、トラブルになるおそれがある |
家族葬は参列者が限られているため、当日の参列者対応にかかる負担が少なくなります。
親しい人々に囲まれたあたたかな雰囲気の中で、ゆっくりと故人への感謝の気持ちを伝えられるでしょう。
また、少人数で行う分、一般葬よりも全体的な費用を抑えられる可能性があります。
ただし、香典がほとんどないため、葬儀費用の負担がかえって大きくなるケースがある点は理解しておきましょう。
また、参列者を選ぶのが難しい点もデメリットです。
参列を希望していた人に連絡しなかった場合、トラブルになるリスクがあるため注意が必要です。
家族葬で起こりがちなトラブルのケースと回避方法は、後述の「家族葬で起こる8つのトラブルと回避方法」を参考にしてください。
費用相場
家族葬にかかる費用は、50万〜150万円と幅広くなっています。
主な費用の内訳は下記の通りです。
費用内訳 |
金額相場 |
基本料金 |
30万~50万円 |
お布施 |
20万~35万円 |
お料理 |
3,000~6,000円/人 |
なお、葬儀の基本料金に含まれるのは、主に以下の5つです。
- 搬送
- 安置
- 通夜
- 告別式
- 火葬
お布施は一般的には20万~35万円程度ですが、宗派や地域によって異なります。
自分たちが想定する葬儀にはどれくらいの費用がかかるか、葬儀社へ事前に確認しておくことが大切です。
葬儀費用における一般葬と家族葬の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】一般葬とは?家族葬との違いや費用相場を徹底解説
家族葬で起こる8つのトラブルと回避方法
家族葬で起こりうる代表的なトラブルとしては、以下の8つがあげられます。
- 葬儀の形式や内容に反対される
- 伝えなかったら親族から不満が出る
- 故人と仲が良かった友人に伝えない
- 伝えていない人が参列する
- 弔問対応が多い
- 香典を渡される
- 葬儀費用が想定よりかかってしまう
- お寺と葬儀に対する考え方が異なる
順番に見ていきましょう。
トラブル①:葬儀の形式や内容に反対される
「葬儀の形式や内容に反対される」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬は身近な人のみで執り行う葬儀であるため、多かれ少なかれ一般葬とは違いが表れます。
たとえば昔ながらの考え方を持っている方は「葬儀はもっと盛大に行うべき」「わずかな人間だけで故人を見送るのは気の毒だ」といった印象を持つかもしれません。
家族葬という形式に反対している身内がいるにもかかわらず、話し合うことなく家族葬を強行してしまうと、後々まで残る禍根となってしまう可能性があります。
回避方法
家族葬で済ませることだけでなく、その具体的な内容まで含めて、参列者には事前にしっかり伝えておきましょう。
- 家族葬はわずかな人数で執り行うからこそ、故人と親しかった人達だけでゆっくりと送り出せる
- 自由な形式で執り行えるので、生前に故人が求めていたやり方で送り出せる
上記のようなメリットをきちんと伝えれば、納得を得られることでしょう。
トラブル②:伝えなかったら親族から不満が出る
「伝えなかったら親族から不満が出る」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬は故人と親しかった間柄の方のみを参列者として招く葬儀ですが、親族であるにもかかわらず伝えなかった方から不満が出る可能性があります。
とくに血縁上の距離が同じであるにもかかわらず、片方を選んで片方を伝えなかった場合、伝えなかった側からは「なぜ自分は伝えたかったのだ」という不満が出ることは十分に考えられます。
葬儀は故人を送り出すだけでなく、親族との縁を取り持つ意味も持っている儀式なので、葬儀に伝えないことによるトラブルは想像以上に大きくなってしまいかねません。
回避方法
すでにトラブルがあって距離を置いている親族や、絶縁状態にある親族にを家族葬をに伝える必要はありません。
しかし今後も付き合いを続けるつもりのある親族であれば、参列者として招いておいたほうが無難であるといえるでしょう。
家族葬に誰を招くかはまったくの自由ですが、よくあるケースとしては、三親等以内の親族に声をかけておくやり方が挙げられます。
いずれにせよ親族関係については「同じ血縁的距離であれば同じように扱う」スタンスを持っておくのが無難です。
トラブル③:故人と仲が良かった友人に伝えない
「故人と仲が良かった友人に伝えない」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬は「家族」という言葉がついているため、血の繋がりのある者たちだけで行うイメージがあります。
ですが実際には故人と仲が良かった友人を参列者として招くケースも数多くあります。
故人が誰と仲良くしていたのかを、遺族がすべて把握するのは難しいことです。
結果として、生前に故人が「自分が死んだら葬儀に来てくれ」と約束していたのに招きそこねてしまった、といったトラブルが考えられます。
回避方法
家族葬を行うときに必須ともいえるのが、「誰に声をかけるのか」「どこまでの関係の人に伝えるのか」を明確にすることです。
特に故人の友人関係については、故人の持ち物などからできる限り正確に割り出し、適切な対処に努めましょう。
また故人が生前に作っていた遺言やエンディングノートが存在する場合には、故人の遺志を尊重する形で参列者を決めることをおすすめします。
葬儀の主役はあくまでも故人であることを忘れないことが大切です。
トラブル④:伝えていない人が参列する
「伝えていない人が参列する」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬はごく近しい者達だけで執り行う葬儀であり、参列者の人数をしっかり把握できるのがメリットの1つです。
しかし時として、葬儀を伝えなかった人が会場に現れ、参列を希望するケースもあります。
故人にお別れを告げたいという気持ちはありがたいのですが、座席や返礼品などは想定していた人数分しか用意していないのが通常です。
したがって急な参列者に対しては、思ったようなおもてなしができない可能性があります。
また家族葬のほかのメリットとして、参列者への対応が少なく負担が軽減できることが挙げられます。
伝えていない人がたくさん参列してしまうと、せっかくのメリットが失われてしまう点も問題であるといえるでしょう。
【関連記事】家族葬はどこまで呼ぶ?参列者の決め方や決める際の注意点をわかりやすく解説
回避方法
予想していなかった参列者が現れるトラブルは、葬儀を伝える人だけに訃報を伝えることで解決できます。
家族葬の場合、参列者として招く相手にだけ訃報を伝え、具体的な葬儀について記した案内状を送るのが一般的なやり方です。
反対に、町内の訃報回覧板などにおいて「葬儀は近親者のみで執り行います」とあらかじめ広めておく方法も考えられるでしょう。
参列者として招かれなかった方々には、葬儀が終わったあとに通知を送り、すでに葬儀が終わっている旨と、事後報告となってしまったことへの謝罪の気持ちを伝えるのが重要です。
トラブル⑤:弔問対応が多い
「弔問対応が多い」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬を終えたあとに、参列しなかった方々が弔問に訪れることがよくあります。
故人にお別れの挨拶をしたい気持ちは嬉しい一方、人数があまりに多くなると対応に苦慮することになります。
遺族の立場からすれば、身近な存在であった故人が亡くなり、悲しい気持ちを押し殺して家族葬の形で送り出したばかり。
少なからず疲労している状態で、改めて多くの弔問も逆に対応しなければならないのは大きな負担です。
回避方法
葬儀のあとの弔問客が多くなりそうなのであれば、後日改めてお別れ会を開催する旨を通知するのも有効な手段です。
お別れ会は葬儀とは違って形式にとらわれる必要がなく、また厳かな雰囲気でもないので、より気軽に実施できるでしょう。
お別れ会を開くのであれば、改めて物のやり取りが発生しないよう、通知の中に断り書きを含めておくことをおすすめします。
トラブル⑥:香典を渡される
「香典を渡される」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
一般的に葬儀といえば香典のやり取りをするのが普通ですが、家族葬の場合には香典を受け取りたくないと考える場合もあります。
香典を受け取ったらあとで香典返しをしなければならず、遺族にとってはそれが負担となり得るからです。
しかし実際に香典を渡されたときにその場で拒否するのは、抵抗感があると考える方も多いのではないでしょうか。
また香典を拒否された側も、失礼なことをされたと感じる可能性がないとはいえません。
回避方法
香典のやり取りをしたくない場合には、家族葬の通知するときに、香典を辞退する旨をあらかじめ記載しておきましょう。
同様に供物や供花を辞退したい場合にも、同じようにはっきりと意思を示しておくことが大切です。
事前の通知の中でしっかりと明記しているのであれば、当日うっかり香典を持ってきた参列者に対して受け取りを拒否しても、失礼にはあたりません。
トラブル⑦:葬儀費用が想定よりかかってしまう
「葬儀費用が想定よりかかってしまう」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬は参列者が少ない分、香典などから得られる収入があまり期待できません。
しかし葬儀内容をそれなりにしっかりしたものにすると、小規模で行った割に葬儀費用が想定よりかかってしまう可能性が考えられます。
結果として、遺族の持ち出しの割合が高くなってしまうことがあり得ます。
回避方法
家族葬に限ったことではありませんが、葬儀を行う際には事前にきちんと見積もりを取っておきましょう。
とくに家族葬の場合は参列者の方が把握できているので、おおまかな香典収入も事前に想定できます。
そこから逆算する形で、全体の葬儀費用について葬儀社とのあいだできちんと話を詰めておくことが重要です。
トラブル⑧:お寺と葬儀に対する考え方が異なる
「お寺と葬儀に対する考え方が異なる」の原因と回避方法は、それぞれ下記のとおりです。
原因
家族葬は比較的新しい形式の葬儀スタイルなので、お寺によってはあまり歓迎されない可能性もあります。
菩提寺には菩提寺のルールや慣習があるので、話し合いをすることなく家族葬を強行すると、後々大きなトラブルに発展してしまうかもしれません。
最悪の場合、法要や納骨を断られたり、いったんお墓に納めた骨を別の場所に移動しなければならなくなったりといったことが考えられます。
回避方法
家族葬にしたいと考えた時点で、その旨をお寺にしっかり相談してみましょう。
菩提寺としても、檀家とトラブルを起こすことは求めていないはずです。
事前にきちんと話を通しておけば、お寺側のしきたりと、自分たちが行いたい家族葬とのあいだのすり合わせが可能となります。
家族葬は信頼できる葬儀社で行おう
家族葬を問題なく執り行うために大切なのは、信頼のできる葬儀社に相談・依頼することです。
葬儀社とのあいだにしっかりとした意思疎通ができていれば、無用なトラブルの大半を避けられるでしょう。
弊社・斎奉閣では、家族葬専門のプランを用意しており、家族葬にありがちなトラブルを未然に防ぐノウハウを惜しみなくご提供しています。
詳しいことはぜひ家族葬のページを参考にしてみてください。
まとめ
家族葬において発生しうるトラブルと、その解決方法について解説しました。
家族葬は小規模な葬儀ですが、いわゆる一般葬ではなくあえて小規模な葬儀を行うというところで、他者とのトラブルが発生する可能性があります。
しかしそれらには対策がきちんと存在するので、あらかじめ知識として身につけておけば、未然に防ぐことは十分に可能でしょう。
この記事を参考にして、ぜひ問題なく家族葬を済ませられるようになってください。
また葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。
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