訃報の連絡はどこまで?方法別・相手別の文例や返信時のマナーも解説
訃報を受けると、覚悟していたとしても突然であれば、お別れを迎える哀しみで混乱するでしょう。
しかし、訃報はできるだけ迅速にお伝えする必要があります。
この記事では、訃報の基礎知識をはじめ、連絡する順番やタイミング、内容について詳しく解説します。
相手別の文例や返信時のマナーについてもあわせて紹介するので、ぜひご参考にしてください。
目次
訃報(ふほう)とは
訃報とは、人が亡くなったことを知らせる報を指します。
基本的に、喪主が中心となって連絡を行います。
一方、「悲報」という言葉もありますが、悲しい知らせ全般を指すため、人が亡くなった報に限りません。
亡くなったことを知らせる際は、「訃報」を使いましょう。
また、訃報は本来、葬儀の知らせではありません。
葬儀の詳細が未定であっても、亡くなったことだけでも取り急ぎお伝えするものです。
とはいえ、近年では訃報の際にすでに葬儀の会場や日程が決定していることも多いため、あわせて伝えるケースが増えています。
訃報の連絡はどこまでするべき?
訃報は、基本的に葬儀に参列してほしい人に連絡します。
とくに、以下の順番で進めるとスムーズです。
- 親族
- 葬儀社・お寺
- 故人の友人・知人・会社関係者 など
- 自身の会社関係者
- 自治体の代表者
なお、連絡の際は、相手に合わせて適切な方法を選び、迅速に伝えることが大切です。
すぐに伝えることが難しい場合は、特に親しい人や急ぎで知らせたい方を優先しましょう。
もし、親戚を呼ばない家族葬を検討している方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】家族葬に親戚を呼ばないメリット・デメリット|トラブルの回避方法も解説
訃報を連絡する相手一覧
訃報は、以下の5つのグループに伝えることが一般的です。
- 親族
- 故人の友人・知人
- 遺族が勤務している会社
- 町内会
- 葬儀社・お寺
それぞれを詳しく見ていきましょう。
連絡相手①:親族
故人から見て、以下の三親等あたりまでの親族です。
- 親
- 配偶者
- 子ども
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 甥姪
- いとこ など
同時に、故人と関係が深かった親族以外の人にも連絡をすると良いでしょう。
連絡相手②:故人の友人・知人・会社
生前に故人がお世話になった友人や知人、勤務先が親族の次にあたります。
友人や知人の連絡先を把握しにくい場合には、連絡が取れた人に共通の知り合いへの連絡をお願いすると良いでしょう。
連絡相手③:遺族が勤務している会社
次は遺族の勤務先です。
忌引きの手続きが必要となるため、早めに連絡することが大切です。
この際、まずは上司に連絡し、社内での手続きを依頼しましょう。
連絡相手④:町内会
地域でお世話になった人や自治会への連絡も必要です。
地域によっては普段親交がなくても葬儀に参列する風習があるため、速やかに連絡したほうが良いでしょう。
連絡相手⑤:お寺・葬儀社
まずは、お世話になっているお寺に連絡しましょう。
菩提寺がある場合は導師様にお経をお願いするため、早めに葬儀の日程を調整する必要があります。
導師様の都合に合わせて、スケジュールを組むことが大切です。
次に、葬儀社への連絡です。
事前に葬儀社を決めておくことで、万が一の時もスムーズに対応できるでしょう。
なお、斎奉閣では、遺族の負担を軽減するため「無料事前相談」を行っています。
複数のプランを比較し、最適な選択ができるようサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
訃報を連絡するタイミング
訃報を連絡するタイミングは、以下の2つの状況によって異なります。
- 家族や親戚に連絡する場合
- 会社やご近所などに連絡する場合
それぞれを詳しく見ていきましょう。
家族や親戚に連絡する場合
家族や親戚へは、ご遺体を自宅や葬儀場に安置したらすぐにお知らせしましょう。
特に、親しかった友人にお知らせしても良いタイミングです。
ただし、この時点では葬儀についての詳細が決まっていないことがほとんどです。
訃報と一緒に「詳細が決まったら改めてご連絡します」と伝えると良いでしょう。
会社やご近所などに連絡する場合
故人の職場やご近所などには、葬儀の段取りが決定してから伝えます。
地域によっては自治会への連絡も必要です。
また、故人やご遺族が「参列して欲しい」と思う人にも、このタイミングで連絡すると良いでしょう。
訃報の連絡方法
訃報の連絡は、主に以下の3つの方法があります。
- 電話
- 手紙
- SNS(メールやLINEなど)
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
連絡方法①:電話
電話はもっとも素早く、直接伝えられる方法です。
相手の反応をすぐに確認できるため、以下のような状況では、電話での連絡が適しています。
- 早めにお伝えしたい人
- どうしても直接お伝えしたい人
- メールやSNSでの連絡で見落とされたくない人
人数が多い場合は、数人の代表に訃報を伝えると良いでしょう。
代表者たちから、それぞれのコミュニティ内の共通の知り合いに伝えてもらうのも1つの方法です。
連絡方法②:手紙
手紙の多くは、葬儀の日程に間に合いません。
手紙で訃報を伝えるのであれば、以下の状況が適しています。
- 家族葬や直葬などで参列者が限られる場合
- すでに葬儀を終えた場合 など
死亡通知書という形でお知らせするとよいでしょう。
また、それほど故人と深いお付き合いでなければ、年賀状の時期に喪中のご挨拶を兼ねて、訃報をお伝えするのも1つの方法です。
喪中はがきの書き方について振り返りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみましょう。
【関連記事】【文例あり】喪中はがきの書き方を解説!喪中となる続柄や注意も紹介
連絡方法③:SNS(メールやLINEなど)
メールやLINEなどのSNSを使うと、一斉に送信できるため、スムーズに情報が伝わりやすくなります。
ただ、人によっては見落としたり、気付くのが遅れたりする可能性がある点も、考慮しておきましょう。
SNSで連絡する際には、個人同士でやり取りができるダイレクトメッセージの利用をおすすめします。
誰もが見られるタイムラインでのメッセージは、プライバシーが守られず、混乱を招く恐れがあるため、避けた方が良いでしょう。
訃報をお知らせする際に連絡する内容
訃報をお知らせする際は、以下のように短く要点を押さえた連絡が大切です。
- 電話主と故人の関係性
- 故人の氏名
- 故人の死亡日時
- 死因(簡潔に)
- 緊急連絡先 など
遠方にいる方には、移動時間を考慮して訪問先を指定するのが良いでしょう。
通夜や葬儀の詳細を一緒に伝える場合は、以下の内容についても伝えます。
- 通夜・葬儀の日程
- 会場
- 形式
- 香典や供花の対応 など
特に喪主の名前と関係は、弔電を送る際に必要な情報ですので、忘れずに伝えましょう。
家族葬を執り行う場合は、その旨を明確に伝え、混乱を避けるために葬儀後にハガキで通知書を送るのも1つの方法です。
訃報を連絡する際の文例
訃報を伝える際は、以下の方法に応じて使い分けることが大切です。
- 電話の場合
- 文章の場合(手紙・メール・LINEなど)
具体的な例文を参考に、相手や状況に応じて使い分けましょう。
なお、家族葬などで事後報告する場合の伝え方について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】家族葬を事後報告する時に使えるテンプレートと注意点について解説
電話の場合
電話で訃報を伝える際は、以下の相手に応じて内容を工夫しましょう。
- 親族へ連絡する際の文例
- 故人の友人・知人へ連絡する際の文例
- 会社へ連絡する際の文例
それぞれの文例を、詳しく見ていきましょう。
親族へ連絡する際の文例
親族へ連絡する際の例文は、以下のとおりです。
(故人)の夫(続柄)のAと申します。 通夜や葬儀につきましては、詳細が決まり次第、あらためてご連絡致します。 何かあれば(自分の電話番号)にご連絡ください。 |
訃報を受け取る側も感情的に辛いことが多く、長時間の電話は負担をかける可能性があります。
要点を簡潔に伝え、相手への配慮を心がけましょう。
故人の友人・知人へ連絡する際の文例
故人の友人・知人へ連絡する際の例文は、以下のとおりです。
(故人)の夫(続柄)のAと申します。 遺体は一度自宅へ連れ帰り、通夜や葬儀の詳細は追ってお知らせ致します。 何かあれば(自分の電話番号)にご連絡ください。 |
なお、葬儀についての詳細が決まり次第、あらためてもう一度連絡を入れます。
会社へ連絡する際の文例
会社へ連絡する際の例文は、以下のとおりです。
お世話になっております。○○部の夫(続柄)のAと申します。 通夜は○○斎場で、○月○日○時から執り行います。 お手数ですが、関係者の皆様にお知らせいただけますようお願い申し上げます。 何かございましたら(自分の電話番号)までご連絡ください。 |
なお、故人の職場へ連絡する時点で、葬儀の詳細が決まっていれば、以下の内容についても言及すると良いでしょう。
- 香典
- 供花
- 弔電 など
特に、家族葬や直葬などで辞退する意向の場合、職場が混乱しないよう、早めにお伝えすることが大切です。
弔電について振り返りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
【関連記事】弔電の送り方や文例、基本的なマナーをご紹介
文章の場合(手紙・メール・LINEなど)
文章の例文は、以下のとおりです。
かねてより入院しておりました(故人)が、○年○月○日に永眠いたしました。 通夜および葬儀は○○(仏式、神式など)にて、下記の日程で執り行います。 日時:○○ |
家族葬などで参列を辞退していただきたい場合には、以下の文を追加します。
なお、故人および家族の意向により、葬儀は家族のみで執り行うことにいたします。 ご参列やお供え物、ご香典につきましては、誠に恐縮ではございますが、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。 本来ならば直接お知らせすべきところ、メールでのご連絡となりましたことをご容赦ください。 |
参列者が混乱しないよう、必要な情報を漏れなく記載することが大切です。
メールの場合は件名に「訃報」を入れると、相手に気づいてもらいやすくなります。
【例文付き】訃報の連絡に対して返信する際のマナー
電話や対面では、「お悔やみを申し上げます」といった言葉で故人への哀悼の意を伝えます。
メールなどで訃報を受けた場合は返信も同じ方法で問題ありませんが、以下のマナーを守ることが大切です。
- 件名を明確にする
- 忌み言葉に注意する
- 時候の挨拶を省く
- 句読点を使用しない
- 返信不要の一言を添える
ただし、相手が手紙で訃報を送ってきた場合、メールやSNSでの返信は略式となり、マナーに反します。
不快感を与えないためにも、避けた方がよいでしょう。
メールなどで返信する場合の例文は、以下のとおりです。
件名: お悔やみ申し上げます ○○(名前) この度は、○○様(故人)のご逝去につきまして 突然の訃報に驚いております お忙しい日々かと存じますが、どうぞご自愛ください 何かお手伝いできることがあれば、いつでもご連絡ください 心よりご冥福をお祈り申し上げます ※このメールに返信は不要でございます |
長文ではなく、必要な情報を簡潔に伝えることが重要です。
真摯な気持ちを伝えることで、相手への配慮が感じられるでしょう。
まとめ:訃報の連絡について
訃報を伝えるときには、故人とお相手が生前どのような関係であったかが重要です。
優先順位の高い人から、速やかに連絡を入れましょう。
どのようなことを伝えれば良いのか迷うのであれば、ぜひ斎奉閣の無料事前相談ページをご覧ください。
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この記事の監修者
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