葬儀に参列する際のマナーとは?服装や香典のマナーを解説
「葬儀のマナーは細かすぎて分からない」「自分が知っている葬儀のマナーが正しいのか不安」 葬儀に参列するにあたり、マナーに関する疑問を持つ人は多いかもしれません。
この記事では、葬儀に参列するときの服装や香典、焼香、挨拶などのマナーを紹介します。
▼気軽にご相談ください。葬儀に参列する際の服装のマナー
葬儀の服装といえば喪服ですが、喪服には格式による違いがあります。
最も正式な正喪服とされる和装や男性のモーニングは、基本的に喪主や遺族が着るものです。
一般の参列者は、ブラックスーツやブラックフォーマルと呼ばれる準喪服を着用するのが基本とされます。
男性のブラックスーツは、黒色で光沢のない素材で作られたものです。
上着はシングルとダブルのどちらでも問題ありませんが、パンツは裾をシングルにします。
ワイシャツは、白色の無地でレギュラーカラーのものを選びましょう。
ネクタイやベルト、靴、靴下などの小物は黒色で統一し、靴は紐で結ぶタイプのものが原則です。
動物の革だと思わせる素材やデザインのベルトは避けます。
女性は、黒色のアンサンブルやワンピース、または黒色のスーツを着用します。
肌の露出に注意し、スカートは膝からふくらはぎくらいの丈がよいでしょう。 ストッキングは薄手で黒色が基本です。
かばんはエナメルや革素材ではない、黒色の光沢がないものを選びます。
靴も同様に光沢がない黒色で、ハイヒールやピンヒール、ミュールは避けます。
アクセサリーに関しては、重ねづけのデザイン以外で、真珠や黒曜石のものは可能です。 結婚指輪は派手でなければ問題ありません。
なお、急な訃報を聞いて通夜に参列するときは、黒や紺色などの華美でない色味であれば平服でよいとされています。
そして昨今、新型コロナウイルス流行下の日常生活では、マスクを着用することがマナーとなってきました。
葬儀も例外ではなく、葬儀社側からマスクの着用を呼びかけていることもあります。
葬儀で身につけるマスクの色柄については、定まったマナーが存在するわけではありません。
ただ、色柄が派手なものは避け、黒色ではなく白色のマスクを選んだほうが無難といえるでしょう。
葬儀に参列する際の香典のマナー
香典には、不祝儀袋の表書きや包む金額、渡し方など細かな作法が存在します。
不祝儀袋は、黒白か双銀の水引が一般的ですが、包む金額が5,000円以下であれば水引が印刷されているもので構いません。
また、不祝儀袋の表書きは、葬儀がどの宗教・宗派で行われるかによって違いがあります。
仏式では御香典の表書きが一般的に知られていますが、亡くなってすぐに仏になると考える浄土真宗では御仏前を用います。
キリスト教は御花料・献花料など、神式では御玉串料・御榊料などが表書きです。
事前に宗派が分からないときや無宗教葬の場合には、御霊前とするとよいでしょう。
そして、不祝儀袋の表面下部にはフルネームを記載します。
ほかの人と共同で香典を出すときには連名で書きます。
ただし、4人以上の場合は〇〇一同とし、誰からの香典なのか分かるように名前リストを同封しましょう。
ここまでの不祝儀袋表面の記載には、薄墨を用いるのが基本です。
薄墨で書くのは、「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」「墨をしっかりとすっている暇もなく駆けつけた」という意味合いからといわれています。
次に、中袋の裏面に記載するのが香典の金額・住所・氏名です。
香典の金額は一般的な漢数字ではなく、壱、参、萬などの大字(だいじ)を用いて書くのが正式とされています。
香典として包む金額は、故人との関係性や社会的な立場、地域の慣習によって異なります。
身内の葬儀であれば3~10万円、知人・友人や職場関係の葬儀では5,000円~1万円を目安にするとよいでしょう。
なお、新札は「葬儀のために準備した」というイメージがあるため使用しません。
万が一、新札しかなければ折り目をつけておけばよいでしょう。
香典を渡すタイミングは、葬儀会場で受付をするときです。
「この度はご愁傷様でございます」とお悔やみを伝え、持参した袱紗にのせて渡しましょう。
【関連記事】香典の金額の相場とは?故人との関係性や年齢別で解説
葬儀に参列する際の焼香と数珠のマナー
仏式で執り行われる葬儀では、僧侶が読経している間に焼香の案内があります。
焼香の主な流れは以下の通りです。
- 葬儀スタッフの案内があったら、焼香台まで進む
- 遺族・親族に一礼する
- 本尊・故人に一礼する
- 焼香・合掌
- 本尊・故人に一礼する
- 葬儀スタッフの誘導に従って着席もしくは退席する
焼香は、抹香を香炉にくべる回数や方法が宗派によって異なっています。
たとえば、真言宗では抹香を香炉にくべる回数は3回で、抹香を額まで持ち上げるように掲げてから香炉へ入れます。
浄土真宗本願寺派では、抹香を掲げることはせず、1回だけ香炉にくべるのが作法です。
焼香のやり方については、開式前にアナウンスされることもありますが、不安であれば葬儀会場の葬儀社スタッフにたずねるとよいでしょう。
また、多くの参列者が訪れる葬儀では、焼香を1回で済ませるようにアナウンスされる場合があります。
参列者全員が焼香できるように、指示に従うようにしましょう。
仏式の葬儀で持参するもののひとつに、数珠があります。 数珠は宗派によって形が異なるため、自分の宗派のものを持参すれば問題ありません。
どの宗派でも使用できる略式の数珠でもよいでしょう。
葬儀中には数珠を左の手首にかけておくのが基本ですが、持ち歩く際には房が下になるように左手で持ちます。
焼香のときの数珠の持ち方には宗派別に決まりがありますが、一般に使用されている略式の数珠では、左手の親指と人差し指の間にかけるようにします。
葬儀に参列する際の挨拶のマナー
葬儀に参列し、喪主や遺族に挨拶するときにも心がけておくべきマナーがあります。
基本的なお悔やみの言葉には、「この度はご愁傷様でございます」「お悔やみ申し上げます」などがあり、遺族への挨拶だけではなく受付でも同様にお悔やみを伝えます。
ただし、キリスト教では死は天に召される喜ぶべきものとされるため、一般的に使われるのは「安らかなお眠りをお祈りします」という挨拶です。
また、忌み言葉や重ね言葉にも注意しましょう。
縁起の悪いことを連想させるため、使用を避けるのが忌み言葉です。 不幸の連続を思わせる「追って」「引き続き」や、4や9などの不吉とされる数字、「死亡」「生きていたとき」などの直接的な表現をうっかり使わないようにします。
「たびたび」「くれぐれも」「かえすがえす」などの重ね言葉にも気をつけましょう。
葬儀に参列できない時のマナー
故人の遺族や親族から訃報を知らされた場合で、やむを得ず欠席するときは、手短に欠席理由を伝えましょう。
そのうえで、お悔やみの気持ちを伝える方法がいくつかあります。
香典を参列する人に預けたり、現金書留で送ったりすることがひとつの手段です。
香典を現金書留で送る際には、持参する場合と同様に香典袋に入れ、お悔やみの気持ちを伝える手紙をそえましょう。
送り先は遺族の自宅か葬儀会場となりますが、葬儀会場では現金書留を受けとれないこともあるため注意が必要です。
また、お悔やみの言葉を電報で伝える弔電も利用できます。
弔電のサービスを行っている会社では、あらかじめ文例が用意されているほか、台紙のデザインが選べたり、線香をセットにできたりします。
さらに、葬儀を担当している葬儀社に依頼し、葬儀会場に供花や供物を飾ってもらうという方法もあるでしょう。
葬儀後に弔問するときには、一般的に遺骨が自宅で安置されている四十九日までの間に、遺族の都合をきちんと確認してから訪問します。
まとめ
今回紹介したのは、葬儀に参列する際の一般的なマナーです。
宗教・宗派や地域の慣習でも異なる葬儀のマナーですが、大切な人を亡くした遺族の気持ちを考えた言動を心がけることが重要だといえます。
この記事を参考にして基本のマナーを確認し、故人との悔いのないお別れの時間を過ごしてください。
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