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葬儀屋と葬儀社の違いは?4つの種類や選ぶ際の注意点をわかりやすく解説

公開:2023.01.05
葬儀屋と葬儀社の違いは?4つの種類や選ぶ際の注意点をわかりやすく解説

身内が亡くなったとき、自分達だけで葬儀を執りおこなうのは困難です。

そこで葬儀屋・葬儀社と呼ばれるプロの業者にお願いをして、さまざまな手続きを代行してもらうのが一般的な習わしとなっています。

しかしここで「葬儀屋と葬儀社では何か違うのだろうか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

また具体的に、そういった業者がどのようなサービスを提供しているのか、どのような注意点があるのか、といったことも知っておきたいことでしょう。

この記事では、葬儀屋・葬儀社と呼ばれる業者の詳細をわかりやすく解説します。

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葬儀屋と葬儀社の違いは?

葬儀屋と葬儀社の違いは何か?結論からいうと、両者のあいだに違いはまったくありません。

同じタイプの業者を表現する言葉が複数あるだけのことです。ほかにも「葬儀会社」「葬儀店」といった呼び方が存在します。

どの呼び方で呼ばれている会社であれ、提供しているサービスは同様です。葬儀に関わるあらゆることをサポートしてくれます。

葬儀についての知識が一切ない方であっても、葬儀屋(あるいは葬儀社)にお願いすれば、一通りのことをすべて代行して執りおこなってくれます。

葬儀はもともと遺族や地域でおこなうものでしたが、時代の流れとともに難しくなっていきました。

結果として、専門的にサポートするサービスが発達してきたという流れがあります。

葬儀屋・葬儀社を経営する上で、国からの許可や資格を得たりする必要はありません。どのような会社でも葬儀屋・葬儀社を名乗れます。

そのためサービスの品質もピンキリであり、実績があって信頼のおけるところに依頼することが大切となります。

 

葬儀屋と葬儀社は4つに分類される

葬儀屋・葬儀社は、以下の4つのタイプに分類できます。

  1. 葬儀専門業者
  2. 葬儀仲介サービス業者
  3. 互助会
  4. 協同組合

それぞれに特徴があるので、順番に解説します。

 

分類①:葬儀専門業者

葬儀屋・葬儀社としてもっとも一般的なのが、葬儀専門業者です。葬儀サービスの提供を専門業務としており、自社で斎場を持っている業者もあります。

葬儀はお寺などでおこなうイメージがありますが、斎場を持っている業者に依頼する場合には、僧侶を斎場に呼んでお経をあげてもらうケースも多くみられます。

葬儀専門業者は、仕出し業者・ギフト会社・霊柩車の会社など葬儀に関連する他業者と連携し、葬儀のすべてを1つのパッケージとして提供していることがほとんどです。

葬儀に関わることすべての窓口となってくれるので、知識がなくて不安な方は葬儀専門業者に相談するのがよいでしょう。

 

分類②:葬儀仲介サービス業者

葬儀仲介サービス業者とは、提携している葬儀屋・葬儀社を紹介するサービスをおこなっている業者のことです。

自社では葬儀の実施をおこないません。

利用料はかからないことが多く、成約した葬儀屋・葬儀社から仲介手数料を受け取ることでビジネスを成立させています。

葬儀仲介サービス業者を利用する際には、口コミ評価を調べてみることをおすすめします。

全国展開している業者の場合、全国的にサービス内容が一律で、地域ごとの個別の事情に対応できない可能性がある点には注意してください。

 

分類③:互助会

互助会とは、一定の掛け金を前払金として払うことで、冠婚葬祭の際に割引などを受けられる会員制の業者のことです。

業者ごとに定められた掛け金に対し「月々いくらで何回払い」といった支払い方法を選択し、毎月払っていきます。

全額払い終えていない場合でも、差額を支払うことでサービスを利用できることもあります。

また掛け金だけで葬儀の全費用をまかなえるとは限らないので、どこまでサポートしてもらえるのか事前に確認しておきましょう。

【関連記事】互助会とは?メリット・デメリットや費用相場を徹底解説

 

分類④:協同組合

生協やJAといった協同組合が、組合会員向けのサービスの1つとして葬祭事業をおこなっている場合もあります。

専門業者と提携しているところや独立しているところなど、形式はいくつかありますが、多くの場合は専門業者に直接依頼するより安い価格で利用できます。

事前相談することや出資金を支払うことなど、一定の条件を満たせば会員でなくても利用できる場合があるので、組合会員以外も存在を覚えておくべきでしょう。

生協・JAどちらの場合も、業者によってサービス形態が違うので、詳しいサービス内容について事前に確認しておくとよいでしょう。

【関連記事】葬儀社の選び方のポイントを徹底解説

 

葬儀屋と葬儀社を選ぶ際の注意点4つ

葬儀屋・葬儀社を選ぶ際の注意点としては、以下の4つが挙げられます。

  1. 葬儀にかける予算
  2. 宗教や宗派
  3. 葬儀お知らせる人
  4. 葬儀場の場所や施設

順番にみていきましょう。

 

注意点①:葬儀にかける予算

葬儀にどれだけの予算をかけるのかは重要な問題です。

葬儀の規模や参列者の人数によって大きく異なるので、どのような葬儀をおこなうのかをイメージすることがまず大切となります。

葬儀にかかる費用は、飲食接待費用やお布施、斎場の利用料など多岐に渡ります。

すべてを含めてどれくらいの予算を確保するつもりなのか、あらかじめ決めておきましょう。

葬儀の規模がわかっていれば、葬儀屋・葬儀社に見積もりを依頼する際にもスムーズに話が進みます。

【関連記事】家族葬の費用相場とは?一般葬との費用比較や安く抑えるポイントを徹底解説

 

注意点②:宗教や宗派

葬儀をおこなうにあたって、宗教や宗派はとても重要です。

日本では葬儀のほとんどは仏式でおこなわれますが、故人の全員がそれを望んでいたとは限りませんし、同じ仏教であっても宗派によって葬儀の形は異なります。

また菩提寺がある場合には、葬儀も菩提寺に依頼するのが一般的な形式です。

菩提寺が遠方にある場合には実現させるのが難しくなりますが、それでも事前に意向を確認しておくことをおすすめします。

各宗派の流れやマナーは、カテゴリー別で紹介しております。

 

注意点③:葬儀を知らせる人

どれくらいの範囲の人に葬儀を知らせるのか、という点も大切なポイントです。

身内や親族・友人などだけで済ませる(家族葬)のか、それとも故人の仕事関係の人間に広く呼びかける(一般葬)のか。

スタンスによって葬儀の規模・内容・ふさわしい式場が変わります。

基本的には、故人の生前の希望を重視するのがよいでしょう。

故人の希望がわからない場合には、故人の社会的な地位などを考慮して範囲を決めるのが無難な方法です。

また地域との繋がりも考慮する必要があるでしょう。どの範囲まで知らせればよいか判断できない場合には、地域の葬儀社に相談することをおすすめします。

【関連記事】家族葬はどこまで呼ぶ?参列者の決め方や決める際の注意点をわかりやすく解説

 

注意点④:葬儀場の場所や施設

葬儀場の場所や施設を、さまざまな事情を考慮して決めるのも大切です。

たとえば参列者のほとんどが遠出することになるような場所を選ぶと、葬儀によってある種の迷惑をかけることにもなりかねません。

故人が地方から都会に出てきた人物であった場合などは、故人のそれまでの生き方を参考にして葬儀の場所を決めるとよいでしょう。

たとえば都会から出てきて間もなく亡くなった場合、葬儀は地元でおこなうのが適切であると考えられます。

 

葬儀屋と葬儀社のサービス内容を理解しておこう

葬儀屋・葬儀社のサービス内容としては、以下の5つが挙げられます。

  1. 遺体の引取・安置
  2. 葬儀プランの提案
  3. 葬儀の準備と当日のサポート
  4. 役所への手続き
  5. 葬儀後のサポート

上記のリストを見るだけでも、トータル的にサポートしてくれることがわかるのではないでしょうか。以下で1つ1つ解説します。

 

サービス①:遺体の引取・安置

故人のほとんどは病院で亡くなります。葬儀屋・葬儀社は専門車を使って、病院から自宅や会場へと遺体を運搬し安置します。

病院に安置しておけるのは半日程度であるため、亡くなったらまずは引取・安置を依頼する葬儀屋・葬儀社を探さなければいけません。

多くの場合は365日・24時間対応をしているので、休日や夜間であっても安心です。

遺体の引取・安置を依頼した業者に、そのまま葬儀まで依頼する必要はありません。

まずは遺体を安置し、落ち着いてから改めて葬儀を依頼する業者を選ぶのがよいでしょう。

 

サービス②:葬儀プランの提案

故人や遺族の意向を踏まえたうえで、どのような葬儀を実施するのが適切かといったプランを提案してくれます。

多くの業者では、葬儀に必要な項目がすべて1つのプランにまとまっていますが、一部のサービスが別料金になっている場合もあります。

葬儀プランに何が含まれていて何が含まれていないのか、細かいところまで事前に確認しておきましょう。

「葬儀費用一式」のような表現でまとめられている場合には、内訳をしっかり聞いておくことをおすすめします。

 

サービス③:葬儀の準備と当日のサポート

葬儀屋・葬儀社は、葬儀の準備と当日のサポートもしてくれます。

枕飾りの配置や各種手配、通夜・告別式の設営など、葬儀に関するほぼすべてがサポートの範囲内です。

「参列者が予定より大幅に増えてしまった」「香典返しが足りなくなった」といった突然のトラブルにも対応してもらえます。

 

サービス④:役所への手続き

火葬をおこなうためには、役所に死亡届を提出し火葬許可証を取得しなければいけません。

葬儀屋・葬儀社はこの火葬許可証の取得も代行してくれます。

ただし業者によっては追加料金となる可能性もあるので注意してください。

プランの提案を受ける際に、しっかり内訳を確認しておくことが大切であるのは、前述したとおりです。

 

サービス⑤:葬儀後のサポート

葬儀が終わった後にも、仏壇やお墓の手配・初七日・四十九日法要・一周忌法要など、残された者がやるべきことはたくさんあります。

葬儀屋・葬儀社の多くは、上記のような葬儀後におこなうべきもののサポートにも対応しています。

自社で対応していない場合には、提携会社を紹介してもらえるので、1から業者を探す手間はかからないと考えて問題ありません。

葬儀後のサポートについても、プランに含まれるのか追加料金になるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

葬儀の種類に合わせた業者に依頼しよう

葬儀には種類があるため、実行したい葬儀にあわせた業者を選ぶことが大切です。

業者によって得意とする葬儀の種類も異なるので、「自分たちのおこなうべき葬儀を理解してくれるか」をしっかり比較検討する必要があるでしょう。

自分の大切な方が亡くなった際に、なるべく納得できる形で送り出せるように、自分たちの実行したい葬儀にあわせて業者を選ぶことが重要になります。

斎奉閣では、家族葬や一般葬、社葬をご用意しておりますので、詳しくはご葬儀の種類をご覧ください。

 

まとめ

葬儀屋・葬儀社の具体的な種類や、どのようなサービスを提供してくれるのかといったことについて解説しました。

一般人が葬儀を執りおこなう立場になることはめったにないので、葬儀に慣れている方はほとんどいないでしょう。

そのため葬儀屋・葬儀社がトータルでサポートしてくれるのは、とても頼りになります。

この記事を参考にして、ぜひ適切な葬儀屋・葬儀社を選び、滞りなく葬儀をおこなえるようにしてください。

葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。

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この記事の監修者

竹森 資洋(たけもり たかひろ) 名張・伊賀地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター