葬儀の種類

直葬とは?メリットや後悔しないための注意点を徹底解説

公開:2022.02.17

直葬 とは 直葬はお通夜や告別式をおこなわず、亡くなられたら火葬のみをおこなうお見送りの方法です。
最近では直葬を選ぶ方も増えてきているようです。 直葬とはどのような方法なのでしょうか。

メリットや注意点など、詳しくご紹介します。

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直葬とは

直葬 とは 直葬はお通夜や告別式をおこなわず、火葬のみをおこなう葬儀を指します。
亡くなった場所(病院や施設)で24時間安置したあと、火葬場へお運びし、ご火葬へ入るスタイルです。

「火葬式」と呼ぶこともあります。 一般的な葬儀では、お通夜、告別式のあとに火葬をおこないます。
これは家族葬やほかの葬儀スタイルでもほぼ共通している流れでしょう。
直葬はそのような流れが省略されています。
ほかの葬儀では数日ほどの時間がかかりますが、直葬は長くても一日、早ければ数時間程度でのお見送りです。

参列する人数も限られます。お通夜や告別式、それに類する儀式を経た葬儀よりは少なくなります。 近い家族、親族が数人、参列します。 また、宗教儀式に関しても、一般的な葬儀と違う点が多く見られます。
お通夜や告別式がないのでそれは当然かもしれませんが、決して宗教儀式をおこなってはいけないというわけではありません。

お別れの場所になる火葬場で導師様に読経していただくことができます。
ただ、火葬場は葬儀施設ではなく公共施設にあたるため、読経の時間は約5分~10分程度になります。

火葬場ではなく、安置所で読経をしていただくこともできます。安置所での読経の時間は斎場に確認してください。
もしも火葬の前にお経を差し上げたいと思うのなら、葬儀会社に相談してみましょう。  

直葬のメリット

直葬の最大のメリットは、「一般的な葬儀よりも費用を抑えられる」点です。
「エンディングデータバンク」によると、直葬でかかる費用は平均32.7万円です。

一般的な葬儀では100万円前後、あるいはそれ以上が必要になることが多いため、直葬とくらべると金額差が大きくなります。
直葬が注目されるようになったのは宗教観の変化やライフスタイルの多様化がありますが、経済的な事情も関係していると言われています。

実際、かなり費用を抑えられるという点において、事情があるご家庭でもお見送りができるというのは大きなメリットではないでしょうか。
費用面以外にも、「参列者の対応をしなくて良い」という点が挙げられます。
核家族化・少子化が進む現代、ご遺族の手が足りなくなることも考えられます。
ただでさえ大切な人を亡くして気落ちしているときなのに、多くの参列者の対応をしなくてはならないのは、かなりのストレスが生じかねません。

社会生活の多様化が進む現代、直葬には選ばれる理由やメリットがあるということが分かります。  

直葬で後悔しないための注意点

直葬 注意点 直葬は従来の葬儀や昨今の新しいスタイルの葬儀とも違った性質だと感じる人も多いかもしれません。
もしも直葬を選択肢に入れる場合、後悔せずに故人のお見送りができるよう、注意しておきたい点をおさえておきましょう。  

ポイント①:お別れの時間

直葬は、故人とゆっくり過ごせる時間が短くなります。
一般的な葬儀ではお通夜、告別式と、どんなに短くても2日以上は一緒に過ごせるのですが、直葬はそれよりも短い時間です。

ご逝去から24時間で火葬できるようになるのですが、火葬場のスケジュールや役所の手続きが大きく関わるため、場合によっては24時間後すぐにお別れするケースもあり得ます。
もちろんご遺族のスケジュールも重視されますが、「思った以上に短い時間しか一緒にいられなかった」という可能性も考慮しておきましょう。  

ポイント②:周囲の理解

一般的な葬儀と異なる直葬は、周囲から理解を得られないことがあります。
とくに年配のご親族から心ない言葉を投げられ、哀しい思いをした経験を持つご遺族のお話も耳にします。
直葬は、まだ一般に充分理解されているとは言い難い一面があるため、知らない方は思わぬ無神経なことを口にするかもしれません。

トラブルや哀しい思いを避けるためには、事前に「直葬とはどういうものなのか」「なぜ直葬にしたのか」など、伝えられることは伝え、説明しておいたほうが良いでしょう。
ただ、苦情を言ってくる人はもしかすると「自分も参列して弔いたかった」という気持ちを持っているのかもしれません。

もしも、そのような気持ちを持つ人がいると予想できるのなら、ご自宅で弔問を受けられるようにしておくと理解を得やすくなるのではないでしょうか。  

ポイント③:菩提寺から納骨を断られることがある

ライフスタイルをはじめ、宗教観も多様化が進む現代ですが、まだまだ菩提寺と深い関わりを持っている方は多いでしょう。
年代層や地域によっては、「ゆりかごから墓場まで」のお付き合いも珍しくありません。

直葬はこの菩提寺とのお付き合いに影響を及ぼす可能性があります。
菩提寺から納骨を断られるケースがあるためです。
お寺にはお寺の考え方、方針があります。 長く続いた考え方や方針であり、新しい葬儀スタイルである直葬との馴染みがまだ薄く、理解が進んでいない一面があります。

たとえば「檀家の葬儀の際には読経や戒名がなくては…」と考える菩提寺があります。 直葬は読経を省略することも多く、戒名をつける手順もありません。
つまり、直葬ではその菩提寺の考えに添わないことになるわけです。

それが理由で菩提寺でご遺骨を引き取ることができず、代々のお墓に入れないというケースに至ってしまうのです。
もしもそのような心配があり、やはり菩提寺に納骨したいと思うのであれば、事前に菩提寺の住職と話し合っておきましょう。

直葬にするご事情、理由を説明し、理解を得ることが大切です。
また、読経や戒名は直葬でも追加オプションで実現できるケースも多々あります。
費用面は大きくなってしまいますが、検討できるようでしたら、まずは葬儀会社や菩提寺など、葬儀に詳しい方面へ相談しておくと良いでしょう。  

直葬のマナー

直葬 マナー 直葬は一般的な葬儀よりも時間が短く、顔を合わせる人も少ないため、気を楽にできる点が多いのは確かです。
しかしお別れの場である火葬場は公共施設にあたりますので、周囲の人のご迷惑にならない振る舞いが必要です。

服装は一般的な葬儀と同様です。男女ともに喪服やそれに類する服装を心掛けましょう。
香典はほとんどの直葬で不要の傾向です。限られた親族しか参列しないため、持参の必要がないと考える向きも多いようです。
ただ、香典をお持ちしてはいけないというわけではありません。
とくに親族以外の立場で参列するのであれば、一般的な葬儀と同様、香典をお持ちするとお悔やみの気持ちをお伝えできるでしょう。

香典を頂いたご遺族は、後日に香典返しをお送りしましょう。  

直葬の費用相場

直葬 費用相場 直葬はほかの葬儀と比較すると、費用を抑えられる特徴があります。
前述の通り、直葬の平均的な費用は32.7万円(エンディングデータバンク調べ)です。

どうしても読経をしたい、戒名をつけてあげたいと考えるのであれば、費用を上乗せしてオプションをプラスすることになるでしょう。
読経をしていただく導師様にはお布施として5万円~10万円をお渡しします。地域によって差がありますので、必要であれば事前に確認しましょう。

戒名は15万円~20万円からの地域が多いようです。
こちらも地域ごとの差があります。 あくまで平均として考え、葬儀会社や菩提寺に相談してみてください。

【参考】エンディングデータバンク  

まとめ

ライフスタイルの多様化により、直葬の選択も増えています。

従来の葬儀とは違う点が多いのも確かです。戸惑いや周囲の不理解に悩むことがあるかもしれませんが、分からないことは何でも葬儀会社に相談し、穏やかな気持ちで故人をお見送りしましょう。

直葬をお考えの方は、無料事前相談ページをご覧ください。

【参考】コロナ禍でのお別れ | 葬儀レポート
【参考】一般葬とは?家族葬との違いや費用相場を徹底解説
【参考】家族葬の費用相場とは?一般葬との費用比較や安く抑えるポイントを徹底解説

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中子靖広(なかこ やすひろ) 津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター