葬儀・法事の知識

身内の不幸があったら何をする?連絡方法や言い方などをわかりやすく解説

公開:2022.08.22

身内に不幸があると葬儀の喪主や親族は様々なことをやる必要がありますが、まずは関係者へ連絡を入れることが大切です。

今回は身内に不幸があった際にやるべきことをご紹介しつつ、連絡手段や連絡をする相手などについて解説します。

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身内の不幸があった場合に親族がすべきこととは?

身内に不幸があったら、葬儀の喪主や親族は以下のことを行います。

  • 親族や関係者に訃報連絡をする(喪主)
  • 会社・学校に連絡をする(親族)
  • 葬儀を依頼する(喪主)
  • 忌引き休暇を取得する(親族)
  • 必要な手続きを進める(喪主)

特に死亡診断書の受け取りや死亡届などの必要手続き、訃報連絡は迅速な対応が大切なので優先的に行いましょう。
それぞれ具体的にどう行えば良いのか、次項より詳しく解説していきます。

【関連記事】訃報の連絡とは?連絡すべき人や文例をご紹介  

やるべきこと①:身内に不幸があったことを連絡する

喪主は親族を代表し、他の親族や故人の友達・関係者などに訃報連絡をする必要があります。

原則として電話で連絡をしますが、親族や故人と親しい人以外には手紙やメールなどを使っても問題ありません。
なお、詳細は後述しますが、連絡する相手には優先順位があります。
混乱しないよう、あらかじめ「すぐに連絡する人」と「葬儀の日程が決定してから連絡する人」に分けてリストを作っておくと良いでしょう。  

やるべきこと②:会社・学校へ連絡する

身内に不幸があれば葬儀の手配・参列や喪に服す期間があるため、会社や学校を休む連絡が必要です。
特に会社勤めの方は進行中の仕事があると他の人への引き継ぎが発生します。

必要に応じて上司や同僚だけでなく、取引先にも早めに連絡をしましょう。
学校の場合は、保護者から担任の先生へ連絡をすることが一般的です。  

やるべきこと③:葬儀を依頼する

喪主は訃報連絡と並行して、葬儀の依頼も行います。
故人が亡くなったらすぐに葬儀社へ連絡し、ご遺体を安置所まで搬送してもらいましょう。

可能であれば、亡くなる前に葬儀社を決めておいた方がスムーズに進みます。

なお、亡くなってから葬儀が終わるまで段取りや必要手続きは葬儀社が整えてくれるため、担当者と相談しながら葬儀の内容を決めていきましょう。

【関連記事】葬儀社の選び方のポイントを徹底解説  

やるべきこと④:忌引休暇を取得する

慶弔休暇とも呼ばれる忌引き休暇は、会社が福利厚生として用意している休暇制度のことです。
労働基準法で定められたものではないため会社によっては休暇期間が異なったり、制度そのものがない会社もあります。
なお、学校によっても忌引き休暇について対応は異なりますが、基本的には欠席扱いとならないことがほとんどです。

【関連記事】忌引休暇とは?申請方法や取得可能日数などの疑問を解消!  

やるべきこと⑤:必要な手続きを進める

身内に不幸があると、数多くの手続きを進める必要があります。 亡くなってからすぐに行うべき手続きは、以下の通りです。

  • 死亡診断書の受け取り
  • 死亡届や埋火葬許可申請の提出
  • 年金受給停止手続き
  • 住民票の抹消届(死亡後14日以内)
  • 世帯主の変更届(死亡後14日以内)

ただし死亡届や埋火葬許可申請の提出は、一般的に葬儀社が代行して済ませます。

【関連記事】親が亡くなったらすることリスト~手続きを時系列でご紹介~  

身内の不幸があった場合の言い方・連絡方法

初めて喪主を務める方は、親族や故人の関係者へどのように連絡をすれば良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。
ここでは身内に不幸があった場合の連絡について、適した連絡方法・順番・言い方の解説をしていきます。  

主な連絡方法

先述の通り、身内に不幸があった場合は原則として電話で連絡をします。

特に親族や故人と親しい人物にはすぐに電話をするべきですが、それ以外の人物であれば以下の方法で連絡を取っても良いでしょう。

  • 手紙
  • メール
  • 死亡広告

 

連絡する順番

身内に不幸があった場合の連絡は、以下の順で行います。

  1. 家族・親族
  2. 故人の友人や知人、会社・学校関係者
  3. 遺族の関係者
  4. 近所の人や自治会・町内会

親族については3親等までが目安ですが、故人が生前お世話になった人や親しい間柄だった人はその範囲外でも連絡をするべきでしょう。
また、遠方に住まう方には、お葬式への参列時における移動時間も考慮して早めに連絡をしましょう。  

電話・メールでの言い方・例文

身内に不幸があった際の連絡では、主に以下の内容を伝えます。

  • 故人の名前
  • 喪主の名前や個人との関係性
  • 亡くなった日
  • 大まかな死因
  • 喪主の連絡先

お葬式の日程が決まっている場合は、「通夜と告別式の日程・場所・様式」も付け加えましょう。 具体的な言い方や例文もご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

【電話連絡の言い方例】
○○○○(故人)の長男○○(自分)です。以前より入院していた父の○○が□□(死因)のため本日早朝に息を引き取りました。
遺体は□□に安置しております。
通夜は□□斎場で、明日×月×日××時から行います。
告別式は×月×日×時から同じ場所で、□□式(様式)で執り行う予定です。
何かございましたら、私にご連絡ください。
電話番号は090-××××-××××です。

 

******

 

【メール連絡の例文】
タイトル:【訃報】○○逝去のおしらせ いつもお世話になっております。
○○○○(故人)の長男○○(自分)です。 突然のご連絡失礼いたします。
本日早朝未明に、父が□□(死因)のため××歳にて息を引き取りました。
生前のご厚誼に深く感謝し、謹んで通知申し上げます。
通夜および葬儀・告別式は仏式にて下記の通り執り行います。

通夜:×月×日××時
葬儀・告別式:×月×日×時
場所:□□斎場  

 

家族葬により葬儀の参列を辞退する場合は、生前にお世話になったことへの感謝を述べてから以下のような文で辞退の旨を伝えましょう。 葬儀は故人の生前の意思により家族だけで執り行う予定です。

葬儀へのご参列、お供え、ご香典は失礼ながら辞退とさせていただきます。 ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。  

身内の不幸を会社に伝える場合は誰に連絡すべき?

会社に身内の不幸を伝える場合、まずは直属の上司に連絡をしましょう。

メールで連絡する場合もありますが、基本的には電話で連絡することをおすすめします。
電話はすぐに連絡が付きやすく、仕事への影響を最小限に抑えられます。

ただし早朝や深夜に身内の不幸を知り、すぐに電話をすることが難しい状況であればまずはメールで事情と休みたい旨を伝えましょう。

その後、電話ができる時間になったら改めて事情を伝えます。
伝えるべき内容は前項と変わりませんが、加えて今自分が抱えている仕事について報告し、急ぎの仕事があれば誰に引き継ぎをするか相談をしましょう。
またここで、忌引き休暇の期間も同時に確認しておきます。  

「身内に不幸があった」はいつまで?

身内に不幸があったあとは、「忌中」という身を慎む期間になります。
この忌中はいつまで続くのでしょうか?
また、忌中では具体的にどんなことを避ければ良いのかを、以下より解説します。  

四十九日を過ぎるまでは忌中

身内が亡くなった日から四十九日法要が行われる前までの期間を、忌中といいます。

死の穢れを他人に移すことがないよう、できるだけ外部との接触を避けるべきとされる期間です。
昔は忌中となれば喪服を身に付けて家の門戸を閉じ、精進料理を食べて過ごしていました。
現在は生活スタイルが変わったため忌中も学校や仕事に行き、普段通りの食生活で過ごす場合が一般的です。

ただしすべての行動において普段通りでも良いというわけではなく、現在も忌中に控えるべき行動がいくつかあります。

【関連記事】四十九日法要とは?計算方法や香典、お布施の基礎知識を徹底解説  

忌中にやってはいけないこととは?

忌中の際、以下のことは控えておきましょう。

  • お祝い事(結婚式や七五三など)の出席
  • お酒の席やパーティーの参加
  • 神社への参拝
  • 新年のあいさつ

賑やかな席に参加する気分になれないという方はもちろん、悲しい気持ちを紛らわせたいと感じる方でも、忌中のお祝い事やお酒の席への参加は控えることをおすすめします。

忌中は他の参加者に気を遣わせる可能性があるだけでなく、お墓のことや必要な届出などで多忙な時期でもあります。
さらに神社の参拝については、死は穢れという神道の考えを考慮して控えるべきとされています。

また忌明け後であっても、喪中の場合は神社の参拝を控えることもあります。
身内が亡くなった日が年末近くまたは年末の場合は、新年のあいさつも控えて事前に年賀欠礼状を出しておきましょう。  

身内に不幸があった方へかけるべき言葉とは?

では、自分が誰かから身内の不幸について連絡を受けた場合、相手にどのような言葉をかけるべきでしょうか。

最後に、身内を亡くした方にかけるお悔やみの言葉、かけてはいけない言葉をご紹介します。  

お悔やみの言葉

お悔やみの言葉は、できるだけ簡潔にまとめましょう。
遺族は多くの方に連絡をしなければならないため、長々と言葉をかければ疲れさせてしまうからです。 【お悔やみの言葉例】

  • この度はお悔やみ申し上げます
  • この度はご愁傷さまです
  • ご冥福をお祈り申し上げます
  • 哀悼の意を表します

【関連記事】お悔やみの言葉とは?例文やマナー、正しい使い方をわかりやすく解説  

言ってはいけない言葉

お悔やみの言葉をかける際、以下の忌み言葉を使わないように注意が必要です。

  • 重なる
  • 続く
  • 再び
  • 重ね言葉(たびたび、またまたなど)
  • 生死を直接的に思わせる言葉(生きる、生存、死亡、四、九など)

上記に加え、故人の死因や病状の詳細を聞くことも控えましょう。
遺族にとって最もつらいときの状況を思い出させる可能性があるからです。

また、キリスト教や浄土真宗などの葬儀では「ご冥福」という言葉は教義にそぐわないため、使用を控えましょう。  

まとめ:身内の不幸について

身内に不幸があると多くのことをこなす必要がありますが、中でも親族や故人の知り合い・関係者への連絡は重要な仕事です。
また、忌引き休暇の相談をするために学校や会社へ連絡する必要もあります。

落ち着かない気持ちのまま関係者一人ひとりに連絡することは簡単ではありませんが、可能であれば家族と役割分担をしつつ、着実に行動できるようにしておきましょう。

葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。

▼気軽にご相談ください。     この記事の監修者

中子靖広(なかこ やすひろ) 津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター