葬儀の種類

音楽葬とは?流れや料金相場、注意点などを徹底解説

公開:2022.02.15

音楽葬 とは 宗教観や従来の形式にとらわれない葬儀スタイルのひとつである「音楽葬」。
ライフスタイルや価値観の多様化により、音楽葬を選択するケースも増えています。

本記事では音楽葬のメリットやデメリット、式の流れや料金相場などについて詳しくご紹介します。

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音楽葬とは

音楽葬 とは 音楽葬は特定の宗教観や伝統的な形式にとらわれず、音楽で故人らしさをしのびながらお見送りする葬儀スタイルです。
無宗教葬・自由葬とも呼ばれます。 宗教観にとらわれないとはいえ、無宗教の方のみができるというわけではありません。

生前に故人がご希望であったり、ご遺族が音楽葬にしたいとお考えであれば問題なくとりおこなえます。
また、葬儀中のセレモニーの一環として取り入れることもあります。

音楽葬では故人が生前にお好みだった曲を流したり、参列者が独唱や合唱を披露したり、楽団が生演奏を提供します。
音楽葬で流れた曲を耳にするたび、故人を思い出すかもしれません。

故人をしのぶという一面において、音楽葬はベターな選択のひとつだといえるでしょう。  

音楽葬のメリット・デメリット

音楽葬 曲目 一般的な葬儀に比べると、音楽葬はいまだ知名度が高いわけではありません。
分からない部分も多いのではないでしょうか。
ここでは音楽葬のメリットやデメリットについて見てみましょう。  

メリット

  1. 進行や装飾に柔軟性を持たせることができる 音楽葬は基本的に決まった形がありません。
    そのため、宗教儀礼をメインとした進行ではなく、故人やご遺族の希望を柔軟に反映できます。
    より思い出に残るスタイルで故人をお見送りできるでしょう。
    祭壇をはじめとした飾り付けの柔軟性が高いため、故人がお好きだった雰囲気や、ご遺族が「こうしてあげたい」と思う装飾や祭壇をご用意できます。 
  2. 参列者が故人を思い出しやすくなる 音楽は人の記憶に残ります。
    音楽葬で流れた曲は参列者の記憶に刻みつけられ、その曲を聴くたびに故人を思い出すでしょう。
    ご縁のあったかたを折に触れて思い出し、生前の笑顔をしのぶことができるのは嬉しいことです。 
  3. お布施が不要であることも多い 音楽葬は宗教観にとらわれないスタイルであるため、宗教関係者に来ていただかなくても葬儀ができる特徴があります。
    葬儀内容によっては一般葬では必要なお布施が不要になるケースもあります。  

デメリット

  1. 戸惑いを感じる可能性 従来の一般的な葬儀とは異なるため、音楽葬に参列した経験のない方は戸惑う可能性があります。
    「マナー違反をしては申し訳ない、どうしよう」という悩みやストレスに繋がるかもしれません。
    事前に音楽葬であることや、音楽葬とはどういうものであるのかを詳しく説明しておいたほうが良いでしょう。
    香典や供物・供花についても、ご遺族で方針があるのなら同時に記載しておくとより親切です。  
  2. 従来の葬儀を望むご遺族との意見の相違 音楽葬はまだまだ新しい葬儀スタイルです。
    ご年齢やお住まいの地域によっては、従来の葬儀のほうが良いと感じるご遺族・ご親族もいらっしゃるかもしれません。
    音楽葬がどのようなものであるのかを確認し、しっかりと話し合う必要があります。  
  3. 会場の問題 葬儀会場によっては、音楽葬に対応できない場所があります。
    複数の葬儀をおこなう会場では、音楽葬の音がほかの葬儀のご迷惑になってしまうと判断される可能性もあります。
    依頼する葬儀会社に相談すると、解決策を提案してもらえることもありますので、音楽葬を希望する際には早めの確認・相談がおすすめです。  

音楽葬の流れ(式次第)

音楽葬の式次第を見てみましょう。
一般的な葬儀とは異なる部分もありますが、故人をしのぶという点では何ら変わりません。  

お通夜

宗教観にとらわれない音楽葬でも、ほとんどの葬儀でお通夜がおこなわれます。
読経ではなく、献奏という形で音楽を流す形になります。

通夜開式から献奏、喪主のご挨拶、通夜閉式という流れが音楽葬ではよく見られます。読経や焼香がないのが一般的な葬儀との違いです。  

告別式

告別式は通夜と同じく、流れそのものは一般的な葬儀と変わりません。
音楽葬の独特の流れは、式の間はずっと音楽が流れていたり、もしくは弔電や献花、故人の思い出をしのぶときに曲が流れるという点です。 このときにも読経をはじめとした宗教的な儀式はないのですが、宗教色を取り入れた音楽葬の場合にはその限りではありません。

宗教色を取り入れつつ、柔軟なセレモニーをとりおこなえるのが音楽葬の大きな特徴です。  

音楽葬で流す曲目

音楽葬の重要な項目といえば、やはり会場で流せる楽曲です。
音楽葬ではさまざまな音楽が選択できます。
故人が生前に好んだ曲をはじめ、クラシック、ポピュラーソング、叙述曲など幅広いジャンルの曲を流せます。

「別れの曲」「レクイエム」などは有名ですね。
曲はCDで流すこともあれば、楽団の生演奏のこともあります。  

音楽葬の料金相場

音楽葬 費用 音楽葬に必要な費用は、葬儀の規模や内容で異なります。

葬儀の規模が大きくなればなるほど、必要な費用も増えることは確かです。
いまだ新しいスタイルの葬儀であるため、費用には幅があり、一概に算出するのは難しくなっています。

また、曲の流し方によっても料金が変動します。プロの演奏家への依頼は高額になる傾向です。CDで流す場合は費用を抑えやすくなります。
つまり、音楽葬の平均費用はかなり幅が広いと言えます。
10万円で済むことがあれば、50万円、100万円、あるいはそれ以上かかることもあるでしょう。
一概に料金相場を出すことが難しい種類の葬儀スタイルです。
依頼する葬儀会社に詳しい説明を受けましょう。  

音楽葬のマナーや注意点

音楽葬 注意点 柔軟性が高い音楽葬ですが、やはり守りたいマナーや注意点があります。

喪主側、参列する側それぞれが穏やかな気持ちで故人をお見送りできるよう、気を遣うべきところでは注意しましょう。  

音楽葬のマナー

音楽が重要な役割を果たす音楽葬では、会場で長い時間、楽曲が流れることになります。

選曲に、気を配りましょう。
たとえばずっと同じ曲を流すようなことになれば、参列者は気になってしまいます。

人によってはうんざりしてしまうかもしれません。また、おごそかな空気を乱すような選曲は悪印象を招くおそれがあります。
「場に適した楽曲を用意する」「同じ曲ばかりにならない」こと、そして「遺族の好みばかりを優先しない」ことも大切です。

ご遺族にもお好みの音楽があるのは当然ですが、やはり音楽葬は故人をしのぶ時間です。
故人を思い出せるような曲、故人がお好きだった曲を取り入れた選曲が理想ではないでしょうか。  

音楽葬で流す曲目の著作権

音楽葬をおこなう際、必ずチェックしたいのが著作権に関する問題です。
音楽葬で使う楽曲によっては著作権が発生します。
JASRAC(日本音楽著作権協会)に登録されている楽曲であれば、著作権使用料を支払わなければいけません。

この著作権は、「CDを流す」「生演奏をする」のどちらでも「演奏権」として発生します。
例外として、自宅での葬儀、かつ喪主が演奏する場合にはその限りではありません。
著作権が発生する楽曲かどうかは分かりにくいため、葬儀会社に対応を任せましょう。

音楽葬を取り扱う葬儀会社は慣れていますので、事前にしっかり確認してもらえます。  

まとめ

音楽葬は現代ならではの葬儀スタイルです。
一般的な葬儀よりも自由度が高いため、より故人を思った葬儀ができるメリットがあります。

従来のスタイルにとらわれず、楽曲で故人をしのぶことができるのは、音楽葬ならではといえるでしょう。

斎奉閣では音楽葬のご相談を承っておりますので、お悩みの方は無料事前相談ページをご覧ください。  

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松田大輔(まつだ だいすけ) 鈴鹿地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター