【一覧表】香典の金額相場|親族・会社など故人との関係性別や法要別に解説
葬儀に参列する際に、持参するものとして「香典」があります。
香典を準備するにあたり、「そもそもなぜ香典を渡すのか」「いくらお渡しすればよいのだろうか」「お渡しする際のマナーはあるか」などと、疑問や不安を抱く方も多いでしょう。
この記事では、故人との関係性や法要別に香典の金額相場を解説します。
香典の意味合いや、葬儀で失礼のない立ち居振る舞いなどもまとめているので、基本のマナーを知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
香典の金額相場に関する基本的な考え方
葬儀でお渡しする香典には、以下に挙げる3つの意味があります。
- 故人の霊前に供えるお香や線香代
- 遺族に対する弔い(とむらい)の気持ち
- 葬儀費用を少しでも補うお金
香典は元々死者の霊前に備える「お香」を意味していましたが、その後、お香や線香の代わりに現金を包むようになりました。
仏式の葬儀では、焼香を行う際にお香や線香を使います。
香典とは、その使用料として、参列者がお金を不祝儀袋に包んでお渡しすることです。
また、遺族に対する弔いの気持ちや葬儀費用の足しになるお金といった意味合いもあります。
なお、香典に包む金額は、故人との関係性やご自身の年齢によって変わります。
香典の金額に関する基本的なマナーは、以下のとおりです。
- 偶数は避ける
- 奇数でも9(苦)は避ける
したがって、1万円や3万円など、1・3・5の数字からいずれかを選ぶのが一般的です。
【親族のお葬式】香典の金額相場
親族の葬儀における香典の金額相場は、下表のとおりです。
亡くなった方 |
香典を包む側の年代 |
||
20代 |
30代~40代 |
50代~60代以上 |
|
両親 |
3万円~10万円 |
5万円~10万円 |
10万円 |
祖父母 |
1万円〜3万円 |
1万円〜5万円 |
3万円〜5万円 |
兄弟姉妹 |
3万円〜5万円 |
5万円 |
5万円 |
叔父・叔母 |
1万円 |
1万円〜3万円 |
1万円〜5万円 |
上記以外の親戚 |
5,000円〜1万円 |
1万円〜 |
1万円〜 |
なお、家族葬の香典について知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
【関連記事】家族葬で香典は必要?香典の相場やマナー、香典返しについて徹底解説
香典の金額相場①:両親
親の葬儀で包む香典の金額相場は、以下のとおりです。
- 20代:3万円〜10万円
- 30~40代:5万円~10万円
- 50~60代:10万円
配偶者の父母が亡くなった場合も同額を包み、差異をつけない配慮が必要です。
自分が喪主を務めたり、葬儀費用を負担したりする場合には、香典を包む必要はありません。
香典の金額相場②:祖父母
祖父母の葬儀で香典を出す場合は、以下の金額を包むのが一般的です。
- 20代:1万円~3万円
- 30~40代:1万円〜5万円
- 50~60代:3万円〜5万円
同居の有無は関係なく、配偶者の祖父母に対しても同額を包みます。
結婚して独立しているときは、夫婦連名で香典を包むこともあります。
香典の金額相場③:兄弟姉妹
兄弟の葬儀で包む香典の金額相場は、以下のとおりです。
- 20代:3万円~5万円
- 30~40代:5万円
- 50~60代:5万円
配偶者の兄弟・姉妹であっても同額を包みます。
香典の金額相場④:叔父・叔母
叔父・叔母の葬儀で香典を出す場合は、以下の金額を包むのが一般的です。
- 20代:1万円
- 30~40代:1万円~3万円
- 50~60代:1万円~5万円
年齢に関わらず1万円を包む方が多く、生前に親しい間柄であった場合には、より高額になるケースが多いといえます。
香典の金額相場⑤:上記以外の親戚
故人が上記以外の親戚である場合、香典の金額相場は以下のとおりです。
- 20代:5,000円~1万円
- 30~40代:1万円〜
- 50~60代:1万円~
血縁関係の近さだけではなく、生前において、故人やその家族との交流や関係性がどれだけ深かったかどうかも考慮する必要があります。
【親族以外のお葬式】香典の金額相場
親族以外の葬儀における香典の金額相場は、下表のとおりです。
亡くなった方 |
香典を包む側の年代 |
||
20代 |
30代~40代 |
50代~60代以上 |
|
友人・知人 |
5,000円 |
5,000円~1万円 |
5,000円~1万円 |
会社(上司などの職場関係者) |
5,000円 |
5,000円〜1万円 |
1万円〜 |
取引先 |
3,000〜5,000円 |
5,000〜1万円 |
1万円〜 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
香典の金額相場①:友人・知人
友人や知人の葬儀では、以下の金額が香典の相場です。
- 20代:5,000円
- 30~40代:5,000円〜1万円
- 50~60代:5,000円~1万円
ただし、ご自身の年齢だけではなく、生前の関係性や親密度によって金額に違いが出てきます。
故人と非常に親しい間柄であれば、年齢に関係なく、1万円以上を包むケースもあります。
また、近所の方や友人の両親が亡くなった場合は、3,000円〜5,000円が相場です。
香典の金額相場②:会社(上司などの職場関係者)
上司などの職場関係者が亡くなった場合の香典は、以下の金額を包みます。
- 20代:5,000円
- 30~40代:5,000円〜1万円
- 50~60代:1万円〜
金額については会社の方に相談し、話し合って決めるのが無難です。
香典の金額は、多ければ多いほどよいわけではなく、受け取る遺族が困らないような配慮も必要です。
また、複数人の連名で香典を出す場合は、事前に金額などを相談しておきましょう。
香典の金額相場③:取引先
取引先の葬儀で包む香典の金額相場は、以下のとおりです。
- 20代:5,000円
- 30~40代:5,000円〜1万円
- 50~60代:1万円〜
ただし、取引先の人が亡くなった場合は、特別なケースを除いて、会社の代表者が対応することが多いといえます。
そのため、まずは社内の関係者に相談するようにしてください。
【法要別】香典の金額相場
香典は、葬儀だけではなく、法要や法事にも持参します。
香典の金額相場は法要の種類によっても異なるため、代表的な2つの法要を例に解説します。
- 初七日法要
- 四十九日法要
それぞれにおける香典のマナーを詳しく見ていきましょう。
なお、斎奉閣は三重県に20会館以上を構え、葬儀や法要を執り行っています。
法要における香典のマナーに関してお悩みの方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
香典の金額相場①:初七日法要
初七日法要とは、故人が亡くなってから7日目に行う最初の法要です。
初七日法要では、葬儀で出した香典の半分にあたる金額を包むのが基本です。
ただし、端数が出る場合は、半額程度を目安にキリがよい金額を包みましょう。
たとえば、葬儀の香典が5,000円の場合、半額にすると2,500円ですが、数字のキリをよくするために3,000円を包むのが一般的です。
この場合、偶数にならないよう、2,000円を包むのは避けましょう。
なお、最近では葬儀と初七日法要が同日に行われるケースもあるため、事前に遺族や葬儀社に確認しておくと安心です。
初七日法要における香典のマナーを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】初七日法要とは?香典のマナーやお供え物、服装などについてわかりやすく解説
香典の金額相場②:四十九日法要
四十九日法要とは、故人が極楽浄土に行けることを祈って行う法要です。
四十九日法要で包む香典の金額相場も、初七日法要と同様に、葬儀で渡した約半額が相場です。
場合によっては、法要後に会食の場が設けられることもあります。
この場合は、香典とあわせて1人あたり5,000円〜1万円を包んでおくと失礼がないでしょう。
四十九日法要における香典のマナーを詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
【関連記事】四十九日法要とは?準備や当日の流れを解説|香典・お布施の金額相場も紹介
香典のマナー
香典は通夜か葬儀で持参します。
遺族に配慮し、通夜前の弔問は避けましょう。
香典を出す際は、金額のほかにも以下3つのマナーを守る必要があります。
- 香典袋の書き方
- 香典の包み方
- 香典の渡し方
それぞれ詳しく見ていきましょう。
香典袋の書き方
香典を用意するためには、筆ペンと不祝儀袋が必要です。
香典に使われる不祝儀袋は、宗教によって水引の色や表書きが異なるので注意してください。
香典袋を書く際は、以下の2点を押さえておくと失礼がないでしょう。
- 基本的な書き方
- 2名以上の連名にする際の書き方
なお、香典袋の選び方に迷ったときは、親戚や葬儀社などに確認するのも1つの方法です。
斎奉閣の無料事前相談では、葬儀に関するあらゆる疑問や質問にお答えしています。
香典を入れる不祝儀袋や書き方などでお悩みの方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
基本的な書き方
香典袋は、薄墨の毛筆や筆ペンを使用して書くのが基本です。
薄墨で書く理由は、悲しみの涙で墨も薄まるということに起因しており、故人やご遺族を弔う気持ちを表す慣習です。
使用する香典袋は、宗教によって異なります。
仏式葬儀なら「黒白の水引」、神式葬儀は「双銀もしくは双白の水引」を選びましょう。
キリスト教式であれば、「水引は不要」で、十字架や花模様がデザインされた香典袋が一般的です。
蓮(はす)の絵柄が描かれている香典袋は仏式の葬儀のみで使用するもので、神式やキリスト教の葬儀では使わないので注意が必要です。
故人の宗教がわからない場合には、白無地のものを選ぶようにしてください。
香典袋は、基本的に外袋と中袋の2つがあります。
中袋にお金を入れてから、外袋で包む形です。
外袋の上側中央部に表書き、下側に自分の姓名をフルネームで記入します。
なお、表書きも宗教や宗派によって異なります。
たとえば、浄土真宗については、宗教上の考え方から「御霊前」は存在せず、「御仏前」という表記を使うのがマナーです。
また、キリスト教式では「献花料」や「お花料」、神式では「御玉串料」が使われます。
▼浄土真宗「御仏前」
▼キリスト教式「お花料」
▼神式「御玉串料」
ただし、故人の宗教がわからない場合は、ほとんどの葬儀で共通して使える「御香典」、もしくは「御霊前」「ご霊前」の表書きにしておくと安心です。
2名以上の連名にする際の書き方
2人以上の連名や組織・団体でまとめて香典を出す場合には、以下のように記します。
2名の連名で包む場合(夫婦など) |
外袋の中央に夫の名前を書き、左隣りに名字を省略した妻の名前を記す |
3名までの連名で包む場合(会社の同僚など) |
・全員の名前を外袋に記す |
4名以上で包む場合 |
・全員の氏名・住所・金額を白い無地の便箋に記して香典袋に一緒に入れる |
会社や組織・団体名で包む場合 |
外袋の中央に代表者名、右側に会社名・組織・団体名を記す |
お金を入れる中袋には、表面に金額を記入し、裏面には、氏名と住所を書きます。
金額は「金」をつけて「金〇〇圓」と記入するのがマナーです。
たとえば、1万円は「金壱万圓」、3万円は「金参万圓」のように、旧漢数字を使って縦書きで書きましょう。
香典の包み方
香典を包む際のマナーとして知っておきたいのは、以下の2つです。
- お札の入れ方
- 袱紗(ふくさ)の包み方
それぞれ詳しく見ていきましょう。
お札の入れ方
香典に使うお札は、一般的には新札を使わないのが基本です。
「新札=前もって死を予測して用意していた」という印象を与えてしまい、遺族への配慮に欠けるとされています。
ただし、あまりにもボロボロのお札では逆に失礼にもあたるので、適度に使ったお札を包みましょう。
新札の場合は、縦半分に一度折り目をつけてから包むようにしてください。
お札を入れる際には、中袋を裏にして開けたときに、お札の表人物が描いてある方が上になるようにします。
また、人物が下にくるように入れ、お札が2枚以上の場合は、お札の向きをそろえることを忘れないようにしましょう。
袱紗(ふくさ)の包み方
香典袋は、不祝儀用の袱紗(ふくさ)や地味な風呂敷などに包んで持参します。
▼袱紗
香典袋をそのままむき出しにしたり、内ポケットに入れたりして持参するのではなく、相手に渡すまで袱紗に包んでおくのがマナーです。
袱紗は葬儀などの弔事や、結婚式をはじめとする慶事のどちらでも使用できる「紫色」を選ぶと使い勝手がよいでしょう。
歳を重ねるにつれて弔事に参列することが増えてくるため、使用用途や頻度を考え、まずは紫の袱紗を一枚用意しておくのがおすすめです。
包み方は弔事と慶事では異なり、弔事では袋を袱紗の真ん中に置き、右、下、上の順にたたみます。
最後は左側から巻き込み、つめがあれば留めて包むのが一般的です。
▼袱紗の包み方
香典の渡し方
香典を持参するのは、通夜か葬儀です。
受付では、まず一礼をしてからお悔やみの言葉をお伝えします。
香典袋を取り出したら、手早くたたんだ袱紗の上に載せ、相手に向け直してから両手で渡しましょう。
通夜や告別式に参加できない場合には、香典を郵送します。
香典袋や包む金額などは持参する場合と同じにして、現金書留で送ります。
葬儀に参列できないお詫びとお悔やみの言葉を書いたお手紙も添えましょう。
まとめ:香典の相場について
香典には、故人の死を悲しみ、遺族を慰める意味合いがあります。
葬儀や法要で故人や遺族に失礼がないよう、香典の金額相場をしっかりと押さえておきましょう。
事前に香典の基本マナーを把握していれば、いざというときに落ち着いて対応できます。
香典をはじめ、葬儀や法要に関する不安や疑問がある場合は、葬儀社に相談してみるのも1つの方法です。
葬儀について検討されている方は、ぜひ斎奉閣の無料事前相談ページからご相談ください。
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この記事の監修者
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